このページでは火星の会合周期を中心に、惑星の会合周期の問題を中学生にもわかるように解説しています。
少し発展的な内容を含みます。
惑星に関する基本的なことがらは→【太陽系の天体】←を参考にしてください。
金星の見え方・満ち欠けに関しては→【金星の見え方】←を参考にしてください。
1.会合周期とは
■会合周期
2つの惑星がある位置関係になってから、再びその位置関係になるまでの周期(期間)のこと。
金星のような内惑星は、地球よりも内側を公転しています。
その様子は↓のようになっています。
金星が最も地球に近い位置に来たときを内合といいます。
また最も地球から遠い位置に来た時を外合といいます。
(覚える必要はありません)
一度内合という位置関係になってから、再び内合の位置関係になるまでの期間、
あるいは
一度外合という位置関係になってから、再び外合の位置関係になるまでの期間
が会合周期です。
火星のような外惑星の場合は、地球よりも外側を公転しています。
火星が最も地球に近い位置に来たときを衝、最も地球から遠い位置に来た時を合といいます。(↓の図)
一度合という位置関係になってから、再び合という位置関係になるまでの期間、
あるいは
一度衝という位置関係になってから、再び衝という位置関係になるまでの期間
が火星のような惑星の会合周期です。
このページでは火星の会合周期を考えてみます。
火星の公転周期を考える
まずは火星の公転周期について。
先述の通り、火星は地球よりも外側を公転している外惑星です。(↓の図)
火星の公転周期(火星が360度公転するのにかかる時間)は約1.8年です。
(正確には1.88年ですがここでは簡単にするために1.8年とします。)
1年=12ヶ月なので1.8年は
$$1.8年×12ヶ月=21.6ヶ月$$
です。
火星は21.6ヶ月で360度公転します。
ここで火星の1ヶ月あたりに公転する角度を求めます。
それをx度とすると
$$21.6ヶ月:360度=1ヶ月:x度$$
これを解いて
$$x=16.666・・・$$
よって火星は1ヶ月あたり約17度公転します。
地球の公転周期を考える
次に地球の公転周期について。
地球の公転周期(地球が360度公転するのにかかる時間)は1年です。
1年=12ヶ月なので、地球が1ヶ月あたりに公転する角度をy度とすると
$$12ヶ月:360度=1ヶ月:y度$$
これを解いて
$$y=30度$$
したがって地球は1ヶ月あたり30度公転します。
会合周期を求めよう
地球・火星・太陽が↓のような位置関係にあるとき(衝という位置関係です)、再びこの位置関係にもどるのにかかる時間を求めましょう。
まず1ヶ月後。
前項で計算した通り、地球は30度公転しています。(↓の図)
また火星は約17度公転しています。(↓の図)
よって1ヶ月後では、地球は火星よりも 30度-17度=13度 だけ多く公転します。(↓の図)
2ヶ月後は、地球は火星よりも13×2=26度多く公転します。
3ヶ月後は、地球は火星よりも13×3=39度多く公転します。
火星の動きを止めると、地球は
1ヶ月では13度離れていき、
2か月では26度離れていき、
3ヶ月では39度離れていき・・・
このまま360度離れていくと・・・地球と火星は衝の位置関係にもどります。
360度離れていくまでにzヶ月かかるとすると
$$1ヶ月:13度=zヶ月:360度$$
$$z=27.69・・・$$
よって約28か月(=約2年2か月)かかることになります。
この約28か月(=約2年2か月)が火星の会合周期となります。
POINT!!
会合周期を考える問題では、
・1ヶ月あたりに公転する角度の差は何度か
・その差が360度まで広がるのは何ヶ月後か
を考えると楽です。
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[…] 太陽系において、火星の公転周期は1.88年(約2年2ヶ月・火星は地球よりも外側を公転しているため会合周期が遅れる)であり、日数に直すと1.88×365.24日≒686.6512(約687日)です。 […]
[…] 太陽系において、火星の公転周期は1.88年(約2年2ヶ月・火星は地球よりも外側を公転しているため会合周期が遅れる)であり、日数に直すと1.88×365.24日≒686.6512(約687日)です。 […]