このページでは光の反射に関するよくある問題について解説しています。
反射の基本についてはこちら→【光の反射】←を参考に。
「鏡を通して見える範囲」についての解説動画はこちら↓↓↓
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1.鏡に映る像・鏡を通して見える範囲
例題
(答)
反射の問題で大事なのは、
❶鏡に引いた垂線(この垂線と光の間の角に名前がある)
❷像の位置を正しく作図する
ということです。
この場合は
❷像の位置を正しく作図する
ことが重要です。
像は鏡を対象の軸として線対称な位置にできます。
作図すると↓のようになります。
この像を見ることができるかどうかは、鏡の両端に向かって線を引いてみます。
このときの↓の赤色の部分に像があるかどうかを確認します。
赤色の部分にあれば、その像は「鏡に映った像」として見ることができます。
よってこの場合はB・C・Dの像は見ることができます。
一方でA・Eの像は見ることができません。
正解はA・Eとなります。
2.合わせ鏡
次のように鏡Aと鏡Bを90度の角をなすように置きました。
その間に物体Pと観測者がいます。
さて、この観測者からPの像はどのように見ることができるでしょうか。
まずは→【光の反射】←でも説明しているやり方で、Pから出た光が目に入る様子を作図します。
鏡Aで反射する光
Pが鏡Aに映るときを考えます。
Pの像P’を鏡Aに対して線対称な位置に作図します。(↓の図)
P’を利用して光の通り道を作図すると↓のようになります。
鏡Bで反射する光
Pが鏡Bに映るときを考えます。
Pの像P’’を鏡Bに対して線対称な位置に作図します。(↓の図)
P’’を利用して光の通り道を作図すると↓のようになります。
鏡A・Bの両方に反射する光
ここまでで↓のように、2つの像P’とP’’があることがわかります。
鏡AにはP’という像が映っています。
しかし映るのはP’だけではありません。
鏡Aには鏡Bが映りこんでいるはずです。
その像は↓のようになります。
鏡Aには、Pの像P’と鏡Bの像が同時に映りこんでいるのです。
そしてP’は「鏡Bの像」にも映り込むはずです。
まるで、合わせ鏡のように。
それを作図すると↓のようになっています。
同じことを鏡Bの方でも考えてみましょう。
鏡Bには、Pの像P’’と鏡Aの像が同時に映り込んでいることになります。(↓の図)
そしてP’’は「鏡Aの像」に映りこみます。
それを作図すると↓のようになります。
これは先ほどの像と重なります。
つまり図をまとめると↓のようになっています。
このように90度に並べた2枚の鏡には、像が3つできるのです。
この3つ目の像P’’’から出た光が目に入る様子を作図してみましょう。
まずP’’’と目を点線で結びます。
そうすることで光が反射する点がわかります。(↓の図)
この点とP’’を結びます。
そうするともう1つ、光が反射する点がわかります。(↓の図)
あとはPから直線を引いていきましょう。(↓の図)
今回は90度の角をなすように鏡が置かれていました。
この場合、できる像は3つです。
しかしほかの角度であれば、できる像の数は異なります。
考え方は同じ。
物体だけでなく、鏡の像も考えるようにすること。
これがポイントです。
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質問失礼致します。
合わせ鏡の作図がよく分からず,インターネットで解説を探していたところ,こちらにたどり着きました。
とても分かりやすいご説明なのですが,何点か質問をさせて頂くことは出来ますでしょうか。
【質問】
1. まず直角に置いた2つの合わせ鏡の場合,そもそもなぜ鏡Aの像と鏡Bの像がそれぞれ180°回転した位置に出来るのでしょうか。
2. なぜ「光が反射が反射する点その1」と「光が反射が反射する点その2」があるのにも関わらず,「光が反射が反射する点その3」がないのでしょうか。
言い換えますと,像Aからはなぜ光は反射しないのでしょうか。
(「鏡Aがつくる像P’」からなぜ光は反射しないのでしょうか。)
上記の一番下の図で最終的にコの字型に反射して目に届く光の道筋が,「光が反射が反射する点その1」と「光が反射が反射する点その2」しか通過していないことが納得できません。
出来る像は全部で3像なので,全ての像から反射した点を通る光の道筋が出来るのではないかと思ってしまいます。
長文申し訳ございません。
合わせ鏡について調べているのですが,色々な参考書を見てもよく分からず困っておりました。
お忙しい中大変恐縮ではございますが,ご都合の良い時で構いませんのでお返事頂けますと幸いです。
神林さくら様
コメントありがとうございます。
質問の1について
鏡が線対称な位置に像(虚像)をつくるのはご存知でしょうか?
