2019年10月の理科時事問題

このページでは2019年10月の理科の時事問題に出題されそうな出来事を掲載しています。

覚えておくべき用語は●○●○●のように黄色の下線を引いています。

間違いなどあればお問い合わせまで教えてください。

 

 

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2019年10月の理科時事問題

 

太陽系外から来た彗星発見

国際天文学連合が、8月に発見された彗星(すい星)が太陽系外から飛来した天体であると発表。

 

太陽系外から来た天体は、2017年に続き史上2つ目。

 

この彗星は発見した天文愛好家の名前からボリソフ彗星と呼ばれる。

 

現在は太陽から4億kmほどの場所にあり、時速約15万kmの猛烈なスピードで移動している。

 

12月に太陽に約3億kmまで接近した後、再び離れていく。

 

 

 

史上初、女性のみの宇宙遊泳を実施

10月18日、国際宇宙ステーション(ISS)で、米航空宇宙局(NASA)のクリスティーナ・コック飛行士とジェシカ・メイヤー飛行士が、史上初の女性のみによる宇宙遊泳を行った。

 

2飛行士は、バッテリー充電/放電ユニット(BCDU)交換のための船外活動を開始。

 

宇宙服と命綱の安全確認を行った後、太陽に照らされた地球が視界に入る中、ISSの左舷側にある修理現場へ向かった。

 

 

 

NASAは2024年に、1969年のアポロ計画以来となる有人月面探査を行う。

 

アルテミス計画と呼ばれ、史上初めて女性が月面に降り立つ予定。

 

 

 

また、NASAは10月15日、従来よりも動きやすい新型の宇宙服を公開。

 

「アルテミス計画」や、30年代の実現を目指す有人火星探査で使用する。

 

 

 

5億年前の「行進」 化石発見、最古の集団行動?

モロッコの砂漠で、一列になって移動する約4億8000万年前の三葉虫の化石がみつかった。

 

今回発見された化石は、硬貨くらいの大きさの十数匹で、みな同じ方向を向いて一列に並んでいる様子を示している。

 

発表された論文によると、海底を一列縦隊でゆっくりと移動していたと考えられるという。

 

 

 

三葉虫は古生代に生息していた節足動物

 

三葉虫もほかの節足動物と同様に、節のある体と外骨格を持っていた。

 

※節足動物については→【無せきつい動物】←で解説中。

 

 

 

光合成で酸素ができる仕組みが判明

植物が行う光合成のうち、水分子が分解されて酸素ができる反応の仕組みを明らかにしたと、岡山大などの研究チームが発表。

 

 

 

光合成は、空気中の二酸化炭素と土中の水からデンプンがつくり出される反応。

 

同時に酸素がつくられる。

 

 

 

光合成は、複数の反応に分けられる。最初の反応で、タンパク質複合体が二つの水分子から電子と水素イオンを取り出し、酸素分子を形成する。

 

研究チームが複合体の構造を世界で初めて明らかにしたが、酸素ができる仕組みは未解明だった。

 

研究チームは、X線を短時間照射する方法を用いた。

 

そして、水分子を分解して酸素分子をつくる反応の5つの段階のうち3段階の状態を捉えることに成功。

 

反応が起こる部分はマンガンやカルシウムなどの原子が「ゆがんだ椅子」のような形に並び、二つの酸素原子が結合しやすいように形が変化していくことが判明した。

 

 

 

台風19号による大きな被害

台風19号(アジア名:ハギビス・Hagibis)が10月6日3時に発生。

 

10月12日に日本に上陸。

 

関東地方や甲信地方、東北地方などで記録的な大雨となり、甚大な被害をもたらした。

 

政府はこの台風の被害に対し、激甚災害(げきじんさいがい)の指定を行ったほか、台風としては初となる特定非常災害の認定を行った。

 

広い範囲に激しい雨が降り続き、12日には気象庁が大雨特別警報を13都県で発表。

 

