中3物理【力学的エネルギーの保存】

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1.エネルギーとは

エネルギーとは何か。
これはとてもとても難しい話です。
一言では説明できないのですが、以下の点だけを押さえておこう。
エネルギーを持っている物体は

ほかの物体を動かすことができる
ほかの物体を変形させることができる
ほかの物体を壊すことができる

このような状態にある物体を「エネルギーを持っている」と言います。
エネルギーの単位は[J](ジュール)
※これ「熱量」の単位じゃないの?って思った人。よく思い出しました。
実は「熱量」とは「熱エネルギーの量」なんです。
なのでエネルギーとしての単位[J]を用います。

2.位置エネルギー

■位置エネルギー
高いところにある物体がもつエネルギー。

■位置エネルギーの求め方

$$位置エネルギー(J)=重さ(N)×高さ(m)$$

たとえば高いところに鉄球があって下には車があったとしましょう。
この鉄球を落下させると?

当然の下の車は破壊されます。
つまり車を破壊できるので鉄球はエネルギーを持っています。
正しく言うと高いところにある鉄球はエネルギーを持っているわけです。


ではこの鉄球の破壊力を大きくするには?
・より重い鉄球に変えること。
・重さを変えずともより高い位置から落としてやればいい。

つまり、この鉄球の持つエネルギーは「重さ」と「高さ」によって変化するわけです。
高さ=位置によって決まるエネルギーなので、これを位置エネルギーと言います。

位置エネルギーは重さに比例し、高さにも比例します。
よって次の式で求められます。

$$位置エネルギー(J)=重さ(N)×高さ(m)$$

こちらの式は必ず覚えておきましょう。

3.運動エネルギー

■運動エネルギー
動いている物体が持つエネルギー。
質量に比例・速さの2乗に比例する。

鉄球をボーリングのように転がして車にぶつけることを考えてみましょう。
鉄球がぶつかると車は破壊・変形されます。
つまり動いている鉄球というのはそれだけでエネルギーを持っているということ。

ではこの場合の鉄球の破壊力を大きくするには…
・より質量の大きな鉄球でぶつけること。
・質量は変えず、思いっきり勢いをつけてぶつける。
⇒つまり、速さを大きくしてぶつけるということ。

このように動いている鉄球の持つエネルギーは「質量」と「速さ」によって変化します。
速さ=その物体の動きによって決まるエネルギーなので,これを運動エネルギーと言います。
運動エネルギーは質量に比例・速さの2乗に比例します。

※速さの2乗に比例の意味
⇒速さが2倍・3倍・4倍…になると運動エネルギーは4倍・9倍・16倍…となることです。

※ちなみに運動エネルギーの公式もあります。
ただしあまり使う問題は見たことありません。
使う場合は公式が問題文中に与えられていることが多いです。
$$運動エネルギー(J)=\frac{1}{2}×質量(kg)×速さ(m/s)×速さ(m/s)$$

4.力学的エネルギー保存の法則

■力学的エネルギー
力学的エネルギー=位置エネルギー+運動エネルギー (和のこと)

■力学的エネルギー保存の法則
外部から力を受けない限り力学的エネルギーは一定であるということ。

力学的エネルギーは位置エネルギーと運動エネルギーの和です。
この力学的エネルギーは運動の最中、常に一定になります。

※ただし運動のようすを変えるような力・・・「摩擦力」「空気抵抗」がはたらいていなければという条件付き。

これを
力学的エネルギーの保存
または
力学的エネルギー保存の法則
と言います。

力学的エネルギーの保存の使い方

↓の図のようなコースを質量2kgの物体が進んでいくとしましょう。
ここでは摩擦や空気抵抗は考えないものとします。
10mの高さから、2kgの小球を静かに手を離しすべらせます。

ここからA点・B点・C点を通過したときのエネルギーを考えます。

①スタート地点

高さは10mです。
20N×10m=200Jの位置エネルギー
を持ちます。(↓の図)

ここでは手を離したばかりなので速さはゼロです。
つまり
運動エネルギー=0J
です。
よって
力学的エネルギー位置エネルギー運動エネルギー200J


この後、力学的エネルギーは200Jのまま保存されます(変化しない)。

②A点を通過した瞬間

A点は6mの高さなので
位置エネルギー=20N×6m=120J
です。(↓の図)

ここで力学的エネルギーは200Jです。(力学的エネルギーの保存)

よって
運動エネルギー200J120J80Jとなります。(↓の図)

③B点を通過した瞬間

B点は高さ2mなので
位置エネルギー=20N×2m=40J
です。(↓の図)

ここで力学的エネルギーは200Jです。(力学的エネルギーの保存)

よって
運動エネルギー200J40J160J
となります。(↓の図)

A点通過時に比べると2倍の運動エネルギーを持っています。
つまりA点通過時より速さが大きいことがわかりますね。

④C点を通過した瞬間

C点は高さ0m。よって
位置エネルギー=0J
です。

ここで力学的エネルギーは200Jです。(力学的エネルギーの保存)

ということは
運動エネルギー=200J
となります。(↓の図)

つまりC点でもっとも運動エネルギーが大きい=速さが大きいことになりますね。

このように力学的エネルギーが保存される場合は
運動エネルギーは、力学的エネルギーと位置エネルギーの差
となります。
また低いところほど運動エネルギーが大きく、速さも大きいことになります。

グラフで見てみましょう。
位置エネルギーは次のように変化していました。

一方で運動エネルギーは↓のようなグラフになります。

また力学的エネルギーは保存されているので↓のような一定のグラフになります。

この3つを1つのグラフにまとめましょう。(↓の図)

このように力学的エネルギーが保存されるならば、
低いところほど運動エネルギーは大きい(=速い)
・位置エネルギーが増えると運動エネルギーは減る
・位置エネルギーが減ると運動エネルギーは増える
つまり位置エネルギーと運動エネルギーは逆の変化をする
ということになります。

■このページのポイント

・位置エネルギーの公式は必ず覚える。
・運動エネルギーはなるべく「力学的エネルギー-位置エネルギー」で求める。
・図中にエネルギーを図示してみると解きやすい。

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