中3化学【*ダニエル電池の仕組み】

このページでは「ダニエル電池のしくみ」「ダニエル電池の各極で起こる反応」「素焼き板の役割」について解説しています。

ダニエル電池を理解するためにはボルタ電池などの電池のしくみをこちらで理解しておきましょう。

→【電池のしくみ】←

スポンサーリンク

1.ボルタ電池の問題点

ボルタ電池は↓のように亜鉛板・銅板・硫酸を用いて作られる電池です。

ボルタ電池では銅板から水素の気体が発生します。

(水素イオンが銅板から電子をもらう(↓の図))

 

反応が進むにつれて銅板に水素の泡がたくさん付着していきます。(↓の図)

 

これがボルタ電池の問題点です。

水素の泡が付着することで、水素イオンが電子を受け取ることができなくなります

その結果、電池の電圧(起電力)が低下し、使い物にならなくなります。

これを分極作用といいます。

 

■分極作用

極板に電気を通さない物質が付着することで、電気を通さなくなること。

 

POINT!!

ボルタ電池の問題点

銅板に水素の泡が付着することで、起電力が低下する。(分極作用)

 

スポンサーリンク

2.ダニエル電池

イギリスの学者であるジョン・フレデリック・ダニエルさんはボルタ電池の問題点を解決すべく改良を行いました。

ダニエルさんの発明した「ダニエル電池」はこの分極作用が起こらないように改良が加えられた電池です。

 

ダニエル電池の構造

ダニエル電池では、亜鉛板と銅板で気体が発生しない(分極作用が起こらない)ように改良がなされています。

用いる電極は亜鉛板銅板です。

電解質水溶液としては、硫酸亜鉛水溶液硫酸銅水溶液の2種類を、素焼きの板で仕切りながら使われています。(↓の図)

 

硫酸亜鉛と硫酸銅は次のように電離します。

ZnSO4 → Zn2+ + SO42-

CuSO4 → Cu2+ + SO42-

 

よって容器の左側には亜鉛イオンZn2+と硫酸イオンSO42-が存在します。

また容器の左側には銅イオンCu2+と硫酸イオンSO42-が存在します。(↓の図)

 

ダニエル電池のしくみ

①イオン化傾向

亜鉛と銅では、亜鉛の方がイオン化傾向が大きいです。

つまり

亜鉛・・・(陽)イオンになりたい

銅・・・・(陽)イオンになりたくない

というちがいが生じます。

 

②亜鉛板での変化

イオン化傾向の大きな亜鉛がイオンとなります。

 

具体的には

亜鉛原子Znが、電子を失って亜鉛イオンZn2+となる

という変化が起こります。(↓の図)

式で書くと Zn → Zn2+ + 2e

※eは電子のこと

見た目では、亜鉛板はどんどん溶けだし、質量が減少します。

 

③銅板での変化

亜鉛原子が手放した電子は、導線を通って銅板にたどり着きます。(↓の図)

放っておくと銅板にはどんどん電子がたまります。

この電子を受け取るのが、液中の銅イオンCu2+です。

(ボルタ電池では水素イオンが受け取りました)

 

銅はイオン化傾向が小さい金属です。

つまりイオンの姿はいやだ、原子にもどりたいということです。

 

具体的には

銅イオンCu2+が、電子を得て銅原子Cuとなる

という変化が起こります。(↓の図)

式で書くと Cu2+ + 2e → Cu

見た目では、銅が析出し、銅板の質量が増加します。

 

POINT!!

・亜鉛板では・・・

→ 亜鉛原子が、電子を失って亜鉛イオンとなる。

 

・銅板では・・・

→ 銅イオンが、電子を得て銅イオンとなる。

素焼きの板の役割

①左側(硫酸亜鉛水溶液)の濃度の変化

左側では、亜鉛イオンがどんどん生じます。

最初と比べて亜鉛イオンの濃度が高くなります

左側は、全体として+にかたよることになります。

(+の電気の方が多くなる)

 

②右側(硫酸銅水溶液)の濃度の変化

右側では、銅イオンがどんどんなくなります。(銅原子へと変化する)

最初と比べて銅イオンの濃度が低くなります

右側は、全体として-にかたよることになります。

(-の電気の方が多くなる)

 

③素焼きの板による調整

電子は-の電気を持つので、+と引き合い、-としりぞけ合います。

そのため電子が左側から右側に移動がしづらくなり、徐々に電池の電圧(起電力)が低下します。

 

素焼きの板はこれを防ぐための役割を持ちます。

素焼きの板にはイオンが通過できるほどの小さな穴が開いています。

 

左側は+にかたよっているので、右側から硫酸イオンSO42-が移動してきます。

右側は-にかたよっているため、左側から亜鉛イオンZn2+が移動してきます。(↓の図)

こうなることで左右ともに電気的に中性の状態に保たれます。

つまり起電力の低下を防ぐことができます。

POINT!!

素焼きの板は左右の液を電気的に中性に保っている。

 

反応が進むと・・・

亜鉛イオンが銅板側へ(硫酸銅水溶液の方へ)。

硫酸イオンが亜鉛板側へ(硫酸亜鉛水溶液の方へ)。

 

ダニエル電池の注意点

①硫酸亜鉛水溶液の濃度は低くしておく。

反応が進むと亜鉛イオンが液中に溶けだします。

できるだけ亜鉛イオンの居場所をつくるために、硫酸亜鉛水溶液の濃度を低くしておきます

(亜鉛イオンを溶けだしやすくする)

そうすると電池が長持ちします。

 

②硫酸銅水溶液の濃度は高くしておく。

反応が進むと液中の銅イオンが減少していきます。(銅原子に変わる)

はじめの銅イオンが少ないと、すぐ反応が終わってしまいます。

そのため銅イオンがたくさんある状態にするために、硫酸銅水溶液の濃度を高くしておきます

(銅原子を析出しやすくする)

そうすると電池が長持ちします。

コメント

サイト管理者

ScienceTeacher
小中高生に数・理を教えている関西の現役塾講師です。
中学理科を誰よりもわかりやすく解説します。
こちらのオンラインショップにて教材も販売中です
1つ300円以下で販売しております。

タイトルとURLをコピーしました