2017年 兵庫県公立入試問題 解説


このページでは2017年度の兵庫県立入試の問題を解説しています。(理科のみ)
問題・模範解答はこちら↓↓↓↓
https://resemom.jp/feature/public-highschool-exam/hyogo/2017/science/question01.html

 

 

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Ⅰの解説

1(1)

血液の成分の役割は以下。

赤血球・・・・酸素を運ぶ

血しょう・・・二酸化炭素、栄養分や不要物を運ぶ

白血球・・・・菌を殺す

血小板・・・・出欠の際、血液を固める

※ヘモグロビンは赤血球に含まれる色素。

 

 

 

1(2)

動脈血とは酸素の多い血液のこと。

図中の赤色の矢印が動脈血を意味します。

 

 

1(3)

アンモニアはアルカリ性です。

 

 

 

アルカリ性を確かめる試薬は

BTB溶液(青色に変化)

フェノールフタレイン溶液(赤色に変化)

青色リトマス紙(赤色に変化)

です。

 

 

 

3(1)

問題文に書かれているのは「Xのゆれの時間の比較からわかること」です。

 

 

 

Xのゆれの時間とは、初期微動継続時間です。

初期微動継続時間は震源からの距離に比例します。

 

 

 

つまり

初期微動継続時間が長い→震源から遠い

初期微動継続時間が短い→震源から近い

を意味します。

 

 

POINT!!
初期微動継続時間は震源からの距離に比例する。

 

 

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Ⅱの解説

1(1)

・・・胞子でふえるのは、A(コケ植物)だけでなくB(シダ植物)もです。

・・・維管束があるのは、B(シダ植物)もです。

・・・Dの中でも双子葉類のみ、葉脈が網目状です。

 

よってのみが正しい内容が書かれています。

 

 

1(2)

シダ植物の代表例として

イヌワラビ・ゼンマイ・スギナ

の3種類は必ず覚えておきましょう。

 

 

 

合弁花類の代表例として

タンポポ・アサガオ・ツツジ

の3種類は必ず覚えておきましょう。

 

 

 

2(1)(2)

ここで見られる細胞分裂は体細胞分裂です。

体細胞分裂の順序は以下です。

 

・・・染色体を複製しておく。

・・・核が消えて、染色体が現れる。

・・・染色体が真横に並ぶ。

・・・染色体が両端に移動する。

・・・2か所に染色体が集まり、核が形成される。

 

よって3番目はの選択肢です。

また染色体を複製しているのはの時期です。

 

 

 

2(3)

根の先端付近には成長点という部分があります。

成長点では体細胞分裂がさかんに行われています。

 

 

 

つまり根の先端付近で新しい細胞が誕生しています。

そしてそれが大きくなることで、根全体が成長していきます。

 

 

 

3(1)

受精とは、精細胞の核と卵細胞の核が合体すること。

 

精細胞は花粉管によって胚珠まで運ばれて、胚珠内で受精が起こります。

 

※受精と受粉とは異なるので注意! 受粉=めしべの柱頭に花粉がつくこと。

 

 

3(3)①

エンドウのさやの色には緑と黄があります。

<実験1>で子のさやの色が緑であることから、緑が黄に対して優性であることがわかります。

 

ここで、さやを緑にする遺伝子をA、黄にする遺伝子をaとします。

 

 

<実験1>の「緑色のさやをつける純系のエンドウ」はAAと表せます。

 

また「黄色のさやをつける純系のエンドウ」はaaと表せます。

 

そして、その2体からできる子はAaと表せます。

 

 

<実験2>では、Aaである子を自家受粉しているため、生まれた孫は

AA:Aa:aa=1:2:1

の割合になっています。

 

 

よって孫600個のうち、4分の2がAaとなっています。

つまりAaであるものの数は300個となります。

 

 

3(3)②

ア:
実験1の子の遺伝子はAaです。

生殖細胞をつくるには減数分裂をします。

 

このとき分離の法則により

Aを1つだけもつ生殖細胞aを1つだけもつ生殖細胞

に分かれます。

 

 

イ:

実験1でできた子=Aa

黄色のさやをつけるもの=aa

であるので、

 

受粉させると

AA:Aa:aa=0:2:2=0:1:1

の割合で孫が生まれます。

 

よって緑と黄が同数生まれることとなります。

 

 

ウ:

実験2でできた孫のうち黄色=aa

であるので、

 

これが自家受粉すると

AA:Aa:aa=0:0:4=0:0:1

の割合で孫が生まれます。

 

つまりのみが生まれることとなります。

 

 

エ:

実験2でできた孫のうち緑色=AAまたはAa

黄色のさやをつけるもの=aa

です。

 

Aaとaaが受粉すると

AA:Aa:aa=0:2:2=0:1:1

の割合で孫が生まれます。

 

つまりが生まれる可能性があります。

 

