このページは電磁誘導について→【電磁誘導カンタン説明Ver】←よりも詳しく説明するためのページです。
そのためやや難しめです。
入試問題に対応するために必要な考え方です。
※発電機のしくみのついては→【発電機のしくみ】←を参考に。
※直流と交流については→【直流と交流】←を参考に。
1.電磁誘導とは
コイルのそばで磁界を変化させると、コイルに電圧が生じて電流が流れ出す現象。
※「導」の漢字間違いに注意!
■誘導電流
電磁誘導が起こったときコイルに流れる電流のこと。
※「導」の漢字間違いに注意!
電磁誘導を引き起こすのに必要なものは
・コイル
・磁界を発生させるもの(多くの場合、磁石や電磁石)
です。
コイルのそばで磁界が変化すると、必ず電磁誘導が起こります。
(反対に、磁界が変化しなければ電磁誘導は起こらない)
2.電磁誘導の原理
電磁誘導が起こるとき、コイルは磁界の変化をさまたげようとする。
「レンツの法則」という名称はともかく、レンツの法則の中身はきちんと理解してかなければなりません。
以下に電磁誘導が起こる例を見てみましょう。
例その①
棒磁石からは↓のように磁界が発生しています。このような磁界の様子を表す線を磁力線といいます。
ではこのような棒磁石を↓のようにコイルの左端に近づけます。
すると磁石を近づける前に比べて、コイルの中心をつらぬく右向きの磁力線の本数が増えます。(↓の図)
レンツの法則の通り、コイルは磁界の変化をさまたげようとします。
この場合は
磁界の変化とは「コイルをつらぬく右向き磁力線の増加した」
ということです。
コイルはこの変化をさまたげようとします。
すなわちコイルは、
コイルをつらぬく右向きの磁力線を減らそうとする
↓↓↓
そのためにコイルは左向きの磁力線をつくり出す
ことになります。
よって↓のように左向きの磁力線(磁界)を発生させます。
このような原理で電磁誘導を引き起こすわけです。
例その②
次に棒磁石を↓のようにコイルの左端から遠ざけます。
すると磁石を遠ざける前に比べて、コイルの中心をつらぬく右向きの磁力線の本数が減ります。(↓の図)
レンツの法則の通り、コイルは磁界の変化をさまたげようとします。
この場合は
磁界の変化とは「コイルをつらぬく右向きの磁力線が減少した」
という変化です。
コイルはこの変化をさまたげようとするので
コイルは、
コイルをつらぬく右向きの磁力線を増やそうとする
↓↓↓
コイルは右向きの磁力線をつくり出す
ことになります。
よって↓のように右向きの磁力線(磁界)を発生させます。
誘導電流の向きについては右手の法則を使って考えてみてください。
※→中2物理【電流がつくる磁界】←を参考に。
3.特殊な電磁誘導
この原理を利用すると次のような問題が解けます。
例題
アルミニウムパイプABは固定されておらず自由に動くことができる。
このアルミニウムパイプABを右向きに動かすとアルミニウムパイプや導線に電流が流れる。
その電流の向きはアルミニウムパイプABの部分ではA→B、B→Aのどちらか。
(答)
アルミニウムパイプABを次のように動かしてみるという問題です。
ここで電磁誘導が起こると考えられます。
なぜ?コイルはどこに?磁界は変化しているの?となりますが・・・
この装置を↓のように1回巻きのコイルととらえてみるのです。
そしてアルミニウムパイプABが右に動くと・・・
コイルの中心部分が大きくなり、コイルをつらぬく上向きの磁力線が増えるのです。(↓の図)
確かに磁力線そのもののようすや磁界は変化していませんが、
コイルの中心部分の大きさが変化していると考えることができるのです。
コイルにとって
磁界の変化とは「コイルをつらぬく上向きの磁力線が増加した」
という変化です。
コイルはこの変化をさまたげようとするので(レンツの法則)
コイルは上向きの磁力線を減らそうとする
↓↓↓
コイルは下向きの磁力線をつくり出す
となるのです。(↓の図)
このときに生じる誘導電流は↓のようになります。(右手の法則)
よってアルミニウムパイプABの部分をA→Bの向きに電流が流れるのです。
コイルをつらぬく磁力線の本数の変化に注目、というのは重要な考え方。
高校では「磁束密度の変化」などといい、高校でも重要な考え方です。
しっかり理解しておきましょう。
※発電機のしくみのついては→【発電機のしくみ】←を参考に。
※直流と交流については→【直流と交流】←を参考に。
コメント(承認された場合のみ表示されます)
すっごく分かりやすかったです!🥰
おかげで安心してテストに臨めました!😁✨✨
ありがとうございますしか言えんwww
名無しの中学生様
コメントありがとうございます。
お役に立てたようで何よりです。
また機会があればご覧ください!