このページでは2020年度(令和2年)の大阪府立入試一般入学者選抜の問題を解説しています。(理科のみ)
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大問1の解説
(2)
火山灰が「火山Pの西側に比べて東側に厚く降り積もった」とあるので、風が西から東へ吹いていたとわかります。
よって風向は西寄りです。(風向は“風がどこから来るか”を答える)
(3)(4)
火成岩には深成岩と火山岩の2種類があります。
深成岩は、マグマが地下深くでゆっくり冷え固まってできた岩石です。
そのため大きな結晶をたくさん持つ等粒状組織をしています。
一方で火山岩は、マグマが地表や地表付近で急に冷え固まってできた岩石です。
大きな結晶になりそこなった部分(図ⅠのY)があります。
これを石基といいます。
大きな結晶は斑晶と呼ばれます。
このようなつくりを斑状組織といいます。
(5)
ア~エはそれぞれ↓の時代を生きていた示準化石です。
サンヨウチュウ・・古生代
アンモナイト・・・中生代
ビカリア・・・・・新生代
フズリナ・・・・・古生代
(6)
地球誕生から現在まではおよそ46億年。
これがものさしの端から端まで100cmを表します。
そして古生代の始まりから現在まではおよそ5.4億年。(問題文より)
これがものさしのx(cm)に相当するとすると
$$46億年:100cm=5.4億年:x(cm)$$
$$46×x=100×5.4$$
$$x=11.73・・・≒12$$
よって12cmに相当します。
(7)
示相化石は限られた環境に生息していた生物があてはまります。
図Ⅳでは生物Sが最も限られた範囲の水温で生息していたことがわかります。
そのためSが示相化石として最も有効と言えます。
(8)
地層群Aと地層群Bを比べると、地層群Bの方が下にあるため
地層群Bの形成→地層群Aの形成
という順です。
地層群A&Bと断層Fを比べると、A&Bは断層Fにより切断されています。
そのため
地層群A&Bの形成→断層Fの形成
という順であるとわかります。
火成岩体Gは断層Fによって切断はされていません。
むしろ断層Fのあるところにマグマが入り込みGができた状態になっています。
そのため
断層Fの形成→火成岩体Gの形成
という順であるとわかります。
したがって
地層群Bの形成→地層群Aの形成→断層Fの形成→火成岩体Gの形成
という順序とわかります。
大問2の解説
(1)①
この問いでは25℃の水=液体の水を加熱しています。
よってPでは液体です。
その後、100℃に達して沸騰が起こったと考えられます。
(2)③
この問いで起こった反応は
エタノール+酸素→二酸化炭素+水
です。
反応した酸素をx(g)とすると
$$反応前=エタノール+水=2.3g+x(g)・・・①$$
$$反応後=二酸化炭素+水=4.4g+2.7g・・・②$$
質量保存の法則より①=②であるため
$$2.3g+x(g)=4.4g+2.7g$$
$$x=4.8g$$
となります。
(3)
エタノールは火を近づけると燃えるという性質があります。
表Ⅰから、液体(ⅰ)中がもっともよく燃えているので、エタノールの割合が最も多いことがわかります。
また液体(ⅰ)は、液体を集め始めた温度が79.0℃と最も低いです。
よって液体を集め始めた温度が低い方が、エタノールの割合は多いと言えます。
(4)
液体(ⅰ)中のエタノールの質量をx(g)、水の質量をy(g)とします。
液体(ⅰ)の質量が0.88gであるため
$$x(g)+y(g)=0.88(g)・・・①$$
またエタノールの密度は0.80g/cm3であるので
$$エタノールの体積=質量÷密度$$
$$=x(g)÷0.80g/cm^3$$
$$=\frac{5}{4}x(cm^3)$$
水の密度は1g/cm3であるので
$$水の体積=質量÷体積$$
