中2・中3物理【放射線とその性質】

このページでは「放射線」「放射能」「放射線の持つ性質」について解説しています。

指導要領の改訂により、2020年以降に中2になった人は中2でこの単元を学習します。(今までは中3の内容でした)

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1.放射線

■放射線

高速の粒子の流れ。または一部の電磁波などをまとめて放射線という。

 

主な放射線

次の5種類について知っておこう。

① α(アルファ)線

ヘリウムの原子核の流れ。+の電気を帯びている。

 

② β(ベータ)線

電子の流れ。-の電気を帯びている。

 

③ 中性子線

中性子の流れ。電気を帯びていない。

 

④ γ(ガンマ)線

電磁波の一種。電気を帯びていない。

 

⑤ X線

電磁波の一種。電気を帯びていない。

 

※原子核や電子、中性子については→【原子と分子】←を参考に。

 

■放射性物質

放射線を出す物質。

 

■放射能

放射性物質が放射線を出すことができる能力のこと。

単位は【 Bq(ベクレル) 】。

(放射能の本来の意味は、正確には物体中で1秒あたりに原子核が壊変する数のこと。)

 

・放射線・・・放射性物質から出るもの

・放射能・・・どれだけ放射線を出せるかということ。

ごっちゃにならないようにしましょう。

 

放射性物質の原子核は不安定で、別の原子核に変わっていきます。

これを壊変(崩壊)といい、この際に放射線が出ます。

 

1秒あたりにどれだけ原子核が壊変する数を【Bq(ベクレル)】という単位で表し、放射能といいます。

 

放射性物質には

ウラン・・・・・・・地下に存在する

・放射性カリウム・・・動植物に存在する

ラドン・・・・・・・・空気中に存在する

などがあります。

 

これらは自然界に存在するので自然放射線といいます。

 

一方で人工の核燃料から出る場合もあります。

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2.放射線の性質と利用

■放射線の性質

・目には見えない。

・物質を通り抜ける。(透過性)

・物質を電離させイオン化する。そのため生物のDNAを損傷させてしまう。

自然放射線は、自然界での量は少ないので被害はありません。

しかし人口の核燃料や核廃棄物から出る放射線は量が多く、危険なので、取り扱いは厳重にしなければなりません。

 

■放射線の利用

・レントゲン検査やCT、PETといった検査。(透過性を利用)

・農作物の発芽の抑制や殺菌、品種改良。(物質をイオン化する性質を利用)

 

■放射線の人体への影響

人工の放射線であれ、自然放射線であれ、短期間に多量に受けてしまうと人間は死んでしまいます。

受けた放射線量の人体に対する影響を表す単位が【 Sv(シーベルト)】です。

 

■半減期

放射能は時間とともに減少します。

放射能が残っていた量の半分にまで減る時間を半減期といいます。

半減期は放射性物質により異なります。

 

見ての通り、放射能と時間は反比例します。

 

式で表すと

放射能×時間=一定

ということになります。

 

半減期の数字まで覚える必要はありません。

意味だけをしっかり押さえておきましょう。

 

POINT!!

・放射線とは、高速の粒子の流れ。

(例)電気を帯びているもの → α線・β線

(例)電気を帯びていないもの→ γ線・中性子線・X線

 

・放射能とは、放射性物質が放射線を出す能力のこと。単位は【 Bq(ベクレル)】。

 

・放射線は目に見えない。物質を通り抜ける。物質を電離させる。

 

・放射線が人体に与える影響を【 Sv(シーベルト)】という単位を用いて表す。

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