このページでは「飽和水蒸気量って何?」「露点って何?」「露点ってどうやって求める?」について解説しています。
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1.空気中の水蒸気
水蒸気は水が気体になったものです。
水蒸気というと、「お湯から出る湯気」を水蒸気だと思う人もいます。
しかしあれは水蒸気ではありません。
あの正体はごく小さな水滴です。
ごく小さな水滴が浮かんでいるのです。
水蒸気は目に見えません。
ですが空気中に存在しています。
POINT!!
・水蒸気・・・・・・目に見えない
・水滴や氷の粒・・・目に見える
例えばコップに氷水を入れたとしましょう。(↓の図)
コップのまわりにはやがて水滴がつきます。
この水滴は、まわりの水蒸気が冷やされてできたものと考えられます。
つまり空気中には水蒸気が存在しています。(目には見えないけど)
1辺が1mの立方体の箱に空気を入れて、この中に水蒸気を送り込みましょう。
箱の中の空気の体積は1m3です。
この空気1m3に入っている水蒸気の量を水蒸気量といいます。
箱にはいくらでも水蒸気が入るのか、というともちろん限度があります。
この空気1m3に入ることができる最大の水蒸気量を飽和水蒸気量といいます。
空気1m3に入っている水蒸気の量(g)のこと。
※空気1m3あたりを考えているので単位は【 g/m3 】(グラム毎立方メートル)
空気1m3に入ることができる最大の水蒸気の量(g)のこと。
※空気1m3あたりを考えているので単位は【 g/m3 】(グラム毎立方メートル)
気温が高いほど飽和水蒸気量が大きくなる。
2.飽和水蒸気量
飽和水蒸気量は気温によって変化します。
各気温でのおおよその値は次の表のようになります。(覚える必要はありません。)
これをグラフ化すると↓のような曲線のグラフになります。
ではここで1つ例を考えてみましょう。
例 水蒸気を含む空気の温度を下げる
グラフにこの情報を記入してみましょう。(↓の図)
いま25℃なので飽和水蒸気量は23.1g/m3です。
最大23.1gの水蒸気が入ることができるということです。
実際には12.8gの水蒸気が入っているので、まだ水蒸気が入ることができます。
その値は
23.1-12.8=10.3g
すなわち、あと10.3gの水蒸気が入ることができます。
温度を下げると飽和水蒸気量は下がります。
入ることができる水蒸気の量が減少するということです。(↓の図)
15℃まで下げると飽和水蒸気量は12.8gです。
(最大12.8gの水蒸気が入る、という意味。)
いま、最初に入っていた水蒸気は12.8gです。
ということはこれ以上の水蒸気が入ることはできません。
5℃での飽和水蒸気量は6.8gです。
最初に入っていた水蒸気は12.8gです。
12.8g全部が空気中に入ることはできません。
12.8-6.8=6g
が入りきらない水蒸気の量です。(↓の図)
入ること(含むこと)ができなくなった水蒸気はどうなるかというと・・・
水滴(液体)へと変化してしまいます。
今の場合、6gの水蒸気が入らなくなったので、生じる水滴も6gです。
POINT!!
・入ることができなくなった水蒸気は水滴へと変化する。
・生じる水滴の量=入ること(含むこと)ができなくなった分の水蒸気の量
③において5℃まで温度を下げたとき、6gの水滴ができました。
しかし5℃ではじめて水滴ができたわけではありません。
水滴は、入りきらなくなった水蒸気が変化したものなので、
②の状態(15℃)から、少しでも温度を下げると入ること(含むこと)ができない水蒸気が出てきます。
このように
これ以上温度を下げると水滴ができてしまう温度(水蒸気が入りきらなくなる温度)
を露点といいます。
この空気の露点は15℃ということになります。(↓の図)
②の状態を思い出すと
ちょうど
飽和水蒸気量=実際に入っている(含んでいる)水蒸気量
となっています。
これ以上温度を下げると水滴が生じるという温度。
■露点と水蒸気量の関係
露点では
飽和水蒸気量=実際に入っている(含んでいる)水蒸気量
となっている。
例題1
さきほどのグラフを参考に次の問いに答えなさい。
(1) 気温30℃、12.8gの水蒸気を含む空気1m3の露点は?
(2) 気温30℃、6.8gの水蒸気を含む空気1m3の露点は?
(答)
(1)
気温30℃、12.8gの水蒸気を含んでいる様子をグラフに表します。(↓の図)
露点とは、温度を下げていった時に
飽和水蒸気量=実際に入っている(含んでいる)水蒸気量
となる温度なので・・・
露点は15℃となります。
(15℃で いま実際に含まれる水蒸気量=飽和水蒸気量 となる。)
(2)
気温30℃、6.8gの水蒸気を含んでいる様子をグラフに表します。(↓の図)
露点とはここから温度を下げたとき、
飽和水蒸気量=実際に入っている(含んでいる)水蒸気量
となる温度なので・・・
露点は5℃となります。
(5℃で いま実際に含まれる水蒸気量=飽和水蒸気量 となる。)
この問題からもわかるように、露点は「実際に入っている(含んでいる)水蒸気量」によって決まります。
POINT!!
・露点は「実際に入っている(含んでいる)水蒸気量」で決まる。
・露点では「飽和水蒸気量=実際に入っている(含んでいる)水蒸気量」となっている。
・「実際に含んでいる水蒸気量」は露点から調べることができる。
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