このページでは「有性生殖とは何か」「動物や植物の有性生殖のしくみ」について解説しています。
↓の動画で「有性生殖のしくみ」を簡単に説明しています。
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1.生殖とは
子孫(なかま)をふやすこと。※なかま=同じ種
有性生殖と無性生殖の2つに分けられる。
動物の場合、精子の核と卵の核が合体すること。
植物の場合、精細胞の核と卵細胞の核が合体すること。
2.有性生殖
なかまをふやすための細胞のこと。
動物の場合、精子と卵(らん) 。
植物の場合、精細胞と卵細胞。
※「精子と精細胞」「卵と卵細胞」をごっちゃにしない!
※生物をつくる細胞には生殖細胞以外に体細胞があります。
生殖細胞をつくるための細胞分裂。
(※体細胞をつくるための細胞分裂は体細胞分裂といいます。)
生殖細胞にある染色体の本数は、生物のもつ染色体の本数の半分。
(そのため“減数”と書きます)
例えばヒトのもつ細胞の染色体の本数は46本。
そしてヒトの生殖細胞(精子や卵)の染色体の本数は23本です。
(減数分裂によって生殖細胞1つ当たりの染色体数は1/2になる)
染色体の本数がn本の生物がいるとすると…
その生物の生殖細胞の染色体本数はn/2本ということです。
3.植物の有性生殖
被子植物のつくりは↓のようになっています。
〔中心〕←めしべ・おしべ・花弁・がく→〔外側〕
このうち、めしべの先端部分を柱頭、おしべの先端部分をやくといいます。(↓の図)
やくには花粉が入っています。
花粉が風や虫によって運ばれ、めしべの柱頭につきます。
これを受粉といいます。(↓の図)
受粉後、花粉からは花粉管と呼ばれる管がのびて、めしべの中を掘り進んでいきます。この花
粉管には精細胞が入っていて胚珠まで届けようとします。(↓の図)
胚珠の中には卵細胞があります。
胚珠まで送り届けられた精細胞は卵細胞と合体します。
このように精細胞の核と卵細胞の核が合体することを受精といいます。(↓の図)
精細胞の核と卵細胞の核が合体してできたものを受精卵といいます。
受精卵はこの後、細胞分裂を繰り返していきます。
そうしたのち
・受精卵→胚
・胚珠 →種子
・子房 →果実
へと変化していきます。(↓の図)
以上が植物の有性生殖です。
4.動物の有性生殖
カエルを例に動物の有性生殖を見てみましょう。
動物の生殖細胞は精子と卵です。
精子がつくられるのはオスのからだにある精巣。
卵がつくられるのはメスのからだにある卵巣です。
この精子の核と卵の核が合体(=受精)して受精卵ができます。(↓の図)
受精卵は1つの細胞でできていきます。
これが“体細胞”分裂を行います。(↓の図)
これにより細胞の数が2つになりました。(体細胞が2つ)
もう一度、“体細胞”分裂が起こります。(2回目の体細胞分裂)
先ほど細胞の数は2個でしたが、2個×2=4個(体細胞が4つ)となりますね。(↓の図)
3回目の“体細胞”分裂が起こります。
先ほど4個だった細胞は、4個×2=8個(体細胞が8個)となります。(↓の図)
このように体細胞分裂が起こることで細胞の数は増えます。
→【体細胞分裂の観察】←のページでは
「体細胞分裂によって細胞の数が増えて、それぞれ細胞が大きくなる」
と書きました。
ですが、ふつうの体細胞分裂と違って、受精卵の体細胞分裂は細胞が大きくなりません。
むしろ受精卵の大きさのまま体細胞分裂が進むため、1つあたりの細胞の大きさは小さくなっていきます。
これ以降も体細胞分裂を繰り返し、オタマジャクシのからだに近づいていくのです。(↓の図)
胚と発生
間違えやすい言葉なのでしっかりと違いを理解しましょう。
受精卵が体細胞分裂してオタマジャクシになり、成体になるまでの流れ・過程・プロセスのこと。
■胚
受精卵が体細胞分裂をしたもの。体細胞分裂をした受精卵のこと。(↓の図)
※無性生殖について詳しくは→【無性生殖】←を参考に。
・動物の生殖細胞・・・精子・卵
・植物の生殖細胞・・・精細胞・卵細胞
・生殖細胞(精子・卵・精細胞・卵細胞)の染色体本数は、体細胞の染色体本数の半分!!(超重要!!)
・植物の有性生殖によって「受精卵→胚」「胚珠→種子」「子房→果実」へと変化する。
・動物の有性生殖では、受精卵が体細胞分裂する。その際、細胞1個あたりの大きさは小さくなっていく。
・発生とは流れや過程のこと、胚とは体細胞分裂をした受精卵のこと。
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