このページでは2020年度(令和2年)の神奈川県立入試共通選抜の問題を解説しています。(理科のみ)
問題・模範解答はこちら↓↓
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/nyusen/gakuryokukensa/mondai.html
問1の解説
(イ)
方位磁針のN極の指す向きと磁力線の向きは同じです。
方位磁針のN極が北の方に向くということは、磁力線は南極から出て北極に入る向きに向かっているということです。(↓の図)
(ウ)
ばねA~Cののび方はグラフから
ばねA・・・0.8Nで4cm
ばねB・・・0.8Nで6cm
ばねC・・・0.8Nで12cm
となっています。
ばねAに200g(2N)のおもりをつるしたときののびa(cm)は
$$0.8N:4cm=2N:a(cm)$$
$$a=10cm$$
ばねBに150g(1.5N)のおもりをつるしたときののびb(cm)は
$$0.8N:6cm=1.5N:b(cm)$$
$$b=11.25cm$$
ばねCに70g(0.7N)のおもりをつるしたときののびc(cm)は
$$0.8N:12cm=0.7N:c (cm)$$
$$c=10.5cm$$
よってa<c<bとなります。
問2
(ア)
表には1Lあたりの質量(密度)が書かれているので、空気(窒素80%・酸素20%の混合物)について1Lあたりの質量を求めてましょう。
窒素80%・酸素20%なので、空気1L中には窒素0.8L・酸素0.2Lの割合で含まれています。
窒素0.8Lの質量は
$$0.8L×1.17g/L=0.936g$$
酸素0.2Lの質量は
$$0.2L×1.33g/L=0.266g$$
合わせて空気1Lあたりの質量は
$$0.936g+0.266g=1.202g/L$$
よってこの空気よりも密度が大きい(同じ体積の空気よりも重い)のは、表から
酸素・二酸化炭素・塩素
の3種類となります。
(イ)
表より1本目~3本目の液体の中身として
1本目の液体・・・エタノールが多く含まれている
2本目の液体・・・エタノールが少し・水が少し含まれている
3本目の液体・・・水が多く含まれている
と考えられます。
1の選択肢→3本目の液体(90.5℃~95.5℃)に水が含まれているので誤り。
2の選択肢→エタノールがちょうど78℃で沸騰したかどうかは判断できないので誤り。
3の選択肢→水が多いのは3本目なので誤り。
4の選択肢→2本目にもエタノールが含まれているので誤り。
5の選択肢→水がちょうど100℃で沸騰したかどうかは表から判断できないので誤り。
よって6の選択肢のみが正しいこととなります。
問3
(ア)
オランダイチゴが茎によって新しい個体をふやすのは無性生殖にあたります。
無性生殖では、親と子の形質は全く同じになります。(染色体の本数や遺伝子も同じ)
(イ)
A・・・恒温動物であり、胎生でない→鳥類
D・・・親が肺呼吸、変温動物→ハチュウ類
E・・・親は肺呼吸でない、子は水中に生まれる→魚類
B・・・子は水中に生まれる、魚類でない→両生類
C・・・ホニュウ類
(ウ)
a・・・雌花・胚珠がある(受粉が行われる)
b・・・雄花・花粉のう(花粉の入った袋)がある
c・・・めしべの柱頭(受粉が行われる)
d・・・おしべのやく(花粉が入っている)
e・・・子房・胚珠がある
問4
ハワイ島→Bまでが3500km、B→Aまでが2500kmであるので
$$プレートの総移動距離=3500+2500=6000km$$
また
$$6000km=6000 000m=6000 000 00cm$$
プレートは1年で8.5cm移動しているので、プレートが6000km動くのにかかる時間をx年とすると
$$1年:8.5cm=x年:6000 000 00cm $$
$$x=約7059万年$$
となります。
これは中生代(約2億5100万年前から約6600万年前)にあたります。
問5
(エ)
弦の張りが強いと振動数は多くなり(=高い音)、弦の張りが弱いと振動数は少なくなります(=低い音)。
また弦の太さが細いと振動数は多くなり(=高い音)、弦の太さが太いと振動数は少なくなります(=低い音)。(↓の図)
表より、条件Ⅴと条件Ⅵは弦の長さも弦の太さも同じですが、振動数はV>Ⅵです。
つまりⅤの方がⅥよりも弦の張りが強かったとわかります。(弦の張りⅤ>Ⅵ)
次に表より、条件Ⅳと条件Ⅵは弦の太さが異なります。
条件Ⅳの方がⅥよりも細いです。
その分、条件Ⅳの方がⅥよりも振動数が多くなりそうですが、実際には振動数は同じ。
これは条件Ⅳの弦の張りが弱く、そのために振動数が少なくなったと考えられます。
つまりⅣの方がⅥよりも弦の張りが弱かったとわかります。(弦の張りⅥ>Ⅳ)
よって弦の張りは強い順に
Ⅴ>Ⅵ>Ⅳ
とわかります。
問6
(イ)
表1から
$$2分後の水素の体積と酸素の体積の差=1.2-0.6=0.6cm^3$$
$$4分後の水素の体積と酸素の体積の差=2.4-1.2=1.2cm^3$$
$$6分後の水素の体積と酸素の体積の差=3.6-1.8=1.8cm^3$$
よって2分経つごとに水素と酸素の差は0.6cm3ずつ増すことがわかります。
求めたい9分後の差をx(cm3)とすると
$$2分:0.6cm^3=9分:x(cm^3)$$
$$x=2.7cm^3$$
となります。
問7
(イ)
実験1の②では「皮膚→中枢神経→筋肉」という経路を伝わる速さを計測していることとなります。
しかし実験1の④では「目→中枢神経→筋肉」という経路を通っているため、異なる感覚器官(皮膚ではなく目)を使っていることとなります。
(エ)
実験2の表より、すべての回で記録1よりも記録2の方が短い記録が得られています。
記録2は目を閉じて実験を行っており、使っている感覚器官は耳、音の刺激を受け取っています。
よって音の刺激に対する反応の方が短い時間で済む、とわかります。
問8
(ア)
図1で見えている月の形から考えて、図2の6の位置と考えられます。(↓の図)
(イ)(ⅰ)
さそり座は夏の代表的な星座です。夏の真夜中に南中して見えます。
図3内でのさそり座のアンタレスの位置は↓のようになります。
〔観察〕では明け方6時に東寄りの空にアンタレスが見えています。
明け方6時にアンタレスが見えるのは4の地球と考えられます。(↓の図)
※星座の見え方のくわしい考え方については→【季節の星座の見え方】←を参考に。
(ウ)
1ヶ月後の同時刻(午前6時)では、アンタレスは年周運動で30°動いて見えます。
図と同じ位置に見えていた時刻は日周運動を考えて2時間前(=午前4時)です。
(エ)
〔観察〕での金星は、明け方6時に東の空に見えています。
明け方、東の空に見える金星を明けの明星といいます。
図4の中で明けの明星にあてはまるのはDのみです。(↓の図)
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