1.ばねとは
力の大きさを測ることができる道具。
引く力を加えるとのび、押し縮める力を加えると縮む。
ばねにはたらく力とばねののびは比例の関係にあるという法則。
2.ばねの問題の解き方
次の3つの注意点を必ず押さえよう。
その① どのようなばねなのかを調べておく
どのような「ばね」か注目すべきは次の2点。
・自然長は何cmか。 ※問題によっては考えなくてよいこともあります。
・このばねは△Nで□cmのびるというデータ。 ※フックの法則を使うためです。
この2点をグラフや表から必ず求めてから問題に取りかかること!
その② ばねにはたらく力:のび の比例式をつくる!
力(N)とのび(cm・m)は比例の関係にあります。(フックの法則)
つまり比例式をつくることが可能です。
その③ 「のび」を答えるのか「長さ」を答えるのかチェック!
長さとのびのちがいをしっかりわかっておきましょう!(↓の図)
長さ=自然長+のび を意味します。
では、以上の注意点を踏まえて実際に問題を解いていきましょう。
この後の問題では100gの物体にはたらく重力を1Nとします。
例題1
(答)
(1)
グラフをよく見ましょう。
ばねに何もつるしていない時の長さとは、自然長のことです。
つまりグラフの横軸が0Nのときの10cmというのが自然長です。
(2)
グラフで2Nのときのばねの長さが11cmです。
この11cmには自然長10cmが含まれていますから
のびは
11cm-10cm=1cm
となるので
1cmが2Nの力を加えたときののびです。
例題2
(答)
例題1よりばねAについて
・自然長10cm
・2Nで1cmのびるばね
であることがわかっています。
この問題では500gのおもりをつるしています。
500g → 5Nの重力です。
よって求めるのびをx[cm]として比例式をつくりましょう。
2N:1cm=5N:x(cm) ※(ばねにはたらく力):(のび) の比例式
これを解いて x=2.5cm
よって
ばねAのびは2.5cm
ばねAの長さは 2.5cm+10cm=12.5cm
となります。
例題3
(答)
ばねAの長さが16cmであることから
ばねののびは
16cm-10cm=6cm
です。
ばねにはたらく力をx[N]とすると
2N:1cm=x(N):6cm ※(ばねにはたらく力):(のび)の比例式
という比例式がつくれます。
これを解いて
x=12N
おもりの重さは12N。
12N → 1200gですね。
よって求めるおもりの質量は1200gです。
※この問題での発想は非常に重要です。
「問題でばねの長さやのびが与えられている」ならば「ばねにはたらく力を求められる!」
と考える!
この発想を必ず持ってください。
長くなるので続きは別ページに。
POINT!!
・「自然長は何cmか」「このばねは△Nで□cmのびる」
この2点を調べてから問題を解く癖を!
・「ばねの長さやのびが与えられた」⇒「ばねにはたらく力が求められる!」
・「のび」を答えるか「長さ」を答えるか気を付けよう!
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コメント(承認された場合のみ表示されます)
家庭教師をしている際にいつも参考にさせていただいています。
バネの両端には同じ力がかかっているという話をしたところ、
「じゃあ合力0だから力がかかっていないのと同じ→バネの伸びは0センチになるのでは」
と言われてしまいました。
そんなわけはないとは思いつつも、どこが間違っているのか分かりませんでした。
どう答えれば良いか教えていただけませんか。
あんこ様
返信が遅くなり申し訳ありません。
そしてコメントありがとうございます。
おっしゃる状況ではばねが受ける力の合力は0Nです。
そのため、ばねそのものは静止しています。
こちらはばねの運動の話です。
一方でばねが両端で引かれていることも事実で、その合力が0Nであることとはまた別の話です。
ばねの両端を同じ力で引いてはじめてばねはのびます。
これはばねの変形の話です。
物体の変形と物体そのものの運動は別の話ということをお伝えしてはいかがでしょうか。
わかりやすいなぁ そうに決まってる
810様
コメントありがとうございます。
お役に立てているなら幸いです。
またいつでもご利用ください。
お返事いただきありがとうございます。
変形と運動を分けて考える、ですね。
これからも読ませていただきます。ありがとうございました!