中3地学【*惑星の順行と逆行】

このページでは火星などの惑星の動き(順行や逆行)について解説しています。

発展的な内容となっています。

天体に慣れていることが必要です。

 

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1.順行と逆行

■惑星

太陽を中心に公転している天体。

北極上空から見ると反時計回りに公転している。

太陽に近いものから順に

水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星

となっている。

その公転周期(360度公転するまでの時間)は太陽から遠い惑星ほど長い。

 

 

 

水星や金星・火星などは惑星と呼ばれます。

 

「惑」は「惑う(まどう)・ふらふらさまよう」という意味です。

 

 

 

太陽系の8つの惑星は、太陽を中心に一定の周期で反時計回りに公転しています。

 

にもかかわらず、なぜ「惑う星」と呼ばれるのか?

 

その理由を解説していきます。

 

 

 

ここでは火星と地球に注目して、地球から見た火星の動きを紹介していきます。

 

↓の図は太陽・地球・火星の公転軌道を表しています。

 

 

オレンジ色の線は天球上にある黄道です。

※黄道・・・太陽の1年を通しての天球上の通り道

 

 

 

黄道には12個の星座が並んでいます。星占いに出てくる星座です。

※くわしくは→【季節による星座の見え方】←にて。

 

 

 

その一部を図に書いています。

 

 

 

順行という動き

ある日の地球・火星が↓のような位置にあったとします。

 

 

このときの火星は、地球から見るとかに座のそばを運動しているように見えます。(↓の図)

(太陽が邪魔で見えない、ということについては無視します)

 

 

 

数日後、地球や火星が少し公転して↓のような位置関係になったとします。

 

 

このとき地球から見た火星はしし座のそばを運動しているように見えます。(↓の図)

 

 

さらに数日後、地球や火星が少し公転して↓のような位置関係になったとします。

 

 

このとき地球から見た火星はおとめ座のそばを運動しているように見えます。(↓の図)

 

 

 

この期間を通して、火星は

かに座のそば→しし座のそば→おとめ座のそば

を運動しているように見えます。

 

 

ここに天球の考え方を用いると・・・

 

 

天球とは・・・

・地球が中心にある

・地球は静止している

・地球以外の天体は天球上を運動している

という考え方です。

 

 

地球が中心になるとすると↓の図のようになります。

 

 

観測者からすると、火星は黄道上を西から東へ運動しているように見えます。

 

 

 

このような黄道上を西から東へ進む惑星の動きを順行といいます。

 

 

逆行という動き

ある日の地球・火星が↓のような位置にあったとします。

(さきほどとはちがう位置です。そばにある星座もちがいます。)

 

 

このときの火星は、地球から見るとみずがめ座のそば(みずがめ座の左寄り)を運動しているように見えます。(↓の図)
(太陽が邪魔で見えない、ということについてはここでも無視します)

 

 

数日後、地球や火星が少し公転して↓のような位置関係になったとします。

 

 

このとき地球から見た火星はみずがめ座のそば(さっきよりもみずがめ座の中心寄り)を運動しているように見えます。(↓の図)

 

 

さらに数日後、地球や火星が少し公転して↓のような位置関係になったとします。

 

 

このとき地球から見た火星はみずがめ座のそば(さっきよりもみずがめ座の右寄り)を運動しているように見えます。(↓の図)

 

 

この期間を通して、火星は

みずがめ座の左寄り→みずがめ座の中心寄り→みずがめ座の右寄り

を運動しているように見えます。(↓の図)

 

 

 

ここに天球の考え方を用います。

 

 

 

地球が中心にあるとすると↓の図のようになります。

 

 

観測者からすると、火星は黄道上(みずがめ座のそば)を東から西へ運動しているように見えます。

 

 

 

このような黄道上を東から西へ進む惑星の動きを逆行といいます。

順行と逆行

火星は、基本的には順行していますが、まれに逆行という動きをします。(↓の図)

 

 

惑星の動きは、西から東へ進むことが多いですが、東から西へ進む期間があるのです。

 

 

 

これが「ふらふらとさまよっているように見える」ということで、「惑星」という名称の由来になりました。

 

 

 

このように逆行という動きが起こるのは、地球の公転周期の方が短いためです。

(地球の方が1日当たりに公転する角度が大きい、ということ。)

 

 

 

火星が1周するよりも先に、地球が1周してしまうのです。

(地球が火星を追い越してどんどん先に公転してしまう)

 

 

 

順行が起こって見えるときの地球の位置は↓のようになっています。

 

 

 

逆行が起こって見えるときの地球の位置は↓のようになっています。

 

地球が火星を追い越そうとする期間に逆行が起こっているように見えます。

 

 

このページでは火星という外惑星を例にとって解説をしました。

 

ほかの外惑星はもちろん、内惑星の場合も順行と逆行の2つの動きが観察されます。

 

内惑星の場合、逆行が起こるのは

地球の公転周期よりも、内惑星の公転周期の方が短いから

と言えます。

(内惑星の方が1日当たりに公転する角度が大きいということ)

 

 

POINT!!

・惑星は多くの場合、黄道上を西から東に動くように見える(順行)。が、まれに黄道上を東から西へ動くことがある(逆行)。

 

・外惑星の場合、外惑星よりも地球の方が公転周期が短いため、逆行が起こる。

→逆行が起こるのは、地球が外惑星を追い越そうとするとき。

 

・内惑星の場合、地球よりも内惑星の方が公転周期が短いため、逆行が起こる。

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