2018年 広島県公立入試問題 解説


このページでは2018年度の広島県立入試の問題を解説しています。(理科のみ)

 

問題・模範解答はこちら↓↓↓↓
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/kyouiku/06senior-2nd-h30-nyuushi-h30-kou-h30-kou-kennsayoushi-h-30-kou-kensayoushi.html

 

 

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大問1の解説

2(2)

耳の中の各部分の役割をまとめておきます。

 

鼓膜・・・・・空気の振動を受け取るところ。
耳小骨・・・・図中のア。鼓膜が受け取った振動を大きくする。
うずまき管・・図中のイ。耳小骨から伝わった振動を,音の刺激として受け取る。
聴神経・・・・図中のウ。うずまき管で受け取った刺激を脳に伝える。

 

 

うずまき管の内部には毛のようなものが生えています。
またリンパ液という液体が入っています。

 

 

耳小骨が振動することでリンパ液が動きます。
そして毛のようなものがリンパ液の動きをとらえます。
これが音の刺激となり、聴神経を通して脳に伝わります。(そして音を認識する)

 

 

3

方法Ⅰと方法Ⅱより、メダカは、

ラップに包まれたえさには近づくが、ラップに何もなければ近づかない

ことがわかります。(↓の表)

 

これにより、メダカは視覚によってえさを認識していることがわかります。

 

 

方法Ⅲより、メダカは、

えさに形がなく、見えなくても近づく

ことがわかります。

 

これにより、メダカは嗅覚によってもえさを認識していることがわかります。

 

 

方法Ⅰ~Ⅲを暗所で行うとどうなるか考えてみます。

 

 

方法Ⅰを暗所で行うと、メダカはラップの中のえさが見えません
そのためえさのそばに近づくことはないはずです。

 

 

方法Ⅱでは、えさがないためにメダカはラップに近づきません。
暗所で行っても、えさがない状態なのでメダカはラップに近づかないはずです。

 

 

方法Ⅲでは、嗅覚に頼ってメダカはえさのそばに近づいています。
暗所で行っても、嗅覚をさまたげられることはありません
よってメダカはえさのそばに近づくはずです。

 

 

よって結果が変わらないのは、方法Ⅱと方法Ⅲです。

 

 

4

方法Ⅲだけでは、

液体が落ちたのを見ていたため、メダカは液体に近づいた

とメダカが視覚にたよった可能性が否定できません。

 

 

メダカは嗅覚にたよって液体に近づいたことを確かめるには
えさの溶けていない液体をスポイトで落とし、メダカが近づいてこないことを確かめる必要があります。

 

 

この実験を行うことで

えさの溶けた液体に近づいたのは、液体ににおいがあったからだ

と確かめることができます。

 

※このように条件を1つだけ変えた実験を対照実験といいます。

 

 

5

生態系には次の役割の生物がいます。

 

生産者・・・植物。光合成で有機物をつくる。
消費者・・・生産者のつくった有機物を食べる。
分解者・・・死がいやフンに含まれる有機物を分解する。

 

文中のミジンコやメダカは消費者です。
メダカをつかまえた池の土には分解者がいることが想像できます。

 

 

よって植物を入れる必要があることがわかります。
ツユクサ・カナダモなど、水草を答えるとよいでしょう。

 

 

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大問2の解説

2

地震計ではおもり(とおもりについている針)の部分は動きません。(慣性による)
それ以外の記録用紙や針の部分が動きます。

 

 

3

ゆれが伝わる速さは
$$\frac{195km}{31s}=6.290…≒6.3km/s$$
です。

 

この速さはm/sに換算すると
$$6.3km/s=6300m/s・・・①$$

 

 

次に
100mを10秒で走る人の平均の速さ
を求めましょう。

 

その速さは
$$\frac{100m}{10s}=10m/s・・・②$$
です。

 

 

次に空気中を1秒間で340m伝わっている音の速さです。
その速さは340m/s・・・③です。

 

 

最後に
時速900kmで飛んでいるジェット機の速さ
です。

 

 

この単位をm/sに換算しましょう。

 

900km=900000m (1km=1000m)
1時間=60分=3600秒
であるので

 

900(km/h)=x(m/s)
とすると

 

$$3600s:900000m=1s:x(m)$$
$$x=250m/s・・・④$$
となります。

 

①~④を比べると
①6300m/s>③340m/s>④350m/s>②10m/s
となります。

 

ゆれの伝わる速さは1番目に速いとわかります。

 

 

4

小さな揺れを伝える波はP波、大きな揺れを伝える波はS波です。

 

いっぱんにP波の方が速く、S波の方が遅いです。

 

横軸に地震発生からの時間、縦軸に震源からの距離を通ると↓のようなグラフの関係になります。

 

この図から
震源から遠ざかるほど、
小さな揺れが起こってから大きなゆれが起こるまでの時間差は長くなる

ことがわかります。(この時間差を初期微動継続時間と呼びます。)

 

 

もしP波とS波の速さが同じで、P波が発生したのちにS波が発生したとすると、次のようなグラフになります。

 

 

この場合、震源から遠くなっても、小さな揺れが起こってから大きなゆれが起こるまでの時間は変わらないことがわかります。
(つまり初期微動継続時間が距離によらず一定ということ。)

 

 


POINT!!

