このページでは2019年度(平成31年・令和元年)の京都府立入試中期選抜の問題を解説しています。(理科のみ)
問題・模範解答はこちら↓↓
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大問1の解説
(1)
網状脈をしている植物は双子葉類です。
双子葉類の特徴は
・子葉が2枚
・根が主根と側根
・茎の維管束が輪状にならんでいる
・葉が網状脈
を覚えておきましょう。
(2)
この実験における枝A~枝Cの蒸散を表にまとめます。(↓の図)
ワセリンをぬっている箇所は蒸散ができないため×を記します。
一番下の行が枝A~枝Cで行われた蒸散量を表します。
枝Cを見ることで
茎からの蒸散量=1.0mL
とわかります。
枝Aと枝Cの蒸散量の差は5.6mL。
これは葉の裏からの蒸散量を表します。
枝Bと枝Cの蒸散量の差は1.2mL。
これは葉の表からの蒸散量を表します。
以上から枝全体の蒸散量は
$$1.0mL+5.6mL+1.2mL=7.8mL$$
したがって7.8mLとなります。
POINT!!
蒸散の計算問題は表を使って解こう。
大問2の解説
(1)
金星は明け方か夕方にしか観察できません。
明け方に見える金星を明けの明星といいます。
↓のように東の空に見えます。左側が光って見えます。
夕方に見える金星をよいの明星といいます。
↓のように西の空に見えます。右側が光って見えます。
この問いでは「午前5時」と条件があるため、明けの明星を観察していることとなります。
したがって図のDの金星があてはまります。
POINT!!
金星は
・明け方、東に見える。(左側が光って見える)
・夕方、西に見える。(右側が光って見える)
のどちらか。
(2)
金星は内惑星であるため、真夜中に見ることはできません。(↓の図)
大問3の解説
(1)
イの選択肢は、誤りです。
火成岩はマグマが冷え固まってできた岩石です。
ウの選択肢も誤りです。
地質年代を推定するのに用いられる化石は示準化石です。
エの選択肢も誤りです。
石灰岩の地層は、ホウサンチュウやケイソウなどの死がいが押し固められたできた岩石です。
(2)
地層について調べるには、凝灰岩の層を手がかりとします。
A~Cの柱状図に見られる凝灰岩は同時期にできたものと考えられます。
また地層は下のものほど古く、上のものほど新しいです。
・Aの柱状図から凝灰岩とXを比べると、Xの方が新しい地層となります。
・Bの柱状図から凝灰岩とYを比べると、Yの方が古い地層となります。
・Cの柱状図から凝灰岩とZを比べると、Zの方が古い地層となります。
・YとZでは、Yの方が凝灰岩から遠いところになります。
・そのためYの方が古い地層となります。
最も古い地層はY、新しい地層はXということになります。
大問4の解説
(2)
実験1の操作②では
水80gに物質Dを8g加えています。
問題文より
20℃の水100gには物質Dが36gまで溶ける
とあるため
20℃の水80gに物質Dがx(g)まで溶けるとすると
$$100g:36g=80g:x(g)$$
$$x=28.8g$$
となります。
つまり20℃の水80gには物質Dが28.8gまで溶けます。
すでに8gの物質Dを溶かしています。
よって飽和水溶液にするために溶かすべき物質Dの量は
$$28.8-8=20.8g$$
20.8gとなります。
(3)
実験1の結果1について。
砂糖・食塩・炭酸水素ナトリウム・デンプンの4つのうち・・・
・燃えて炭になる物質は砂糖やデンプンです。
・炭酸水素ナトリウムは加熱すると分解という化学変化が起こります。
・また、4つのうち水に溶ける物質は砂糖や食塩です。
・炭酸水素ナトリウムの水への溶け方は少しです。
以上から
物質A・・・砂糖
物質B・・・炭酸水素ナトリウム
物質C・・・デンプン
物質D・・・食塩
と決まります。
大問5の解説
(1)
ア・イ・エの選択肢は誤りです。
感覚器官は目・耳・鼻・皮膚・舌で刺激を受け取ります。
それが信号となり、感覚神経を通して、中枢神経に伝えます。
運動神経は、中枢神経から運動器官(筋肉など)に向けて信号を伝える神経です。
(2)
目は↓のようなつくりをしています。
虹彩は、ひとみのおおきさを変えて、目に入る光の量を調節するという役割があります。
このように無意識に起こる反応を反射といいます。
「熱いやかんに触れると、思わず手を引っ込めた」
「目の前にボールが飛んできたので、思わず目をつむった」
なども反射です。
大問6の解説
(1)
水酸化ナトリウムは水に溶けるとナトリウムイオンNa+と水酸化物イオンOH-に電離します。
電離とは、物質が水に溶けたときに陽イオンと陰イオンに分かれること。
水は電気を通しにくいため、水酸化ナトリウムを溶かして電気を通しやすくします。
(2)
ここで問われている装置は燃料電池です。
燃料電池は水の電気分解と逆の反応を利用しています。
それぞれ化学反応式で表すと↓のようになります。
水の電気分解:2H2O → 2H2 + O2
燃料電池 :2H2 + O2 → 2H2O
環境に悪影響を与える物質が発生しにくいという長所があります。
大問7の解説
(1)
力学的エネルギーは位置エネルギーと運動エネルギーの和のことです。
力学的エネルギーは一定のままです。
しかし運動をさまたげる外部からの力(摩擦や空気抵抗など)がはたらかないときのみです。
これを力学的エネルギーの保存(力学的エネルギー保存の法則)といいます。
(2)
位置エネルギーとは物体の重さと高さで決まるエネルギーです。
次のように求まります。
$$位置エネルギー(J)=重さ(N)×高さ(m)$$
この実験のレールのA~Gを高い順に並べると
A>G>B=C=F>D=E
となります。
位置エネルギーは高さによって決まるので、その大小はこれと同じ順になります。
よってエが正解となります。
(3)
このレールには摩擦力や空気抵抗があるため、力学的エネルギーは保存しません。
AからGへ近づくにつれて、力学的エネルギーは減少します。
したがってB・C・Fの力学的エネルギーは
B>C>F
の順です。
一方でB・C・Fは高さが同じなので、位置エネルギーは
B=C=F
となります。
そのためB・C・Fでの運動エネルギーは
B>C>F
となります。
(運動エネルギー=力学的エネルギー-位置エネルギー)
運動エネルギーの大小は速さで決まるため、B・C・Fでの速さは
B>C>F
となります。
大問8の解説
(1)
操作①を回路図で表すと↓のようになります。
抵抗器aと抵抗器bの並列回路です。
抵抗器a、抵抗器bの抵抗の大きさは同じ。
したがって抵抗器aもbも250mAの電流が流れます。(↓の図)
よってオームの法則から
$$aの抵抗=\frac{電圧}{電流}=\frac{3V}{0.25A}=12Ω$$
12Ωとなります。
(2)
操作②を回路図で表すと↓のようになります。
抵抗器aのみの回路です。
よって抵抗器aに流れる電流は
$$aの電流=\frac{3V}{12Ω}=0.25A=250mA$$
したがって電流計の電流の大きさは
$$500mA-250mA=250mA$$
250mAだけ小さくなったことになります。
また操作③は↓のような回路となります。
電流計には
$$250mA×1.5=375mA$$
の電流が流れます。
抵抗器aには250mAの電流が流れます。
したがって抵抗器cには
$$375mA-250mA=125mA=0.125A$$
よって抵抗器cの抵抗は
$$cの抵抗=\frac{3V}{0.125A}=24Ω$$
24Ωとなります。
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