 

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Ⅲの解説

1(2)

電極Aは電源装置の-極につながっています。

つまり陰極です。

 

 

 

水を電気分解したときには

陽極→酸素  陰極→水素

が発生するため、

 

 

 

電極Aからは水素が発生したと考えられます。

 

 

 

1(3)

水の電気分解の化学反応式は以下のように表せます。

2H2O → 2H2 + O2

 

 

 

ここで水素と酸素の係数に注目。

2H2O → 2H21O2

 

 

 

発生する気体の体積比は、化学反応式の係数比に等しくなります。(気体反応の法則といいます)

 

 

 

そのため

水素:酸素=2:1

の体積比で発生します。

 

 

POINT!!
気体の反応における体積比は、化学反応式の係数比に等しい
※質量比(グラムの比)ではないことに注意!

 

そのため

電極Aで水素が10cm3発生しているとき、電極Bでは酸素が5cm3発生しています。

 

そのようなグラフはのみです。

 

 

1(4)

濃度と溶質の関係は次の式のようになっています。

$$溶質の質量(g)=水溶液全体(g)×\frac{濃度}{100}$$

 

 

また体積と密度の関係から以下のように質量が求まります。

$$質量(g)=体積(cm^3)×密度(g/cm^3)$$

 

 

水酸化ナトリウム水溶液の体積が130cm3、密度が1.0g/cm3であることから

$$水酸化ナトリウム水溶液の質量=130cm^3×1.0g/cm^3=130g$$

 

 

濃度が2.5%であるので

$$水酸化ナトリウムの質量(g)=130g×\frac{2.5}{100}=3.25g$$

となり、求めたい水酸化ナトリウムの質量は3.3gとなります。

 

 

1(5)

塩化銅水溶液を電気分解すると

塩化銅 → 銅 (陰極) + 塩素 (陽極)

 

 

塩酸を電気分解すると
塩酸 → 水素(陰極) + 塩素(陽極)

 

 

上記のような反応が起こります。

 

 

しかし砂糖やエタノールは非電解質です。

そのため、その水溶液は電気を通しません。

 

 

の選択肢中の「赤インクで着色したろ紙の色を消した」は塩素の性質です。

しかしエタノールから塩素が発生することはありません。

 

 

の選択肢中の「黄緑色の気体」も塩素のことです。

しかし砂糖水から塩素が発生することはありません。

 

 

の選択肢中の「赤色の物質が付着」は銅のことです。

しかし塩酸から銅が生じることはありません。

 

 

 

そのための選択肢が正しい内容が書かれています。

 

 

 

2(1)

亜鉛板と銅板を使った電池は良く出題されます。

それぞれの金属板で何が起こるかを覚えておきましょう。

 

 

亜鉛板では・・・

亜鉛板が水溶液中に溶けだします。

具体的には亜鉛板が電子を失い、亜鉛イオンZn2+となります。

式で表すと  Zn → Zn2+ + 2e

 

 

銅板では・・・

水素の気体が発生します。

具体的には溶液中の水素イオンが電子を得て、水素原子となります。

その水素原子が2個集まり、水素の気体H2となります。

式で表すと  2H+ + 2e → H2

※eは電子のこと。

 

 

 

よってが正解です。

 

 

 

2(2)

電池は

化学エネルギー→電気エネルギー

への変換が行われます。

 

 

モーターは

電気エネルギー→運動エネルギー

への変換が行われます。

 

 

よってが正解です。

 

 

2(3)

この電池における+極は銅板。-極は亜鉛板。

 

 

モーターは流れる電流の向きが反対になると、その回転方向も反対向きになります。

 

 

よってが正解です。

 

 

2(4)

電池が成り立つための条件は

電解質水溶液を用いていること

2枚の異なる金属板を用いていること

の2点です。

 

 

 

は、砂糖水を用いているため、電気を取り出すことはできません。

は、エタノールを用いているため、電気を取り出すことはできません。

は、2枚とも銅板を用いているため、電気を取り出すことはできません。

 

 

 

よってが正解となります。

 

 

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Ⅳの解説

1(1)(2)

実験では、ピストンを引いて、空気を抜いています。

 

 

ゴム風船のまわりの空気が抜けていくため、ゴム風船のまわりの気圧が下がります

 

 

そのためゴム風船は膨らみます

 

 

空気が膨張するため、空気の持つ熱が散らばり、その温度が下がります

 

 

やがて露点を下回ると、空気中の水蒸気が水滴へと変化します。

 

 

その水滴が容器内についてくもった、ということが起こります。

 

 

これは雲のでき方の原理とほぼ同じ。

雲の正体は水滴の集まりなんですね。

よって(1)はが正解、(2)はが正解となります。

 

 

1(3)

実際の雲のでき方では、空気が上昇することがそのきっかけとなります。(上昇気流という)