震源から遠ざかると、初期微動継続時間は長くなる。
震源に近づくと、初期微動継続時間は短くなる。

さらに言うと・・・
震源距離と初期微動継続時間は比例する。
(震源距離:初期微動継続時間 は一定の比になる)


 

 

5

日本付近では、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込んでいます。(↓の図)

 

海洋プレートが沈み込むときに、大陸プレートを引きずり込みます。(↓の図)

 

そのひずみに耐え切れなくなった大陸プレートがはね上がることで、地震が引き起こされます。

 

 

そのため大陸プレートと海洋プレートの境界には過去の地震の震源が多く分布しています。
図3のaの部分も、プレートの境界にあたることが図4よりわかります。

 

よってaの部分を震源とする地震がいつ起こってもおかしくはありません。

 

 

 

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大問3の解説

1

電線が電柱を引く力と支線が電柱を引く力の合力が図1に書かれています。

 

この合力を分解すれば、電線が電柱を引く力と支線が電柱を引く力が現れることになります。

 

よって力の平行四辺形の法則を用いて、分解の作図を行うと↓のようになります。

 

 

2

図2は図1とは別の電柱を上から見た様子を表しています。

 

この2本の電線が電柱を引いており、その力が同じであると文中に書かれています。
それを図示しましょう。(↓の図)

 

これらの合力を作図しましょう。(↓の図)

 

このままでは、電柱は合力の方向に倒れる可能性があります。
それをふせぐには、↓のような力が必要です。

 

 

この力が、支線が電柱を引く力として適切なものです。

よってが正解となります。

 

 

3

斜面上の小球には重力(と斜面からの垂直抗力)がはたらいています。(↓の図)

 

この重力を斜面に平行な方向と垂直な方向に分解します。(↓の図)

 

 

このときの斜面に垂直な方向の分力は、斜面からの垂直抗力とつりあいます。

よって小球にはたらくのは、斜面に平行な方向の分力だけ、となります。

 

この分力によって、小球の速さは大きくなっていくのです。

 

 

4

斜面の傾きを変える問題では、
スタート地点の高さは高くなったか?or低くなった?or変わらない?
ということをチェックしましょう。

 

 

この問いでは〔方法〕のⅠに「それぞれ水平面からの高さが同じ斜面上から・・・」とあります。
スタート地点の高さは変えていない
というパターンです。

 

 


POINT!!
スタート地点の高さによって、水平面で小球が持つ速さが変わってきます。

・スタート地点が高くなる→水平面での速さは大きくなる
・スタート地点が低くなる→水平面での速さは小さくなる
・スタート地点が同じ高さ→水平面での速さは等しい


 

勘違いしないように気を付けましょう!

 

斜面の傾きが大きくなった → × 速さが速くなる

 

ではなく

 

斜面の傾きが大きくなった → ○ 速さの変化の割合が大きくなる
(加速が大きくなるということ)

 

です。

 

この問いでは
スタート地点の高さは変えていない → 水平面での速さも変わらない
です。

 

しかし斜面の傾きが大きい場合、速さの変化の割合が大きいので、グラフの傾きは急になります。

 

よってそれに近いのはとなります。

 

 

5(1)

速さが一定のまま、というのは速さが変化しないことを意味します。

 

 

運動中の物体の速さを変化させるには、物体に力を加えなければなりません。

 

反対に、
物体の速さが変化しないというのは、物体に力がはたらいていないということ。

 

または
物体にはたらく力がつり合っている(力がはたらいていないのと同じ)ということ。

 

よってのように、力の大きさが等しくつりあっているとき、速さは一定のままということです。


POINT!!

・速さが大きくなった・・・運動の向きに力がはたらいている
・速さが小さくなった・・・運動の向きと反対向きに力がはたらいている
・速さが一定のまま・・・・力がはたらいていない、またはつりあっている


 

 

5(2)

力学的エネルギーとは
位置エネルギーと運動エネルギーの和のこと
です。

 

 

位置エネルギーは高さに比例します。
運動エネルギーは速さの2乗に比例します。

 

 

坂道を一定の速さのまま下る、ということは
・高さが低くなるので、位置エネルギーは減少する
・速さは一定のままなので、運動エネルギーは一定
となるため

 

位置エネルギーの減少の分だけ力学的エネルギーは減少します。

 

 

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大問4の解説

1(1)

以下のように、水への溶け方・空気より重いか軽いか、で気体の集め方は変わります。

 

 

2(2)

集気びんの中に酸素が集まってしまったのは、重曹の入った試験管にもともとあった空気が集気びんへと移動したからと考えられます。

 

このように、目的外の気体が集まっては困るので、
できるかぎり最初に集まった気体は捨ててしまうのが一般的です。

 

 

4

マグネシウムは金属ですが、酸化マグネシウムは金属ではないので、金属特有の性質が失われます。

 

金属特有の性質とは
・電流を通しやすい
・熱を通しやすい
・金属光沢がある
・・・などがあります。

 

 

5

この反応を化学反応式で示すと

2Mg + CO2 → 2MgO + C

となります。

 

二酸化炭素が還元され、マグネシウムが酸化されているという反応です。

 

 

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