半日で13都県での発表は、特別警報の運用を開始して以来最多の発表数となった。

 

 

 

台風は熱帯低気圧が発達したもの。

 

日本付近では、偏西風の影響もあり、北東に進むことが多い。

 

 

 

 

クローン牛「かが」が死亡

10月10日、クローン牛「かが」が老衰で死んだと石川県が発表。

 

21歳3カ月だった。

 

「かが」は昨年5月に死んだ「のと」の双子の雌。

 

「かが」と「のと」は、成体から採取した体細胞を使って生まれた世界初のクローン牛。

 

クローンは親と全く同じ遺伝子を持つ。

 

 

 

土星の衛星が新たに20個発見

土星で新たに20個もの衛星が見つかったことを、アメリカの研究所が発表。

 

今回の発見によって、土星の衛星の数は合計82個に到達。

 

太陽系で一番多くの衛星が見つかっている惑星となった。

 

※木星の衛星が現在79個(2018年に12個の衛星がさらに発見された)。

 

 

 

衛星は、木星や土星などの惑星を中心に公転する天体のこと。

 

地球の衛星は、月である。

 

 

 

吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞

10月9日、スウェーデンの王立科学アカデミーは、2019年のノーベル化学賞を、旭化成名誉フェローで名城大学教授の吉野彰氏ら3人に授与すると発表した。

 

吉野氏はリチウムイオン電池を開発した。

 

 

 

日本人の化学賞受賞は2010年の鈴木章氏、根岸英一氏以来で8人目。

 

日本人の各賞受賞者は合わせると27人になった。

 

 

 

吉野氏と共同受賞したのはテキサス大学教授のジョン・グッドイナフ氏とニューヨーク州立大学教授のスタンリー・ウィッティンガム氏。

 

97歳のグッドイナフ氏は、最年長受賞記録を更新した。

 

 

 

リチウムイオン電池は、携帯電話やパソコン、電気自動車などに広く使われている二次電池(充電可能な電池のこと)。

 

吉野氏は家庭用ビデオカメラで連続2時間の撮影を可能にすることを目指して電池開発に着手。

 

1991年、ソニーが初めてのリチウムイオン電池を携帯電話に搭載した。

 

小型で高電圧、充放電を繰り返しても性能があまり落ちないなどの優れた特徴が注目され、さまざまな携帯機器に使われるようになった。

 

インターネットの普及に伴い、ノートパソコンを長時間使うための電源として支持を集めた。
そしてデジタルカメラやスマートフォンなどにも使われ、爆発的な普及を後押しした。

 

吉野氏は、白川英樹氏が発見したポリアセチレン(プラスチックの一種)にマイナス極の材料として目をつけたことが、リチウムイオン電池開発のきっかけとなった。

 

 

 

〔その他のノーベル賞受賞者〕

▼ノーベル物理学賞

・ジェームズ・ピーブルス(アメリカ)

→ 物理宇宙論における理論的発見

 

・ミシェル・マイヨール、ディディエ・ケロー(ともにスイス)

→ 太陽のような恒星のまわりを公転する太陽系外の惑星の発見

 

 

▼ノーベル生理学・医学賞

・ウィリアム・ケリン、グレッグ・セメンザ(ともにアメリカ)

・ピーター・ラトクリフ(イギリス)

→ 細胞による酸素量の感知とその適応機序の解明

 

 

 

 

大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」が完成

10月4日、東京大学は、大型低温重力波望遠鏡「KAGRA(かぐら)」が完成したことを発表。

 

KAGRAが建設されたのは、富山県との県境に近い岐阜県飛騨市。

 

ここには、ニュートリノの検出を目的に建設された観測装置「スーパーカミオカンデ」と同じ場所にあたる。

 

KAGRAはアメリカの「LIGO」、欧州の「Virgo」に次ぐ、世界でも3番目の重力波望遠鏡。

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