合わせ鏡の2つ目の図で、Pの像P’がPと線対称な位置にできる、という原理です。
これは鏡に映りこんだものは、まるでその虚像の場所にあるように見えるという理屈です。
まるでそこにあるかの様に見えるだけで、実際は何もありません。
ただ作図では虚像を活用して柵図を行うのが便利であるため、利用します。
鏡AやBも互いの鏡に映りこんでしまいます。
その虚像の位置を作図しています。
質問2について
どのような作図を想定されておられましたか?
よければ図表を見せていただけるとご説明しやすいかもしれません。
info@chuugakurika.comまでご送信いただけると幸いです。
確かに難しいお話ですので、混乱なさるのも無理はありません。
わからなければどうぞおっしゃってください。
science teacher様
お世話になっております。
こちらこそ迅速にお返事頂き,誠にありがとうございます。
★質問1につきまして
>鏡が線対称な位置に像(虚像)をつくるのはご存知でしょうか?
はい,鏡が線対称の位置に虚像をつくる理由は,反射の法則により結果的に線対称の位置に虚像が出来るということを先日やっと理解致しました。
>鏡AやBも互いの鏡に映りこんでしまいます。
「映りこんでいる」というのは実際に経験的に何となく分かります。
例えば鏡Aの像が180°回転した位置に出来るのは「線対称の位置に虚像が出来るため」ということでしょうか。
ただ鏡Aは鏡Bの一番端に置いてありますよね?
物体Pは鏡Aと鏡Bのやや真ん中にあり,
物体Pの全体を映す位置にあるので物体Pの全体を映すことがことが出来るので反射の法則で線対称の位置に虚像が出来るのは理解できますが,
鏡Aは鏡Bの一番端に存在しているにも関わらず,
反射の法則で線対称の位置に鏡Aの虚像が出来ていることが理解できません。
説明が下手で申し訳ございません。
要は鏡Aが鏡B(もしくは鏡Bが鏡A)に対して全面的に映る位置にないにも関わらず,
鏡Aの虚像がなぜ出来るのでしょうか。
反射の法則を使った作図をすると,どのように鏡A(もしくは鏡B)の虚像が作図出来ますでしょうか。
★質問2について
>どのような作図を想定されておられましたか?
作図を想定していたわけではないんです…
ただなぜ「光が反射が反射する点その1」と「光が反射が反射する点その2」があるのにも関わらず,「光が反射が反射する点その3」がないのかがどうしても分からなくて困っております。
なぜ「鏡Aがつくる像P’」からはなぜ光は反射しないのですか…?
合わせ鏡を実際に作り,「確かにそうなる」ことは見て分かっても上記の2点がどうしても理解できません。
もし可能でしたら詳しくご解説頂けますと幸いです。
もちろんご無理な場合は大丈夫です。
度々質問してしまい申し訳ございません。
文章だとご説明が難しい場合は作図などを下記のメールアドレスに添付して頂いても構いません。
何卒よろしくお願い申し上げます。
まず虚像は「見える見えない」ではなく、「存在するか否か」です。
観測者から見えるかどうかではなく、線対称の位置に存在するものとしています。
そして光が反射する点3が存在しない、ということですが、図にもう少し書き足しますと↓のようになります。
この物体Pや目の位置の場合、像P’から出た光が鏡Bの像で反射していると捉えることができます。
これがおっしゃる「光が反射する点3」にあたるかと思います。
いかがでしょうか。
なお質問の回数などは気になさらないでくださいね。どうぞご遠慮なく。
science teacher様
お世話になっております。
いつも詳しく教えて頂き,誠にありがとうございます。
★ 鏡の虚像について
>虚像は「見える見えない」ではなく、「存在するか否か」です。
なるほど,確かに見えないからと言って,存在していないとは限らないですよね。
上記の「1.鏡に映る像」の部分でいうと,AやEのように虚像として存在していても見えない場合もあるということでしょうか。
この点につきまして再質問なのですが,
http://web-sensei.jp/30rou/131024.htm
上記のHPの2枚目の写真のように,うっすらと虚像である2枚の鏡が映っています。
鏡を90度の位置に(一番端の位置に)置いた時,その鏡の虚像が「見える」ということがよく分かりません。作図するとどうなるでしょうか?
★ 「光が反射する点3」について
>像P’から出た光が鏡Bの像で反射していると捉えることができる
「光が反射する点3」がどのように出来ているか,よく分かりました。
新しく図を加えて頂き,とても分かりやすかったです。
本当にありがとうございます。
かなり理解は深まってきたのですが,再々質問させて頂けますでしょうか。
【質問】
1.まずなぜ「鏡A・Bがつくる像P”’」と目は直線で直接結ぶことが出来るのでしょうか?
