このページは「ドップラー効果」についての解説をしています。
中学校の教科書内容を超えた内容です。
*音の基本的な性質については→【音の性質】←を参考に。
*音の速さに関する基本的な計算は→【音の速さの計算】←を参考に。
1.ドップラー効果
↓の図のようにスピーカーのついた車(救急車のように音が出る車)と、観測者が離れて立っています。
いま車はまったく動いていません。
この車が観測者に向かって2秒間、スピーカーから音を鳴らし続けたとしましょう。
鳴らし始めてから0.3秒後くらいでは・・・
↓のように音の波が少し出てきています。
1.2秒後くらいでは・・・
↓のように音の波が先ほどよりも多く出ています。
2秒後では・・・
↓のようにさらに音の波が多く出ています。これで音は鳴り終わりです。
この音の波が観測者に向かって進みます。(↓の図)
この音が観測者に少しでも届くと(↓の状態)、観測者にはその音が聞こえはじめます。
音が通過する最中(↓の状態)、観測者はずーっと聞こえています。
↓のように、音が通過し終わって、観測者は音を聞き終わります。
これが音を聞くということです。
スピーカーから発せられた音の波が、観測者を通過し始めて、そして通過し終わるまで、観測者にはその音が聞こえているわけです。
ではここで車が動きながら音を出していたら、ということを考えます。
車が観測者に近づいているとき
車が観測者に向かって近づいているときを考えてみましょう。
車が観測者に近づきながら、2秒間音を鳴らしていたとしましょう。
車が止まっていれば、↓のような音の波がスピーカーから発せられます。
しかし車が近づいていると、↓のような波がスピーカーから発せられます。
先ほどと比べると、両横から押し縮められたような波です。
この波が観測者に向かいます。
↓は観測者がこの音を聞き始めたときです。
そして↓のようになったとき、観測者は音を聞き終わります。
この音は図の通り、
・波の数は先ほどと同じ
・聞く時間は短い
ので
観測者にとっては高い音に聞こえます。
車が観測者から遠ざかっているとき
車が観測者に向かって遠ざかっているときを考えてみましょう。
車が観測者に遠ざかりながら、2秒間音を鳴らしていたとしましょう。
車が止まっていれば、↓のような音の波がスピーカーから発せられます。
しかし車が遠ざかると、↓のような波がスピーカーから発せられます。
先ほどと比べると、両横から引っ張られたような波です。
この波が観測者に向かいます。
この音は図の通り、
・波の数は先ほどと同じ
・聞く時間は長い
ので
観測者にとっては低い音に聞こえます。
このように音源が動いていると、音を聞く時間が変化します。
そのため、音の振動数が変化してしまいます。
動いていない時に比べて、音の高さがちがって聞こえるのです。
このような現象をドップラー効果といいます。
音源が近づいていると、高い音に聞こえる。
音源が遠ざかっていると、低い音に聞こえる。
救急車が近づくほどサイレンがだんだんと高く聞こえたり、遠ざかるほど低く聞こえるのもドップラー効果によるものです。
電車に乗っているとき、踏切に近づくと「カンカン」という音ががだんだんと高く聞こえたり、遠ざかると低く聞こえたり、というのもドップラー効果です。
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