$$=y(g)÷1g/cm^3$$
$$=y(cm^3)$$
液体(ⅰ)の体積は1.0cm3であるので
$$\frac{5}{4}x(cm^3)+ y(cm^3)=1.0cm^3・・・②$$
①②を連立して
$$x=0.48g,y=0.4g$$
求めたいのは液体(ⅰ)中のエタノールの質量の割合なので
$$エタノールの質量の割合=\frac{0.48}{0.88}×100=54.54・・・≒55%$$
となります。
(5)
図Ⅲを使って考えます。
問題文より、はじめの混合溶液中のエタノールの質量の割合は10%です。
これを蒸留したとき、蒸気中のエタノールの質量の割合は図Ⅲよりおよそ50%とわかります。(↓の図)
エタノールの質量の割合が50%の混合溶液をもう一回蒸留します。
これを蒸留したとき、得られる蒸気中のエタノールの質量の割合は図Ⅲよりおよそ65%とわかります。(↓の図)
よって2回の蒸留ののちに得られる液体中のエタノールの質量の割合は65%となります。
大問3の解説
(6)
表Ⅰより
丸形の個体数=5474、しわ形の個体数=1850
であるので
丸形:しわ形=3:1
といえます。
そのため丸形の個体数はしわ形の個体数の3倍あることになります。
(8)
●や○は遺伝子を表しています。
いわゆるAやaです。
遺伝子は、減数分裂によって生殖細胞ができるときに別々の生殖細胞に入ります。(分離の法則)
●や○を1つずつ取り出す操作が、これにあたります。(操作2・操作4)
(9)
●=A・○=aとすると
●●:●○:○○=AA:Aa:aa=丸:丸:しわ
となります。
●=a・○=Aとすると
●●:●○:○○=aa:Aa:AA=しわ:丸:丸
となります。
大問4の解説
(3)
発光ダイオードには図Ⅱのように+端子(bのこと)、-端子(aのこと)があります。
発光ダイオードはb→ダイオード本体→aの向きの電流のみを通し、このときだけ発光します。
(a→ダイオード本体→bの向きの電流は通さない・発行しない)
(4)
熱量は次の式で求められます。
$$熱量(J)=電力(W)×時間(秒)$$
熱量を小さくするためには電力を小さくするか、時間を短くするか。
あてはまる選択肢はアのみです。
(6)①
表Ⅲで「水位の差」と「1分間の管を通る水量」は比例の関係にあります。(↓の図)
(6)②
表Ⅰでは「電気抵抗」と「電流」が反比例の関係にあります。(↓の図)
表Ⅱでは「電圧」と「電流」が比例の関係にあります。(↓の図)
よって①と同様に比例関係にあるのはエです。
(6)③
図Ⅳに対して図Ⅵは
左右の容器X・Yをつなぐ管が2本ある
という違いがあります。
図Ⅳの装置であれば、水位の差が7.0cmのときの1分間に管を通る水量は0.84Lです。(表Ⅲより)
図Ⅵの装置であれは、1分間に管を通る水量は2倍となり
$$0.84×2=1.68L$$
となります。
(6)④
抵抗は電流の流れにくさを表す量です。
抵抗が2倍・3倍・4倍・・・・になれば電流は1/2倍・1/3倍・1/4倍・・・・になります。
図Ⅵの装置では、水が図Ⅳの2倍流れやすい(=電流が2倍)ということを意味します。
そのため抵抗は1/2倍となります。
(7)
0.2Wの仕事率で1分間仕事をした場合
$$ポンプのする仕事=0.2W×60秒=12J$$
となります。
つまりポンプは水に12Jの位置エネルギーを与えることができます。
このとき水は30cm高い位置に組み上げられるので
$$位置エネルギー(J)=重さ(N)×高さ(m)$$
の関係であることを使うと
$$くみ上げた水の重さ(N)=12J÷0.3m=40N$$
40Nの水は4000gに相当します。
水の密度は1g/cm3なので
$$4000gの水の体積=4000cm^3=4L$$
となります。
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