このページでは2021年度(令和3年)の京都府立入試中期選抜の問題を解説しています。(理科のみ)
問題・模範解答はこちら↓↓
https://resemom.jp/pages/public-highschool-exam/26kyoto/2021/science/c-question01.html
大問1の解説
(1)
問題中の「ノート」より植物Aは単子葉類、Bは双子葉類とわかります。
単子葉類と双子葉類の特徴は次の通り。
よって植物Aはエ、植物Bはアとわかります。
(2)
花弁が互いにくっついている植物を合弁花類と言います。
合弁花類にはタンポポ・アサガオ・ツツジなどがあります。
(3)
種子植物のうち、種子になる部分を胚珠と言います。
胚珠が種子になるまでは
花粉がめしべの柱頭につく(受粉)
↓
花粉から花粉管が伸びることで、花粉の中の精細胞を胚珠まで運ぶ
↓
運ばれた精細胞の核と胚珠の中の卵細胞の核が合体する(受精)
↓
受精卵が細胞分裂を繰り返し、胚になる
という流れです。
大問2の解説
(1)
ほ乳類のような子のうみ方を胎生(たいせい)と言います。
一方で魚類や両生類・爬虫類・鳥類の子のうみ方を卵生といいます。
相同器官とは、「見かけやはたらきは違うが基本的な構造が同じである器官」です。
↓のようなクジラのひれ・コウモリのはね・ヒトのうでは互いに相同器官にあたります。
※色の同じ部分が、共通な構造にあたります。
(2)
シソチョウはは虫類と鳥類の特徴を持つ生物です。
・は虫類の特徴として「つめや歯がある」
・鳥類の特徴として「羽毛におおわれている」
このような特徴を持ちます。
大問3の解説
(1)
海と陸ではあたたまりやすさや冷めやすさに違いがあります。
海・・・あたたまりにくい、冷めにくい
陸・・・あたたまりやすい、冷めやすい
晴れた日の昼間は
・陸→温度が高い
・海→温度が低い
です。
そのため陸上の空気が温められ、上昇気流が生じます。
このことにより陸上の方が、気圧が低くなります。(海上の方が、気圧が高い)
気圧の差が生まれると風が吹きます。気圧の高い方から低い方へ風が吹きます。(↓の図)
晴れた昼間と同様の現象の影響が、夏の気圧配置にも見られます。
大陸側は気圧が低く、太平洋側(小笠原気団)は気圧が高くなります。
小笠原気団が勢力を持った夏の気圧配置を南高北低と言います。
(2)
季節の天気図の見分け方は次の通り。
日本列島を横切るような停滞前線があれば、梅雨の天気図と言えます。
この問いではアが梅雨となります。
冬の天気図では、日本の北側で等圧線が縦に伸びているのが特徴です。
この問いではイが冬となります。
夏の天気図では、小笠原気団のあたりに高気圧があり、そのまわりの等圧線の間隔が広くなっている、という特徴があります。
この問いではウが夏と言えます。
ここまでの残りはエです。これが春とわかります。
※春と秋を見分ける問題は出題されません。
大問4の解説
(1)
月の公転周期(360°公転するのにかかる時間)は約1か月です。
約30日で360°動きます。
1日あたりでは約12°です。
同じ時刻に見ると、西から東へと位置を変えています。(↓の図)
月の満ち欠けは
新月→三日月→上弦の月→・・・→満月と右側が満ちていきます。
その後、右側が欠けて新月へと戻ります。(参考→【月の満ち欠け】←)
(2)
月は太陽の光に照らされているので、光って見えます。
しかし太陽の光がさえぎられると月に光が当たらなくなります。
この現象が月食です。
↓のような位置関係のときに起こります。
月が地球の影に入ってしまったようなときに月食は見られるわけです。
大問5の解説
(1)
アンモニアの化学式はNH3です。
N原子が1つ、H原子が3つでできています。
よってイのモデルはアンモニアを表していることになります。
水の化学式はH2O。
H原子が2つ、O原子が1つです。
H原子を2つふくんでいるのはエ、これが水分子を表しています。
この実験で発生するのは二酸化炭素。
化学式はCO2です。
C原子が1つ、O原子が2つ。
O原子を2つふくんでいる選択肢はオ。
よってオが正解となります。
(2)
【結果】の表を見てみましょう。
石灰石の質量が1.0gのとき、操作②での全体の質量が171.4g、操作③での全体の質量が171.0gです。
質量が171.4-171.0=0.4g減少しています。
この減少分は、ビーカーから出ていった(逃げていった)二酸化炭素にあたります。
表のほかの値でも②と③の差を見て、二酸化炭素を求めていきます。(↓の図)
あとはこれをグラフに取るだけです。
(3)
(2)で書いたグラフから、次のような比で反応が起こることがわかります。
石灰石:塩酸:二酸化炭素=3.0g:50cm3:0.12g
操作④で石灰石の質量が5.0gのとき
5.0g-3.0g=2.0g
の石灰石は反応せずに余っていることになります。
この余った石灰石2.0gにうすい塩酸50cm3を加えるたときに発生する二酸化炭素をx(g)とすると
3.0g:1.2g=2.0g:x(g) ※「石灰石:二酸化炭素」という比例式
これを解いてx=0.8g
二酸化炭素は0.8g発生することになります。
大問6の解説
(2)
表から70℃の水100gにXは138g溶けます。
このとき飽和水溶液が 100g+138g=238g あることになります。
言い換えると70℃の飽和水溶液238gにはXが138g溶けています。
問題文中の「ノート」には、「70℃の飽和水溶液が119gだった」と書かれています。
この119g中のXの量をx(g)とすると
238g:138g=119g:x(g) ※「飽和水溶液の質量:Xの質量」という比例式
これを解いてx=69gとなります。
水は 119g-69g=50g です。
この水溶液をA℃まで下げるとXの固体が53g出てきました。
つまりA℃で溶けているXの量は 69g-53g=16g です。
したがって水50gにXが16g溶けている飽和水溶液だということになります。
「水50gにXが16gまで溶ける」ということは「水100gならばXは16×2=32g溶ける」ということです。
その温度は表から20℃。A=20とわかります。
また「水50gにXが16gまで溶けている」という水溶液の濃度は
16g÷(50g+16g)×100=24.24・・・≒24%
となります。
大問7の解説
(1)
この実験では
ペットボトルに水蒸気が入っている
↓
操作Ⅱで冷たい水をかけることで水蒸気(気体)が水滴(液体)になる
↓
ペットボトル内の気圧が大気圧より小さくなる
という流れで、ペットボトルがつぶれることになります。
(2)
ウのみが正しい選択肢です。
炭酸水素ナトリウムを加熱することで二酸化炭素が発生します。
この二酸化炭素が原因でふくらみます。
ボールが落下するのは重力が原因です。
水中でペットボトルが浮き上がるのは浮力が原因です。
(3)
圧力は次のように求められます。
圧力(N/m2)=力(N)÷面積(m2)
これを変形すると
力(N)=圧力(N/m2)×面積(m2)
100000Pa=100000N/m2、30cm2=0.003m2であるので
力(N)=100000N/m2×0.003m2=300N
となります。
大問8の解説
(1)
表より、20gのおもりをつるすとばねは2cmのびることがわかります。
また何もつるしていないときの長さは 12.0cm-2cm=10cm ということもわかります。
ⅱ図ではばねの長さが21.0cmです。
このときのばねののびは 21.0cm-10cm=11.0cm です。
ⅱ図のおもりの質量をx(g)とすると
20g:2cm=x(g):11.0cm ※「おもりの質量:のび」という比例式
これを解いて x=220g となります。
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