理科ネタ【スチール缶とアルミ缶】

自動販売機で売られている様々な飲料。

この飲料の入っている容器が“缶”ですが、この缶には2種類あることはご存知ですか??

1つがスチール缶。

もう1つがアルミ缶です。

なぜ2つの缶が存在するのでしょうか。

このページではその理由について解説してみます。

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そもそもスチールやアルミって?

まずスチール缶。

スチールは英語で書くとsteel。

日本語でいうです。

つまりスチール缶は鉄でできた缶なのですね。

 

一方、アルミ缶とは、アルミニウムでできている缶です。

 

 

鉄もアルミニウムも金属の一種。

 

鉄とアルミニウムではそのかたさが異なります。

鉄の方がかたく、アルミニウムの方がやわらかい。

 

また密度も異なります。

鉄の方が密度は大きく、アルミニウムの方が密度は小さいです。

(同じ体積ならばアルミニウムの方が軽い)

 

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スチール缶とアルミ缶の使い分け

スチール缶

コーヒーなどにはスチール缶(鉄)が使われます。

スチール缶では、缶の中にコーヒーを入れたあと、高温高圧にして殺菌を行っています。

その高温高圧に耐えられる丈夫なものとして鉄が使われます。

 

また缶の中の液体以外のスペースには高温の水蒸気を入れています。

(空気だと液体が酸化する可能性があるため。)

この高温の水蒸気はやがて冷やされて液体にもどります。

その際、缶の中の気圧が低下します。

それにともなって缶の外側から加わる大気圧により、缶が「ぼこん」とへこみ、破損する可能性があります。

これを防ぐために、丈夫な鉄を使っています。

 

このように製品製造の過程で、丈夫であるべき場合は、スチール缶を使うわけです。

 

アルミ缶

ビールやコーラなどの炭酸飲料の場合はアルミ缶に入っています。

炭酸飲料では、二酸化炭素が液体以外のスペースにやってきます。

この二酸化炭素の気圧が、缶が押しつぶされるのを防いでくれる(缶の強度を助けるはたらきをしてくれる)のです。

そのためスチール缶のように高温の水蒸気を入れる必要もありません。

(液体以外のスペースは二酸化炭素が占めることになるため)

 

また炭酸飲料は、もちろん酸性です。

酸性の条件下では、微生物は繁殖しにくく、高温の殺菌が必要ありません。

 

このように高温にする必要がないため、スチール缶である必要はありません。

より軽いアルミニウムが使われているのです。

 

以上のような違いがあるわけですね。

とはいえ近年では技術の進歩もあり、コーヒーでもアルミ缶が用いられているものもあります。

 

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スチール缶とアルミ缶の見分け方

スチール缶につかわれている鉄と言えば、磁石に引き寄せられる金属です。

 

「すべての金属が磁石に引き寄せられる」は間違いで、

「多くの金属が磁石に引き寄せられない」のです。

 

磁石に引き寄せられる金属は鉄・ニッケル・コバルトといった一部の金属のみ。

 

そのためアルミニウムでできているアルミ缶は磁石には引き寄せられません。

しかし鉄でできているスチール缶は磁石に引き寄せられます。

 

このようにするとアルミ缶とスチール缶を見分けることができるのです。

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