中3生物【*在来生物と外来生物】

このページでは「在来生物や外来生物とは何か」「外来生物による問題点」「どのような外来生物がいるか(例)」について解説しています。

教科書内容を超えた内容を含みます。

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1.在来生物と外来生物

人間による活動が、生態系のつり合い・バランスに大きな影響を与えてしまうことがあります。

その1つが外来生物です。

 

外来生物は、もともとは地域に存在しなかった生物です。

そして年月が経って、野生化し、なかまをふやすようになったものをいいます。

 

生態系では、多様な生物が長い年月をかけてつながりを得ています。

そのバランスは微妙な関係で、1種類の外来生物が持ち込まれるだけで崩れてしまいます。

一度崩れたバランスは、ほぼ元の状態には戻れません。

 

■在来生物

もともとその地域に生息していた生物のこと。

 

■外来生物

もともとその地域には生息せず、人間によって他の地域から持ち込まれ、野生化して子孫を残すようになった生物のこと。

 

■外来生物の問題点

・一部の種が食べられて、減少または絶滅する。

・一部の種が食べられることで、別の種が増える。

・近い種と交雑(異なる種でなかまをつくる)して、純血種が減少する。

・農作物などの食料が食べられる。

・疫病を伝えるもととなる。

 

■日本における外来生物の例

・シロツメクサ(ヨーロッパ原産)

クローバーとして有名な植物。

 

・アライグマ(北アメリカ原産)

ほ乳類。雑食性(いろいろなものを食べる)で繁殖力が高い。

 

・アレチウリ(北アメリカ原産)

被子植物、双子葉類。ヨシという植物が減少。

 

・カダヤシ(北アメリカ原産)

魚類。メダカ減少の一因。

 

・ウシガエル(北アメリカ原産)

両生類。カエルのなかま。在来のカエル減少の一因。

 

・マングース(インド原産)

ほ乳類。もともとはハブ駆除のため沖縄本島に放たれた。

ヤンバルクイナなどの捕食が危惧されている。

 

・ヤギ(中近東原産)

1930年ごろに家畜として移入された。島全体の植物を食べつくす。

 

・オオクチバス(北アメリカ原産)

通称ブラックバス。魚類。

食料とすることを目的に湖に放たれた。

湖の在来の魚類を食べる。

 

・ブルーギル(北アメリカ原産)

オオクチバスのエサとして多く輸入された。

小型の魚やプランクトンを多く捕食する。

 

・ニジマス

在来種のイワナ・ヒメマスなどを駆逐。

 

・アメリカザリガニ(北アメリカ原産)

二ホンザリガニを駆逐。

 

・オオカナダモ(アルゼンチン原産)

クロモなどの在来生物を駆逐。

 

・セイヨウタンポポ、アカミタンポポ(ヨーロッパ原産)

在来のタンポポを駆逐。

日本に生息するタンポポの多くは外来との交雑種といわれる。

 

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2.小笠原諸島での生態系の変化

東京都の小笠原諸島という島があります。

日本のガラパゴスとも呼ばれ、ここにしかいない生物もおり、独自の生態系が築かれています。

 

在来生物として

オガサワラシジミ・オガサワラゼミ

などが小笠原諸島には生息していました。

 

1960年ごろから

グリーンアノール(トカゲのなかま・は虫類)

がペットとして持ち込まれました。

 

このグリーンアノールによってオガサワラシジミ・オガサワラゼミらが捕食され、生息数が激減しました。

中には絶滅の危機にあるものもいます。

 

またもともとオガサワラシジミ・オガサワラゼミをエサとしていたオガサワラトカゲの生息数にも影響が出ています。

 

このように外来生物は生態系に大きな影響を与えます。

 

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3.日本由来の外来生物

日本では在来生物であったものが、海外に持ち込まれると外来生物と扱われます。

 

例)

・アゲハ

いわゆるアゲハチョウ。

幼虫が柑橘類などの葉を食べ、樹木の成長に悪影響がある。

 

・ホンドタヌキ

農作物が食べられてしまう。

 

・ニホンジカ

農作物が食べられてしまう。

在来のアカシカとの交雑によって純血種が減少。

 

・イタドリ

コンクリートやアスファルトを突き破るなどの被害が見られる。

 

・ワカメ

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