このページでは2020年度(令和2年)の奈良県立入試一般入学者選抜の問題を解説しています。(理科のみ)
問題・模範解答はこちらから↓↓↓
http://www.pref.nara.jp/55250.htm
大問1の解説
(2)②
エネルギーとワット数(W)の関係は次のようになっています。
$$エネルギー(J)=W×秒$$
$$W=\frac{エネルギー(J)}{秒}$$
ここでワット数は電力や仕事率と呼ばれます。
(仕事率とは1秒でできる仕事の量のこと。電力は電流による仕事の仕事率。)
40Wの照明器具を10分(600秒)使ったときに利用される電気エネルギーは
$$電気エネルギー(J)=40W×600秒=24000J$$
また利用される熱エネルギーは問題文から34200J。
図2から
$$利用される電気エネルギー:利用される熱エネルギー=40:X$$
であるので
$$40:X=24000J:34200J$$
$$X=57$$
となり、X=57と求められます。
大問2の解説
(1)
表1より、このばねは
おもり1個(20g)で1.0cmのびる
ことがわかります。
つまり
0.2Nで1.0cmのびるばね
ということです。
この問いのように110g(1.1N)の物体をつるしたときののびをx(cm)とすると
$$0.2N:1.0cm=1.1N:x(cm)$$
$$x=5.5cm$$
となり、のびは5.5cmとわかります。
(2)
ばねののびが6.0cmのとき、ばねのはたらく力をy(N)とすると
$$0.2N:1.0cm=y(N):6.0cm$$
$$y=1.2N$$
となります。
また物体Aは160gなので、重力は1.6N。
よって計量皿に加わる力は
$$計量皿に加わる力=1.6N-1.2N=0.4N$$
したがって計量皿に加わる圧力は
$$圧力=力(N)÷面積(m^2)$$
$$=0.4N÷\frac{25}{10000}$$
$$=160N/m^2$$
1N/m2=1Paなので160N/m2=160Paとなります。
また、ばねののびが小さくなる=ばねにはたらく力が小さくなるということです。
つまりばねがおもりを引く力も小さくなっていくため、電子てんびんの示す値は小さくなります。
よってアの選択肢が正解になります。
(4)
ケーブルをより高い位置から張ると、ケーブルa・bが橋げたを引く力の間の角は小さくなります。
この角が小さくなると、ケーブルa・bが橋げたを引く力(分力)は小さくなります。
大問3の解説
(3)
表1で、①と②のかけ合わせでは、すべて丸い種子ができています。
すべて丸い種子ができるかけ合わせは「AAとAA」または「AAとAa」のどちらかです。
また①と③のかけ合わせでは、丸:しわ=3:1となっています。
丸:しわ=3:1となるかけ合わせは「AaとAa」のみです。
この段階で①がAaとわかります。
そして②がAA・③がAaです。
次に①と④のかけ合わせでは、丸:しわ=1:1となっています。
丸:しわ=1:1となるかけ合わせは「Aaとaa」のみです。
①がAaであるので、④はaaとなります。
(4)
無性生殖の多くは、体細胞分裂によってなかまをふやします。
親と子で遺伝子が全く同じであるので、形質もまったく同じという特徴があります。
大問4の解説
(2)
震源・A・Bの3地点を一直線上に並べてみます。
そして初期微動の始まった時刻と震源からの距離を記入します。(↓の図)
地震の発生時刻とはP波やS波の出発時刻のこと。
この図からそれを求めてみます。
この図からAとBの間の距離は
$$150km-90km=60km$$
初期微動の始まった時刻の差(P波の到着時刻の差)は
$$15時15分59秒-15時15分49秒=10秒$$
よってP波の速さは
$$P波の速さ=\frac{60km}{10秒}=6km/s$$
ここで震源からB地点までP波が進むのにかかった時間は
$$時間=\frac{90km}{6km/s}=15秒$$
したがって地震発生時刻はB地点におけるP波の到着時刻15時15分49秒よりも15秒前。
15時15分34秒が地震の発生時刻となります。
(3)
マグニチュードが2大きくなると、地震のエネルギーはおよそ1000倍になります。
またマグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは√1000=約32倍になります。
(4)
規模の大きな地震は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むことによって起こります。
海洋プレートが進むにつれて、大陸プレートが引きずり込まれます。(↓の図)
やがてそのひずみに耐えきれなくなった大陸プレートが元にもどろうとして地震が発生します。
つまり大陸プレートと海洋プレートの接しているあたりが一番震源が多いのです。
(5)
▽イの選択肢
液状化現象とは、地震の振動によって地盤がやわらかくなってしまう現象のこと。マグマは関係ありません。
▽エの選択肢
緊急地震速報は、地震が起こってからのP波を受けて発令されます。地震が発生する前に予測をしているわけではありません。
大問5の解説
(2)
雌花と雄花のりん片のようすは↓のようになっています。
大問6の解説
(3)
この実験では
炭酸水素ナトリウムとうすい塩酸が反応して二酸化炭素が発生
しています。
図3のように、密閉した容器の中などで実験を行っているわけではないので、発生した二酸化炭素は空気中へ逃げていってしまいます。
表中の
反応前の質量と反応後の質量の差(反応前-反応後)が二酸化炭素の質量
を表しています。
よって表から発生した二酸化炭素の質量を求めると↓のようになります。
それをグラフに表すと↓のようになります。
このグラフから、うすい塩酸40cm3と過不足なく反応する炭酸水素ナトリウムは5.0gとわかります。(↓の図)
▽アの選択肢
この実験で発生するのは二酸化炭素なので、誤り。
▽イの選択肢
$$うすい塩酸:炭酸水素ナトリウム=40cm^3:5.0g$$
の比で反応するので、炭酸水素ナトリウム6.0gと反応するうすい塩酸をx(cm3)とすると
$$40cm^3:5.0g=x(cm^3):6.0g$$
$$x=48cm^3$$
となります。
よって正しい選択肢です。
▽ウの選択肢
表中の「炭酸水素ナトリウム5.0g以上」では比例していませんので誤り。
▽エの選択肢
うすい塩酸40cm3と炭酸水素ナトリウム5.0gが過不足なく反応しているため、誤り。
(4)
表や(3)のグラフから5.0gの炭酸水素ナトリウムから2.5gの二酸化炭素が発生しています。
この問いで、ベーキングパウダーから発生した二酸化炭素は0.22g。
二酸化炭素0.22gを発生させるのに必要な炭酸水素ナトリウムをy(g)とすると
$$5.0g:2.5g=y(g):0.22g(炭酸水素ナトリウム:二酸化炭素という比例式)$$
$$y=0.44g$$
このことから用いたベーキングパウダーには炭酸水素ナトリウムが0.44g含まれていたこととなります。
よってベーキングパウダー2.0gに含まれる炭酸水素ナトリウムの割合は
$$\frac{0.44}{2.0}×100=22%$$
となります。
コメント(承認された場合のみ表示されます)