このページでは2020年度(令和2年)の京都府立入試中期選抜の問題を解説しています。(理科のみ)
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大問1の解説
(1)
だ液にはアミラーゼという消化酵素が含まれます。
そしてデンプンを糖へと分解します。
試験管Aにはデンプン溶液とだ液が入っています。
そのため、デンプンは糖に分解されたと考えられます。
この液は、ヨウ素液には反応しません。
試験管Bにはデンプン溶液と水が入っています。
デンプンは分解されずそのままです。
そのため、ヨウ素液に反応すると考えられます。
ちなみにペプシンは胃液に含まれる消化酵素です。
(2)
ブドウ糖を吸収するのは小腸(Ⅱ図のZ)です。
小腸の柔毛内の毛細血管で吸収されたブドウ糖は、その後に肝臓(Ⅱ図のW)に運ばれて、一部たくわえられます。
▽アの選択肢
胃液がはたらくのはタンパク質であるため、誤りです。
▽イの選択肢
胆汁は、脂肪を水に混ざりやすい状態にするので、誤りです。
▽エの選択肢
だ液ははたらくのはデンプンに対してのみです。そのため誤りです。
大問2の解説
(2)
操作①の「丸い種子をつくる純系のエンドウ」の遺伝子はAA。
操作①の「しわのある種子をつくる純系のエンドウ」の遺伝子はaa。
操作②の「操作①のかけ合わせてできた種子」はすべてAa。
操作④の「操作③(AaとAaのかけ合わせ・自家受粉)でできた種子」はAA:Aa:aa=1:2:1。
この問いでは
「操作④で調べた種子のうち、操作②で調べた種子と遺伝子が同じものの割合」
を聞かれています。
AA:Aa:aa=1:2:1で存在するうち、Aaの割合を問われているので2/4=1/2となります。
(3)
▽ウの選択肢
植物にも無性生殖が可能なものがあります。
無性生殖では、親と子で遺伝子が全く同じです。
そのためこの選択肢は誤りです。
▽オの選択肢
体細胞分裂では、染色体の複製は、核をおおう膜が消える直前に行われます。
そのため誤りです。
大問3の解説
(1)
恒星の明るさを表す値を等級といいます。
等級が小さいほど、その恒星は明るいです。
等級が大きいほど、その恒星は暗いです。
(2)
この問題のポイントは「写真の中央が天頂」という点です。
天球上で星は↓のように日周運動をしています。
このうち天頂付近を通る星だけに注目します。(↓の図)
この星の日周運動は、真東より北寄りから昇りはじめ、真西より南寄りに沈みます。
このようになっているのはイの選択肢のみです。
大問4の解説
(2)
前線Aは寒冷前線です。
寒冷前線は↓のように、寒気が暖気の下に潜り込んで進もうとします。
その結果、持ち上げられた暖気が上昇気流となり、雲が発生(積乱雲)。
積乱雲では、短時間に狭い範囲に激しい雨が降ります。
前線Bは温暖前線です。
温暖前線は↓のように、暖気が寒気の上をはい上がるように進みます。
その結果、はい上がった暖気が上昇気流となり、雲が発生(乱層雲)。
乱層雲では、長時間に広い範囲におだやかな雨が降ります。
(3)
気圧は、標高が高いところほど小さく、標高が低いところほど大きいです。
等圧線(1004hPa)よりも、実際の気圧が984hPaということは、海水面よりも高い位置に地点Xがあることになります。
大問5の解説
(1)
分子でないものは・・・
金属・金属をふくむ化合物・炭素そのもの・硫黄そのもの
の4つを覚えておきましょう。
(2)
【結果】からマグネシウムと酸素、酸化マグネシウムの比は次のようになるとわかります。
マグネシウム:酸素:酸化マグネシウム=3:2:5
(できれば覚えておきましょう)
求める「マグネシウムと化合する物質」(つまり酸素)をx(g)とします。
酸化マグネシウムが7.0gできていることから
2:5=x(g):7.0g (マグネシウム:酸化マグネシウム=・・・という比例式)
これを解いてx=2.8g
酸素は2.8gとなります。
(3)
マグネシウム2.1gが完全に酸化したときにできる酸化マグネシウムをy(g)とすると
3:5=2.1g:y(g)(マグネシウム:酸化マグネシウム=・・・という比例式)
これを解いてy=3.5g
酸化マグネシウムと酸化銅の混合物が5.5gとの条件から
酸化銅=5.5g-3.5g=2.0g
問題文から、銅と酸化銅の質量比は次にようになるとわかっています。
銅:酸化銅=4:5
酸化銅2.0gを得るための銅をz(g)とすると
4:5=z(g):2.0g(銅:酸化銅=・・・という比例式)
これを解いて
z=1.6g
よって最初に用意した混合物中の銅は1.6gとわかります。
大問6の解説
(1)
エタノールは火を近づけると燃える性質があります。
【結果】の試験管Aでは「長い間火がついた」とあるので、試験管Aにエタノールが最も多く含まれているとわかります。
反対に試験管Cでは「火はつかなかった」とあるので、試験管Cにエタノールはほとんど含まれていなかったとわかります。
(2)
この問いでは、海水を加熱し、塩化ナトリウムと水に分けようとしています。
ウの選択肢が正しい図です。
ウでは、海水を加熱して得られた水蒸気が冷水に冷やされて、Ⅱ図の容器の底(外側)に水滴として付きます。
その水滴がポトポトとⅣ図の小さなビーカーに集まります。
大問7の解説
(1)
振動数とは、1秒あたりの振動の回数のこと。
Ⅱ図では端から端までで2.5回の振動があります。
Ⅱ図の横軸の1目盛りが0.0005秒であるので、Ⅱ図の端から端までで
0.0005秒×10=0.005秒
の時間があります。
よってこの振動数をX(回/秒=Hz)とすると
0.005秒:2.5回=1秒:X(回)
これを解いてX=500
振動数は500Hzとわかります。
(2)
音の高さと弦の長さや太さ、張りの関係は↓のようになっています。
大問8の解説
(1)
0.2秒から0.3秒後の移動距離は
13.5cm-6.0cm=7.5cm
かかった時間は
0.3秒-0.2秒=0.1秒
よって平均の速さは
平均の速さ=7.5cm÷0.1秒=75cm/秒
となります。
(2)
0秒後~0.1秒後の球の移動距離は1.5cm
0.1秒後~0.2秒後の球の移動距離は6.0cm-1.5cm=4.5cm
0.2秒後~0.3秒後の球の移動距離は13.5cm-6.0cm=7.5cm
0.3秒後~0.4秒後の球の移動距離は24.0cm-13.5cm=10.5cm
・
・
・
という風に0.1秒ごとの移動距離を求めると↓のようになります。
この値から、0.4秒後には等速直線運動が行われていることがわかります。
よって0.9秒後には
球が静止した位置から 72.0+12.0=84.0cm
1.0秒後には
球が静止した位置から 84.0+12.0=96.0cm
1.1秒後には
球が静止した位置から 96.0+12.0=108.0cm
1.2秒後には
球が静止した位置から 108.0+12.0=120.0cm
したがって1.2秒後とわかります。
(3)
0.1秒後から0.3秒後までは、速さは一定の割合で大きくなっています。
このような運動のとき、物体の運動方向には一定の大きさの力がはたらき続けています。(選択肢 ア)
0.6秒後から0.8秒後までは、等速直線運動をしています。
このとき、物体の運動方向に力ははたらいていません。(選択肢 エ)
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