空気が上昇することで、周囲の気圧が下がり、空気が膨張し・・・

と先ほどの同様の変化が起こります。

よってが正解です。

 

 

 

2(1)

気温が22℃であるため、乾球温度計は22℃を示します。

 

 

一方で、乾球温度計が22℃で湿度が66%であるため、

表より乾球温度計と湿球温度計の差は4.0であるとわかります。

 

 

よって湿球温度計は18℃を示していることとなります。

 

 

2(2)

空気中の水蒸気量は次のように求められます。

$$実際の水蒸気量=飽和水蒸気量×\frac{湿度}{100}$$

 

 

この式からわかるように、空気中の水蒸気量が多くなるためには

・飽和水蒸気量が大きい=気温が高い

湿度が高い

という条件が必要です。

 

 

・・・5時・気温は約12℃・湿度は約66%

・・・12時・気温は約17.3℃・湿度は約54%

・・・18時・気温は約18.6℃・湿度は約66%

・・・24時・気温は約17.3℃・湿度は約66%

 

 

この中で、気温が高く湿度も高いのはの18時となります。

 

 

3(2)

温帯低気圧付近にできる雲の様子は↓のようになっています。

 

余裕があれば覚えておきましょう。

よってが正解です。

 

 

3(3)

日本には偏西風と呼ばれる風が吹いています。

偏西風は日本の上空を西から東へ吹く風です。

 

 

そのため図のA地点にはもうすぐ前線XYが通過します。

前線XYは寒冷前線。

 

 

寒冷前線が通過すると

・気温が下がる

・風向が南寄りから北寄りに変わる

という変化が起こります。

 

 

よってが正解です。

 

 

 

3(4)

イ:
梅雨前線は停滞前線の一種で、オホーツク海気団と小笠原気団とのぶつかり合いで生じます。
そのため梅雨前線は、南北ではなく、東西にのびています。

 

 

ウ:
夏の気圧配置は、西高東低ではなく、南高北低。

 

 

エ:
シベリア気団は冷たく湿った気団ではありません。
大陸にあるため、冷たく乾燥した気団です。

 

よってが正解です。

 

 

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Ⅴの解説

1(1)

力は、物体どうしが接するところに垂直に働きます。
この場合は、小球と斜面が接しています。
そのため、斜面から小球に力がはたらいています。(垂直抗力)

 

接していなくてもはたらく力は
重力・磁力・静電気力・・・
などがあります。

この場合、小球には重力がはたらいています。

よってが正解です。

 

 

1(3)

まずは表1をチェック。

 

 

わかりづらいですが、
小球を転がした斜面の長さを4倍にすると、小球の速さが2倍になっています。

 

 

すなわち
小球の移動距離が2倍、3倍、4倍・・・になるようにすると
小球の速さは√2倍、√3倍、√4倍・・・になっています。

 

 

よってグラフは↓のようなカーブを描きます。

 

つまりアまたはエのどちらかのグラフです。

 

 

また小球が転がる斜面の長さを変えているだけで、斜面の傾きは変わりません。
同じ斜面を転がしているので、小球の速さの変化の仕方は途中までは同じになります。

 

 

よってのグラフが正解です。

 

 

1(4)

表2のAの高さ、小球を転がした斜面の長さとは↓の図のことです。

 

よって表2の①~④を図2に書き込むと↓のようになります。

 

①と②は斜面の傾きは同じですが、転がす斜面の長さが異なります。
③と④はスタート地点の高さは同じですが、斜面の傾きが異なります。

 

 

2(1)

作用・反作用の法則の問題です。

 

小球が木片をぶつかったとき、小球が木片を押す力が加わります。

 

その反作用で、木片が小球を押す力も生じます。
作用・反作用の関係にある2力は、たがいに同じ大きさです。

 

よってが正解です。

 

 

2(3)

図4より、小球の質量と木片の移動距離が比例していることがわかります。
また木片の質量と木片の移動距離は反比例していることもわかります。

 

 

図4の中から1つデータを取り出します。
90gの小球と6gの木片を用いたとき、木片の移動距離は60cmです。
(はっきり読み取れるならばどこでもよい)

 

 

この問いでは
70gの小球と8gの木片を用いたときの木片の移動距離を求めなければなりません。

 

 

よって

となります。

 

 

2(4)

小球が木片に衝突する前は力学的エネルギーが保存されています。

 

その後、衝突により力学的エネルギーが失われます。

 

衝突した後は、力学的エネルギーが減少していますが、そのまま保存されます。

 

このため答えはアまたはウのグラフです。

 

 

衝突前と衝突後では、衝突後の方が速さは小さくなっているはず。

 

よって、衝突後、再びO点に達するまでの時間が長くなります。
(b-a>c-bとなっている。)

 

 

よってのグラフが正解です。

 

 

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