このページでは物体の運動における「時間と速さのグラフ」から移動距離を求める方法についてまとめています。
教科書の内容をこえた発展的な内容です。
1.時間と速さのグラフからわかること
速さが一定の運動をしている場合
台車が摩擦のないなめらかな面を動いているときを考えます。
時間と速さの関係は↓の図のようになります。
いま↓のようなグラフで表される運動を考えます。
このグラフの意味は
物体が常に10m/sで動いている
ということを意味します。
速さ10m/sで等速直線運動をしているということです。
この運動を3秒間行ったときの移動距離は
距離=速さ×時間=10m/s×3秒=30m
となります。
これは↓の図の長方形の面積(=縦×横)を意味します。
速さが一定の割合で変化している場合①
時間と速さの関係が↓のようになっている運動を考えます。
このグラフの意味は
・はじめの速さは0m/s
・時間に比例して速さが大きくなっていく
ということを意味します。
0秒後の速さは0m/s、2秒後の速さは10m/sですので、この速さの平均をとると5m/sとなります。
「平均をとる」は「大小の差がないように一定の値にする」ということです。(↓の図)
こうすると、2秒後までに移動した距離は
距離=平均の速さ×時間=5m/s×2秒=10m
となります。
これは↓の図の長方形の面積(=縦×横)を意味します。
一方で↓の図の三角形の面積にも等しいことになります。
速さが一定の割合で変化している場合②
時間と速さの関係が↓のようになっている運動を考えます。
このグラフの意味は
・はじめの速さは10m/s
・一定の割合で速さが大きくなっていく
ということを意味します。
0秒後の速さは10m/s、2秒後の速さは20m/sですので、この速さの平均をとると15m/sとなります。
「平均をとる」は「大小の差がないように一定の値にする」ということです。(↓の図)
こうすると、2秒後までに移動した距離は
距離=平均の速さ×時間=15m/s×2秒=30m
となります。
これは↓の図の長方形の面積(=縦×横)を意味します。
一方で↓の図の台形の面積にも等しいことになります。
以上より、「時間と速さの関係のグラフ」からは次のことが言えます。
「時間と速さの関係」を表すグラフでは・・・
グラフと横軸(x軸)の間にできる図形の面積=移動距離 となる。
2.例題で確認
例題
(答)
①
この場合の移動距離は↓の台形の面積に等しいので
移動距離=(4+10)×20÷2=140m
となります。
②
平均の速さ=距離÷時間なので
0~10秒後までの平均の速さ=140m÷10秒=14m/s
となります。
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