前回からの続きです。
読んでいない人は
→【ばねの問題①】←
を読んでもらえると理解しやすいかと思います。
(このページでは複数のばねの問題・ばねの直列つなぎ・並列つなぎなどを扱っています。)
いま、あるばねAがあります。
このばねAにいろいろな力を加え、ばねの長さを調べたところ次のようなグラフになりました。
このグラフから次のことを考えておきましょう。
・自然長は何cmか。
※問題によっては考えなくてよいこともあります。
・このばねは△Nで□cmのびるというデータを求めておく。
※フックの法則を使うためです。
グラフを読み取って
・自然長は10cm。
・このばねAは2Nで11cmの長さになる。つまり1cmのびている。
・2Nで1cmのびているばねである。
ということがわかります。
そして
・(ばねにはたらく力):(ばねののび) という比例式をつくる。
・「のび」または「長さ」のどちらを考えるのか問題文をチェック。
という点に気を付けましょう。
このばねを用いた例題を見ていきましょう。
例題4
2本のばねAに↑の図のようにおもりをつるした。
このときの上下のばねAののびと長さはそれぞれ何cmか。
(答)
ばねの問題の1つのポイントは
「ばねにはたらく力=自分より下にあるおもりの重さ」であることです。
まず下のばねA。
次に上のばねA。
つまり上のばねAも下のばねAも、ともに3Nの力がはたらきます。
では、そののびを x(cm) とすると
2N:1cm=3N:x(cm) ※(力の大きさ):(ばねののび) という比例式
という比例式がつくれます。
これを解いて
x=1.5cm
よって上下のばねどちらも
のびは1.5cm
です。
ここに自然長10cmを加えると「ばねの長さ」となります。
どちらのばねも
長さは11.5cm
となります。
例題5
このときの左右のばねAののびと長さはそれぞれ何cmか。
(答)
800gつまり8Nのおもりが棒につり下がっています。
このばねを2本で支えています。(↓の図)
ではそののびを x(cm) とすると
2N:1cm=4N:x(cm)
という比例式になります。
これを解いて
x=2cm
よってどちらのばねも
のびは2cm
長さは12cm
となります。
例題6
このときの上下のばねAののびと長さはそれぞれ何cmか。
(答)
例題4で述べた「ばねにはたらく力=自分よりも下にあるおもりの重さ」であることを利用します。
まず上のばねA。
上のばねAの下には4Nと6Nのおもりがつるしてあります。(↓の図)
つまり上のばねAには合計10Nの力がはたらいています。
ではそののびを x(cm) とすると
2N:1cm=10N:x(cm)
という比例式になります。
これを解いて
x=5cm
よって上のばねAの
のびは5cm
長さは15cm
になっています。
次に下のばねA。
下のばねAの下には6Nのおもりがつるされているのみです。(↓の図)
下のばねAには6Nの力がはたらいています。
ではそののびを x(cm) とすると
2N:1cm=6N:x(cm)
という比例式になります。
これを解いて
x=3cm
よって下のばねAの
のびは3cm
長さは13cm
になっています。
例題7
このときのばねAののびと長さはそれぞれ何cmか。
(答)
ばねにはたらく力を書いてみると↓の図のようになりますね。
つまり両端から4Nの力で引っ張られているという状況です。(↓の図)
では、ばねAには何Nの力がはたらいているでしょうか。
8N? それとも4N?
ここで、ばねAの右側にだけ4Nの力がはたらいている状況を考えてみましょう。
ばねAの右側を4Nで引っ張りました。といってもばねAは固定されていません。
このばねAはただ移動するだけです。のびないのです。(↓の図)
ばねをのばすためには壁や天井で固定する必要があります。
つまりばねのもう片方に、ばねを支えるための力が必要なのです。
この問題の場合も同じです。
両端のおもりのうち
一方が「固定するための力」として
一方が「のばすための力」として
はたらきます。
この場合はばねAには、8Nではなくて4Nの力がはたらくことになります。
ではそののびを x(cm) とすると
2N:1cm=4N:x(cm)
という比例式になります。
これを解いて
x=2cm
よって
のびは2cm
長さは12cm
になっています。
※非常に間違いやすい問題です。
ばねの両端にかかる力のうち
・一方はのばすため
・一方は支えるため
にはたらくのです。
支える方の力は壁や天井の役割をしているとも言えますね。
・自然長は何cmか。このばねは△Nで□cmのびる。→これを必ず調べてから問題を解く!
・ばねには、そのばねよりも下にあるおもりの重さがはたらく。
・ばねの片方だけに力を加えてものびない。
↓
・両端に力を加えることで、一方がのばす力・一方が支える力としてはたらく。
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コメント(承認された場合のみ表示されます)
めっちゃ解説がわかりやすかったです。ありがとうございました。
たさそら様
コメントありがとうございます。
お役に立ててよかったです。
またいつでもご利用くださいね。