風は気圧の高いところから気圧の低いところへ吹きます。
(→【気圧と風】←のところで解説しています。)
しかし地球上では、風は気圧の高いところから低いところへまっすぐ向かうのではありません。
少しそれた動きをします。
地球は自転という動きをしています。
この動きが原因となり、風は少しそれるように吹いていきます。
このページではその原理を解説します。
1.コリオリの力
1つ例を挙げて考えてみます。
↓のように反時計回りに回転している台があったとします。
この台の端にAさんとBさんが立っています。
そして台の中心からAさんに向かってボールを投げることを考えます。(↓の図)
台が回転していなければ、ボールはまっすぐAさんに届きます。
上から見た図に書き換えましょう。(↓の図)
台の中心からボールをAさんに投げると・・・(↓の図)
台は回転しているので、ボールはAさんから少しそれてしまいます。
この場合、Bさんに届きました。
ボールの動きだけに着目します。
ボールはAさんより右にそれてしまいました。(↓の図)
ボールをまっすぐ投げたのに、まるで右にそらすような力を受けたかのようです。
(しかし、そのような力が実際にはたらいたわけではないことに注意。右にそれた原因は、台が回転していることです。)
この「右にそらすような力」をコリオリの力(またの名を向心力という)といいます。
あくまでもコリオリの力は見かけの力で実際に誰かが力を加えたわけではありません。
2.地球上でのコリオリの力
地球の北極と南極を結ぶ直線を地軸といいます。
北極上空から見ると、地球は反時計回りに回転しています。
この動きを自転といいます。
地球が自転していることによって、「動きがそれる」ということが起こります。
↓のように真南に向かってボールを投げると・・・
地球は反時計回りに自転しているので、投げた人から見て右にそれます。(↓の図)
これもコリオリの力という見かけの力がはたらいた、といえます。
風もこのはたらきを受けます。
↓のように、高気圧から低気圧に向かって風が吹いても・・・
地球が自転しているため、風は右にそれてしまいます。
高気圧からは風が吹き出ます。
本来ならばまっすぐ吹き出します。しかし地球の自転の影響で、右にそれてしまいます。(↓の図)
低気圧も同様に本来はまっすぐ吹き込みますが、自転の影響で右にそれてしまいます。(↓の図)
ちなみに南半球の場合は左にそれます。
(最初の台の図の裏側に人間が立っているイメージです)
また台風のようすを撮影した写真では、台風が渦を巻いています。
北半球では反時計まわりに渦を巻いていて、南半球では時計回りです。
これも地球の自転の影響です。
(台風はもともと熱帯低気圧という低気圧です。)
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