このページでは「沸騰石を入れるとなぜ急な沸騰(=突沸)をふせぐことができるのか??」「そもそも突沸ってなんで起きるの?」ということについて解説しております。
入試にはあんまり出題されない小ネタ的な内容です。。。
突沸とは
中1で学習する状態変化の1つに“沸騰(ふっとう)”があります。
※状態変化については→【状態変化】←を参考に。
沸騰とは、ある一定の温度に達した液体が気体となること。
このとき液体からはブクブクとあわが発生します。
このあわが、状態変化でできた気体ということですね。
水の場合は100℃で沸騰をはじめます。
(沸点のこと。つまり100℃でブクブクと水蒸気の泡が出始める。)
しかし現実の世界では、沸点以上になっているのに沸騰が起こらないこともあります。
ふつう沸騰が起こるとき、容器の内側の(目に見えないくらいの)小さなでこぼこやキズの部分に“非常に小さなあわ”ができます。
あるいは(目に見えないくらいの)小さな粒が液体の中にあると、その部分に“非常に小さなあわ”ができます。
この“非常に小さなあわ”を中心にして沸騰が起こります。
しかし、そういった“非常に小さなあわ”のできやすい場所が存在しないとき、沸点を超えても沸騰しない状態になってしまいます。
これを過熱状態といいます。(”加熱”状態ではないよ。)
過熱状態にある液体に振動を与えたり、何か異物が入ったりという刺激が与えられたとき、急激な速さで沸騰が起こってしまいます。
これが“突沸”という現象です。
(日常生活でも、鍋や電子レンジで液体を加熱しているときに起こることがあります。)
液体が突沸を起こすと、液体が飛び散ったり、フラスコなどの容器が破損したり、非常に危険なこととなります。
ということで、そのような“突沸”が起こらないようにしておく必要があります。
そのための道具が“沸騰石”です。
沸騰がスムーズに起こるために必要なのは“非常に小さいあわ”のできる場所です。
“沸騰石”は小さな穴がたくさん開いている石や素焼きのかけらのことをいいます。
(その辺に、沸騰石という名前の石ころが転がっているわけではありません。)
この小さな穴が“非常に小さいあわ”のできる場所となってくれるのです。
(このように小さな穴をもつ物質のことを多孔質といいます。)
よってフラスコのように内側にでこぼこがあまりない(“非常に小さいあわ”のできる場所が少ない)容器で液体を加熱するときは、沸騰石をあらかじめ入れておくのです。
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