このページでは「排出のしくみ」「じん臓や肝臓の排出における役割」を解説しています。
また「じん臓における再吸収」といったやや発展的な内容も含みます。
1.排出のしくみ
■排出
人体の中にある不要な物質を体外へ出すこと。
細胞内のはたらきによりタンパク質が分解されるとアンモニアが生じます。
アンモニアは人体にとって有害です。
そのため排出の必要があります。
以下にその流れを示します。
①まず肝臓へ
アンモニアは血液によってまず肝臓へ運ばれます。
肝臓ではアンモニアを無害な尿素につくりかえます。
②次に腎臓(じんぞう)へ
次に尿素は血液によって腎臓へ運ばれます。
腎臓では血液から尿素がこしとられます(取り除かれる)。
このとき水分・塩分もこしとられます。
こしとられた尿素や水分・塩分は尿としてぼうこうにたくわえられ、やがて排出されます。
■腎臓(じんぞう)
血液をろ過し不要な物質(尿素など)を取り除く。
よって腎臓を通ったあとの血液は不要物が少ない。
↓の図は腎臓付近のつくりです。
腎臓は左右に2つありソラマメのような形をしています。
2.*腎臓のはたらき
*ここからの内容は発展的な内容になります。
↓の図は腎臓の内部の構造です。
動脈を通った血液が糸球体というところに入ります。
糸球体では、運ばれた血液に含まれる物質が「ボーマンのう」の中にこしとられます。
こしとられる物質は尿素・水分・ブドウ糖・ナトリウム・カリウムなど。
血しょうとともにこしとられます。
(正確にはタンパク質以外の物質をこしとる)
ボーマンのうの中にこしとられた混合物を
原尿(尿素・水分・ブドウ糖・ナトリウム・カリウムなど)
といいます。
(つまり原尿=血しょう-タンパク質)
ボーマンのうから原尿が送られている途中で
99%の水分・すべてのブドウ糖・多くのナトリウム&カリウム
が毛細血管の中に戻されます。
これを再吸収といいます。(↓の図)
尿素も一部再吸収されます。
ブドウ糖はからだにとって必要なためすべて再吸収されます。
(つまり尿=原尿からブドウ糖を取り除いたもの)
再吸収の目的は人体の中の塩分濃度(ナトリウムやカリウム)を調節することです。
※ナトリウムやカリウムは無機塩類と呼ばれます。
3.*濃縮率
■濃縮率
ある成分について尿中の濃度を血しょう中の濃度で割った値のこと。
濃縮率=尿中の濃度÷血しょう中の濃度
・濃縮率が高い物質
再吸収されず尿にたくさん存在している物質。
つまり再吸収されにくい物質ということになります。
また
尿にたくさん存在している
=体外へ放出したい
=人体にとって不要な物質
とも言えます。
・濃縮率が低い物質
再吸収されて尿にあまり存在していない物質。
つまり再吸収されやすい物質ということになります。
また
尿にあまり存在していない
=体外へ放出したくない
=人体にとって必要な物質
とも言えます。
↓は濃縮率をまとめた表です。
上記の表より
・タンパク質やブドウ糖はほとんど再吸収されやすい、人体に必要な物質
・尿素やアンモニアは再吸収されにくい、人体に不要な物質である
ということがわかりますね。
■このページのポイント
・排出における肝臓の役割・腎臓の役割を必ず覚えよう。
コメント(承認された場合のみ表示されます)