このページでは2021年度(令和2年)の神奈川県立入試共通選抜の問題を解説しています。(理科のみ)
問題・模範解答はこちら↓↓
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/nyusen/gakuryokukensa/mondai.html
問1の解説
(ア)
図中の光るすじを陰極線といいます。
陰極線の正体は電子です。
電子はマイナスの電気を帯びており、-極から出て+極に入ります。
(イ)
回路全体の抵抗の大きさを比べると
C<A<B
となっています。
そのため同じ電圧を加えたときの回路全体に流れる電流の大きさの関係は
C>A>B
です。
電力は「電力(W)=電圧(V)×電流(A)」で求められます。
回路全体に加わる電圧が同じであれば、電力の大小は電流で決まるので
c>a>b
と電力の大小関係も決まります。
(ウ)
物体~レンズまでの距離=レンズ~実像までの距離
となるのは、物体~レンズまでの距離=焦点距離×2のときです。
(レンズ~実像までの距離=焦点距離×2 でもある)
この問いでは
物体~レンズまでの距離=レンズ~実像までの距離=20cm
であるので
焦点距離×2=20cm
です。
つまり焦点距離=10cmです。
問2の解説
(ア)
液体のエタノールに熱を与えると、気体へと変化します。
一般に固体・液体・気体と状態変化が起こるとき、
・粒子の数・・・・・・変わらない(だから質量も変わらない)
・粒子の運動・・・・・固体:おだやか⇔気体:はげしい
・粒子同士の間隔・・・固体:小さい ⇔気体:大きい
(だから固体の体積は小さく、気体の体積は大きい)
という変化があります。
※ただし水は異なる変化をするので注意。こちらを参考に→【状態変化】←
(イ)
酸化銀の分解の化学反応式は
2Ag2O → 4Ag + O2
左辺・右辺ともに銀原子が4個、酸素原子が2個という式です。
(ウ)
電圧計の針が右にふれた、がヒントです。
電圧計の針が右にふれる=電圧が正の値を示した、ということなので↓のように電流は流れていることになります。
電子はそれとは反対向きに流れています。
金属板②が持つ電子が放出されて、電子オルゴールや電圧計を通り金属板①へ、という流れです。
このことから金属板②は電子を放出してイオンになったと考えられます。(イオン化傾向が①より大きい)
一方で金属板①にやってきた電子は、液中の水素イオンが受け取ったと考えられます。
※→【電池の仕組み】←を参考に。
問3の解説
(ア)
Bの文章のみ誤っています。
プレパラートと対物レンズを近づけるときは、横からのぞきながら行います。
(接眼レンズをのぞきながら行うと、対物レンズがプレパラートにぶつかり、プレパラートが割れるおそれがある)
(イ)
▼1の選択肢
aはやくなので花粉をつくる。dは胞子のうなので花粉はつくらない。誤り。
▼2の選択肢
cは根なので水分を吸収する。gは仮根と呼ばれ、水分を吸収することはできない。誤り。
仮根はからだを地面や岩に固定するはたらきがある。
※コケ植物はからだの表面から水分を吸収する。
▼4の選択肢
dとfはどちらも胞子のう。胞子をつくるところ。誤り。
問4の解説
(ア)
▼1の選択肢
マグニチュードが1大きくなると、エネルギーは32倍になる。誤り。
▼2の選択肢
震度は0から7まである。全部で10段階。誤り。
▼3の選択肢
初期微動を伝える波も主要動を伝える波も、地震発生と同時に震源を出発する。誤り。
(イ)
火山岩は斑状組織。深成岩は等粒状組織。(↓の図)
(ウ)
日本ではどの季節でも太陽の日周運動は東→南→西。
よって影は、それとは反対の西→北→東と移り変わります。
しかし夏至の日は・・・
・日の出が真東より北寄り。
・日の入りが真西より北寄り。
そのため、
・日の出のころの影は真西より南寄り。
・日の入りのころの影は真東より南寄り。
となります。
問5の解説
(イ)X
④のテープは打点数が5。
5打点するのに0.1秒かかるため、その平均の速さは
9.0cm÷0.1秒=90cm/s
(イ)Y
①のテープ・・・3cm
②のテープ・・・5cm
③のテープ・・・7cm
④のテープ・・・9cm
