このページは2019年9月の理科の時事問題に出題されそうな出来事を掲載しています。
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2019年9月の理科時事問題
気候行動サミット開催
9月23日、ニューヨークの国連本部で気候行動サミットが開かれた。
このサミットでは60以上の国の首脳らが気候変動対策の具体策を表明する。
日本からは、小泉進次郎環境・原子力防災担当大臣が出席。
スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16歳)が若者を代表して演説。地球温暖化対策の重要性を各国首脳に強く訴えた。
またサミット内では、地球温暖化の現状についても報告された。
・現在の世界の平均気温は19世紀半ばと比べて1.1℃上昇。
・特に2015年~現在までの平均気温は、それ以前の平均気温より0.2度上昇。
・気温上昇は海面上昇をもたらし、過去5年間で海面が年平均5mm上昇。
・南極やグリーンランドの氷が大量に溶けており、これが海面上昇に拍車をかけている。
・世界中で大きな被害を出している大型台風やハリケーンなどの熱帯低気圧も温暖化が要因の可能性が高い。
温暖化防止の国際的枠組みとしてパリ協定がある。
パリ協定は
①今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロを目指す。
②産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1.5度未満に抑えることを目指す。
現状では、パリ協定の目標の達成は難しくなりつつある。
そのため、サミットでは77カ国が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする長期目標を掲げ、来年本格始動するパリ協定の下で対策を強化することを表明。
豚コレラの流行とワクチン接種
9月20日、農林水産省は、家畜伝染病「豚コレラ」のまん延を防ぐため、養豚場の豚にワクチンを接種する方針を表明。
9月13日に関東地方としては初めて豚コレラが発生(埼玉県にて)。
感染拡大に歯止めがかからないためワクチン接種に踏み切るしかないと判断。
農水省は20日に対策本部を開き、防疫指針を改正する方針を確認した。
その後、9月24日には埼玉県にで、野生のイノシシが豚コレラウイルスに感染していることも判明。
ウイルスの拡大の懸念が高まっている。
アマゾンの火災の影響
最新の衛星画像から、アマゾンの熱帯雨林とブラジルその他の地域全体で発生した火災によって、あらゆる大気汚染物質が大気中に放出されたことがわかった。
ブラジルの森林火災の件数はアマゾンの熱帯雨林のものをふくめて10万件を超え、昨年の同時期比で45%増。
火災の影響で、昨年と比べて一酸化炭素などの危険な汚染物質の割合が急増している。
火炎に含まれる有機物からの粒子状物質を吸い込むと、呼吸器や心臓への問題が引き起こされる可能性もあるため、世界保健機関(WHO)は影響が懸念される地域に警鐘を鳴らした。
燃えたぎる木々からは二酸化炭素が放出され、さらに火炎から排出されるブラックカーボンが太陽放射を吸収するため、いずれも地球温暖化を加速することにつながる。
太陽系外の惑星ではじめて水蒸気の存在を確認
9月11日付の論文にて、太陽系の外にある惑星で、水蒸気の存在が初めて確認されたことが発表された。
水蒸気が見つかったのは、地球から約110光年離れたところにある「K2-18b」という惑星。
重さは地球の約8倍で、しし座にある赤色の恒星の周りを公転している。
大気があり、地表温度なども生命が居住可能な範囲だが、有害な放射線を強く浴びているという。
研究チームは、2016年と17年にハッブル宇宙望遠鏡が収集したデータを活用し、この惑星の大気を通過した星の光を分析。
その結果、大気中に水蒸気の分子の特徴が見つかったほか、水素やヘリウムの存在もうかがえた。
新しい長寿遺伝子を発見
9月12日、吉備国際大保健福祉研究所の教授らが糖尿病とがんを防ぐ新しい長寿遺伝子を発見したと発表した。
この遺伝子を組み込んだマウスは太っても血糖値が低く保たれたため、肥満体でも糖尿病とがんを予防できると分析。
インスリンを分泌する働きを持つ遺伝子が変異した遺伝子をマウスに組み込んだところ、通常のマウスより約20%長い日数を生きた。
また、老化につながる活性酸素に対する抵抗力が、約20倍になることが分かった。
さらにその遺伝子は、血糖値を抑えるインスリンの分泌を促進し、がん細胞の増殖を抑制した。
9月13日に中秋の名月
9月13日は「中秋の名月」が見られた。
「中秋の名月」とは、旧暦での8月15日の晩の月のこと。
満月に近い形で見ることができる。
翌日の9月14日の満月は2019年で最も小さい満月だった。
最古の銀河を発見?
9月10日、東京大宇宙線研究所などの研究チームは、約128億光年先にある銀河が既に星を作らなくなった「年老いた銀河」であることを突き止めたと発表。
研究の結果、この銀河は宇宙がビッグバンで誕生してから3億年が経過した135億年前に形成されていたことも分かった。
最古の銀河は、138億年前のビッグバンから1億~5億年以内に形成されたと考えられている。
これまで133億年前の銀河は発見されていたが、観測装置の性能上、より古い銀河を直接観測することはできなかった。
研究員らは、ろくぶんぎ座の方向にある「COSMOS天域」の銀河に着目。星の形成を終えた年老いた銀河だと分かった。
ソユーズ宇宙船が無人での帰還に成功
9月6日、ロシアの「ソユーズ MS-14」宇宙船が2019年9月6日、無人の状態で地球へと帰還。
ソユーズ MS-14は8月22日に、国際宇宙ステーション(ISS)へと打ち上げられた。
これは無人状態で初めてISSへと向かったソユーズとなる。
ソユーズ MS-14ではISSへの補給物資だけでなく、人型ロボット「Skybot F-850」が搭載されていた。
こうのとり搭載ロケットの打ち上げ成功
9月11日、種子島宇宙センター(鹿児島県)で宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が打ち上げを予定していた無人補給機「こうのとり」8号機を搭載したH2Bロケットの発射を中止。
発射台付近から出火し、多量の白煙が上がっているのが確認された。
その後、9月25日に再度打ち上げを実行し成功。
9月28日には国際宇宙ステーションに到着し、物資を届ける予定。
今回の打ち上げは、「宇宙活動法」が2018年11月に施行されて、打ち上げの執行責任がJAXAから三菱重工へ移管された後、初の打ち上げ。
インドの月着陸機の信号が途絶
9月6日、インドの月探査機「チャンドラヤーン2号」の着陸機からの信号が消えた。
チャンドラヤーン2号は月周回衛星・着陸機・探査車からなる。
このうち、着陸機は月の南極への着陸を目指していた。
しかし月面から2.1kmまで迫った時点で、管制室との信号が途絶。
ミッションの失敗が、ほぼ確実となった。
すでに月表面から約100kmの上空を周回している探査機はミッションを続ける。
インドは2023年度にも、日本のJAXAと協力して「チャンドラヤーン3号」のミッションを実施する予定。
観測史上最も強いハリケーン
9月2日の昼頃、ハリケーン「ドリアン」がバハマ(国)に上陸。
バハマの観測史上最も強い勢力で、カテゴリー5の勢力。
※カテゴリー5は、ハリケーンの指標で最大級の大きさ。
ハリケーンは、大西洋北部や太平洋北東部などで発生した熱帯低気圧が発達した(風速約33m/s以上)ものをいう。
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