2.1の疑問と関連しているのですが,なぜ「鏡A・Bがつくる像P”’」と「鏡Bがつくる像P’’」の光が交わることになるのでしょうか。
もう少しで完全に分かりそうなのですが,何が分かっていないのか自分でもよく分かりません…。度々本当に申し訳ございません。
ご都合の良い時で構いませんので,何卒宜しくご回答お願い申し上げます。
神林さくら様
遅くなり申し訳ありません。
本業の方が忙しく、遅くなりました。
>上記のHPの2枚目の写真のように,うっすらと虚像である2枚の鏡が映っています。
>鏡を90度の位置に(一番端の位置に)置いた時,その鏡の虚像が「見える」ということがよく分かりません。作図するとどうなるでしょうか?
「鏡に映った鏡」が虚像にあたります。
「見える」というのは「観測者(目)の位置が、虚像が見える位置である」ということです。
ですので2枚目の写真の、鏡に映り込んだ鏡が虚像と言えます。
>1.まずなぜ「鏡A・Bがつくる像P”’」と目は直線で直接結ぶことが出来るのでしょうか?
>2.1の疑問と関連しているのですが,なぜ「鏡A・Bがつくる像P”’」と「鏡Bがつくる像P’’」の光が交わることになるのでしょうか。
虚像と目を結ぶ直線は「仮に虚像から目まで光が直進しているとすると・・・」を表したものです。
そしてこの直線と鏡の交点を求めることで、光が鏡のどのあたりで反射しているのか、という場所を特定できます。
光の作図においては、光が鏡上で反射する点を求めることで作図をしています。
これらの作業はすべてその点を探しています。
「鏡A・Bがつくる像P”’」と「鏡Bがつくる像P’’」から出た光が交わっているわけではなく、
「鏡A・Bがつくる像P”’と目を結ぶとこうなる」
「だけど実際には像P”’から光が出ているわけではないので、像P”から出た光に書き直そう」
という手順で作図を行っているということです。
お世話になっております。
先日お送りした返信が私のミスで届いていないかと勘違いしてしまいました。
お忙しい中お急ぎ立てしてようになり,大変申し訳ございませんでした。
>「見える」というのは「観測者(目)の位置が、虚像が見える位置である」ということ
なるほど,「見える」ということがどういう状態のことか,やっと分かりました。
>虚像と目を結ぶ直線は「仮に虚像から目まで光が直進しているとすると・・・」を表したものです。
そしてこの直線と鏡の交点を求めることで、光が鏡のどのあたりで反射しているのか、という場所を特定できます。
・私たちの目は「虚像から」光が出ているように見える。
・しかし実際は物体から出た光が鏡に反射して,その光が目に入ることで「見えている」
・合わせ鏡の作図はそれぞれの「虚像から」出たように見える光と鏡の交点を求めることで,
反射した光の場所を特定することが出来る。
・そして,物体→反射した場所→目を直線で結ぶことにより,光の道すじを求めることが出来る。
やっと腑に落ちました。
science teacher様のお陰で,全体を理解することが出来ました。
理解の悪い私に最後まで根気強く教えて頂き,心の底から感謝申し上げます。
詳しく教えて頂き,誠にありがとうございました。
これからもこちらのサイトを拝見しながら,勉強を頑張りたいと思います。
本当にありがとうございました。
神林さくら様
こちらこそ拙い説明で申し訳ありませんでした。
また返信が遅くなり申し訳ありませんでした。
納得のいく形となってよかったです。
また何かあればいつでもご利用ください。
science teacher様
お返事ありがとうございます。
またご質問してしまうことがあるかもしれませんが,今後共何卒よろしくお願い致します。
ご回答本当にありがとうございました!
鏡はそのままで、像が3つより多くなる場合を教えて欲しいです。
田中様
コメントありがとうございます。
鏡が2枚のままだとすると、鏡のなす角を90°未満にすれば像は3つより多くなります。
質問です。
鏡に映る像はどのように見えるのか
凸レンズはどんなはたらきをするのか
凸レンズで大きな像ができるのはなぜか
という質問に対して一言で答えるとしたらどうなりますか。
頭の中では大体は思いつくのですが、一言となると難しいです。
コキンちゃん様
鏡に映る像はどのように見えるか→元の位置と鏡を対象の軸として線対称な位置
凸レンズはどんなはたらきをするのか→(焦点より外側に光源がある場合)光を1点に集めるはたらき
凸レンズで大きな像ができるのはなぜか→(虚像だとすると)レンズを通して目に入る光によって、大きな虚像が見えるから
と答えるのはいかがでしょうか。