⑤のテープ・・・11cm
⑥のテープ・・・約12.9cm
⑦のテープ・・・約13.1cm
これらの和は61cm。つまり⑦のテープの終わりまでの移動距離が61cm。
⑦のテープの終わりまでは0.7秒。
よって平均の速さは
61cm÷0.7秒=87.14・・・
およそ87cm/秒です。これはXの方が速いということになります。
(エ)
等速直線運動は速さが一定の運動です。
速さが変化しないための条件は、運動方向にはたらく力がない(合力が0Nともいえる)ことです。
力が加わると速さは変化してしまいます。
反対に力が加わらなければ速さは変化しません。
この問いの場合でも、3力がつりあっている=合力が0Nであるので速さは一定であると考えられます。
問6の解説
(ア)
グラフより30℃の水100gには
ショ糖・・・・・・・約212g溶ける
硝酸カリウム・・・・約45g溶ける
塩化ナトリウム・・・約35g溶ける
ホウ酸・・・・・・・約5g溶ける
ことがわかります。
実験1では物質A~Dを20gずつ溶かしていますが、ホウ酸だけ溶け残るはずです。
よってAがホウ酸とわかります。
実験2では実験1と合わせてB~Dを60gずつ溶かしています。
しかし硝酸カリウムと塩化ナトリウムは溶け残るはずです。
一方ショ糖であればすべて溶けるはず。
よってDはショ糖とわかります。
(ウ)
①は塩化ナトリウムの飽和水溶液です。
②も塩化ナトリウムの飽和水溶液です。(①より水は減ったが)
飽和水溶液の濃度は、温度が同じであれば一定です。水の量にはよりません。
よって①も②も濃度は同じです。
(エ)
はじめ30℃の水100gに硝酸カリウム30gを溶かしています。
その濃度は
30g÷130g×100=23.07・・・
となり、約23.1%とわかります。
その後、水溶液を10℃まで冷やしています。
グラフより10℃の水100gには硝酸カリウムが約22gまで溶けることがわかります。
よって冷やした後の濃度は
22g÷122g×100=18.03・・・
となり、約18%とわかります。
よって(あ)の選択肢としては3、(い)の選択肢としては2があてはまります。
問7の解説
(ア)
アサガオは双子葉類であるため、根はひげ根ではなく、主根と側根です。
(イ)
この問いでは卵細胞の染色体本数をきかれています。
卵細胞や精細胞といった生殖細胞は減数分裂によってつくられます。
このとき本来の半分の染色体が生殖細胞に入ります。(この場合15本)
(エ)ⅰ
顕性(優性)を示す遺伝子をA、潜性(劣性)を示す遺伝子をaとします。
株Zに注目します。
株Zから採取した種子は 並葉:丸葉=3:1 であるので
これらの種子はAaの自家受粉(AaとAaのかけ合わせ)でできたと考えられます。
つまりZはAaの遺伝子を持ちます。
そして並葉が顕性(優性)ということもわかります。
よって株W、株Yは丸葉であるためaa。
株Xは並葉であるのでAAまたはAaです。
しかし自家受粉の結果、できた種子は「すべての株で、並葉になった」とあるので、株XはAAです。
(エ)ⅱ
▼1の選択肢
W(aa)とX(AA)のかけ合わせ・・・子はすべてAa(並葉)なので誤り。
▼2の選択肢
W(aa)とY(aa)のかけ合わせ・・・子はすべてaa(丸葉)なので誤り。
▼3の選択肢
X(AA)とZ(Aa)のかけ合わせ・・・子はAA:Aa:aa=2:2:0(=1:1:0)ですべて並葉なので誤り。
▼4の選択肢
Y(aa)とZ(Aa)のかけ合わせ・・・子はAA:Aa:aa=0:2:2(=0:1:1)で並:丸=1:1なので正解。
問8の解説
(エ)
「川霧が朝8時に消えて、そのときの気温が3.1℃だった」とあります。
この文とグラフから、朝8時の水蒸気量は6.0gであったとわかります。
「昼の12時には気温が9.3℃まで上がり、そのときの湿度は50%であった」とあります。
この文とグラフから、昼12時の飽和水蒸気量は9.0g。
湿度が50%であったとあるので水蒸気量は
9.0g×50/100=4.5g
よってa:b=6.0:4.5=4:3となります。
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