1.状態変化
■状態
理科でいう「状態」とは「固体・液体・気体」のこと。
物質は小さな粒子が集まってできています。
固体・液体・気体という状態は粒子の結びつきが異なります。
固体・・・その粒子が互いにつよく結びついている状態。
液体・・・その粒子の結びつきが弱まった状態。
気体・・・粒子の結びつきがなくなった状態。
温度が高いほど粒子の動きは激しくなります。
固体は粒子の動きがおだやかな状態であり、気体は粒子の動きがもっともはげしい状態ということもできます。
■状態変化
加熱や冷却によって物質の状態が変化すること。
■主な状態変化
↓の図の★がついているものは必ず覚えよう。
■蒸発と沸騰のちがい
蒸発・・・液体が表面から気体になること。
沸騰・・・液体が内部から気体になること。
■昇華する物質
昇華が起こるかどうかは「気圧」によって変わります。
地表の気圧程度で昇華を起こす物質は
ドライアイス(二酸化炭素)・ナフタレン・ヨウ素・パラジクロロベンゼン
などです。
2.状態変化と質量・体積の変化
■状態変化と質量・体積の変化
状態変化をしても質量は変化しない。
しかし体積は変化する。
その体積の変化の仕方は「水」と「水以外の物質」で異なる。
水以外の物質の場合
ろうそくの「ろう」の状態変化を考えます。
温度が高くなるほど物質をつくる粒子の運動が激しくなるので、
温度が高いほど体積は大きくなります。
反対に、
温度が低いほど体積は小さくなります。
つまり固体は体積が小さく、気体は体積が大きいです。(↓の図)
ここで密度を考えてみます。
密度はぎゅうぎゅう、スカスカを表します。
※→【密度】←で詳しく解説中。
どの状態でも質量は同じなので
体積の大きな気体はスカスカ=密度が小さいです。
体積の小さな固体はぎゅうぎゅう=密度が大きいです。
つまり表にまとめると↓のようになります。
このことから液体のろうに固体のろうを入れると沈んでしまうことがわかります。
水の場合
水はかなり特殊な性質の多い物質です。
ふつう温度が低い(固体)ほど体積が小さく、温度が高い(気体)ほど体積が大きくなります。
しかし、水の場合はそうではありません!
水は氷になったとき体積が少し大きくなってしまうのです。(↓の図)
なので氷の密度は液体に比べると少しスカスカ=小さいということになります。
表にまとめると↓のようになります。
このことから氷(固体)は水(液体)に浮いてしまうことになるのです。
(スカスカなもの(密度の小さなもの)は浮く)
この「水」と「水以外の物質」(↑ではろう)の違いは超重要。
必ず押さえておきましょう。
3.状態変化と温度変化
ビーカーに氷を入れガスバーナーで加熱していった時の温度変化を見てみます。
このときの加熱時間、温度変化の関係をグラフに表すと↓のようになります。
このグラフを見てまず注目したいところは・・・
0℃に達したときと100℃に達したときに温度が上がっていないことです。
氷は0℃でとけ始めます(融解し始める)。
また水は100℃で沸騰し始めます。
つまり0℃、100℃ではそれぞれ融解・沸騰という状態変化が起こっています。
状態変化が起こっている最中は温度が変化しません。
それは与えた熱が状態を変化させることのみに使われるからです。
■融点
融解(固体が液体になること)が起こる温度。水の場合は0℃。
■沸点
沸騰(液体が気体になること)が起こる温度。水の場合は100℃。
グラフの各点での状態は次のようになっていることを理解しておきましょう。
ではエタノールの場合ではどのようなグラフになるでしょう。
エタノールは融点が-115℃、沸点が78℃です。
状態変化が起こっているときは温度が上がりません。
そのため↓のようなグラフになります。
POINT!!
・状態変化のとき質量は変化しない。
・状態変化のとき気体に近づくほど体積は大きくなる。
・水以外の物質は固体に近づくほど体積は小さい。
・水は固体に近づくほど体積は少しずつ大きくなる。
・状態変化が起こっているとき、物質の温度は上がらない。
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