中2物理【熱量】

このページの単元を理解するには
→【オームの法則】←
→【電力】←
の単元をできるようにしておきましょう。

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1.熱量

■熱量
熱エネルギーの量のこと。単位は[J(ジュール)]を用います。
※エネルギーの単位はすべて[J]です!

電熱線とは、電流を流すと熱が発生する電気器具です。
ここでは電熱線から発生した熱量を考えます。

■熱量の求め方

$$電熱線から出る熱量(J)=電力(W)×時間(秒)$$

電力は「1秒あたりにどれだけのエネルギーを出すことができるか」という意味です。
だから電熱線の使用時間を掛け算すれば熱量を求めることができます。
「秒数」をかけ算する、ということに注意!
「分」ではありません。

■水を温める
容器に水と電熱線を入れて水を温めるというお話がたくさん出てきます。

水の温度は電熱線から発生した熱によって上がります。

電熱線から発生した熱がすべて水の温度上昇に使われるとき、水の上昇温度は熱量に比例します。
(ちなみに水の量には反比例します。)

例題

次の図1ような回路で10分間電流を流し水をあたためた
このとき水の温度が2℃上がった。

図1

このとき次の図2の回路では、水の温度は何℃上がるか?
ただし電流を流す時間や水の量は図1と同じとする。

図2


(答)
図1の回路の場合、電熱線から出る熱量は
$$電流(A)=\frac{電圧(V)}{抵抗(Ω)}=\frac{10V}{5Ω}=2A (オームの法則)$$
$$電力(W)=電流(A)×電圧(V)=2A×10V=20W$$
$$電熱線から出る熱量(J)=電力(W)×時間(秒)=20W×600秒=12000J$$

よって12000Jです。

図2の回路の場合、電熱線から出る熱量は
$$電流(A)=\frac{電圧(V)}{抵抗(Ω)}=\frac{50V}{5Ω}=10A (オームの法則)$$
$$電力(W)=電流(A)×電圧(V)=10A×50V=500W$$
$$電熱線から出る熱量(J)=電力(W)×時間(秒)=500W×600秒=300000J$$

よって300000Jです。

図2の電熱線から出る熱量は図1と比べると
$$300000J÷12000J=25倍$$
ということになります。

よって図2での水の上昇温度は図1の25倍となるはずです。

図1の水の上昇温度は2℃であるため
$$図2の水の上昇温度=2℃×25=50℃$$
ということになります。


※ちなみに今の例題では「水の量」「電流を流した時間」がともに同じです。
ということは図1と図2の電熱線から出る熱量のちがいは「電力」が原因ということになります。

もっと言うと、図1と図2の水の上昇温度にちがいがあるのは、電力にちがいがあるからということです。
だから

図2の電力500W÷図1の電力20W=25倍

と電力のちがいを求めて、

図2の上昇温度=2℃×25=50℃


と考えればよいわけです。


※さらに言うと・・・

電力の単元のページで説明していますが・・・
図1から図2で電圧が5倍になった

↓↓↓

つまり電力は25倍

↓↓↓

上昇温度も25倍!

と考えられるようになれば最高です。


2.ジュールの法則

■水の性質
水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量を1cal(カロリー)という。

[cal]とは熱量のもう一つの単位です。
そして1cal=約4.2Jです。
(1J=0.24calでもあります。下の注意参照。)

つまり水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量は約4.2Jとも言えます。

※注意!
むかしは1J=0.24calとして計算させる問題ばかりでした。
現在は1cal=4.2Jで計算させる問題が多いです。

しかし実はどちらも正確な値ではなく、誤差を含みます
1J=0.24cal、1cal=4.2Jのどちらを使うのかは学校の先生の指示や問題文の条件をよく見ましょう。


※多くの入試問題の場合、次のような注意書きがあります。

”水1gの温度を1℃上昇させるのに4.2Jの熱が必要であるとする”


■水の性質から考えた熱量

$$水に入った熱量[cal]=水の量[g]×上昇温度[℃]$$

例えば水300gの温度を4℃上昇するのに必要な熱量は

$$300g×4℃=1200cal$$

となりますね。

ここで問題に「1cal=4.2J」と書いてあれば

$$1200cal=1200×4.2J=5040J$$

と単位を[cal]から[J]に変換することもできます。

3.比熱

水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量は1calでした。
物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量を比熱と言います。
物質によって比熱は異なります。
水の場合は1calというわけです。

・比熱が大きい物質ほどあたたまりにくい物質
・比熱が小さい物質ほどあたたまりやすい物質
と言えます。

4.熱の出入りに関する問題

次のような回路で容器内の水を温めることを考えます。
さて水の温度は何℃上がるか考えてみましょう。
ただし電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われる、とします。
また1cal=4.2Jとします。

例題

次のような回路で容器内の水を温める。

70秒間電流を流したときの水の上昇温度は何℃か。
ただし電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われるとし、1cal=4.2Jとする。


(答)

まず電熱線から出る熱量を求めます。

オームの法則より
$$電流(A)=\frac{電圧(V)}{抵抗(Ω)}=\frac{30V}{15Ω}=2A $$
となります。

電力と熱量の公式を使うと
$$電力(W)=電流(A)×電圧(V)=30V×2A=60W$$
$$電熱線から出た熱量(J)=電力(W)×時間(秒)=60W×70秒=4200J…①$$
となりますね。

次に水の温度が「x℃上昇する」として水に入った熱量を求めましょう。

$$水に入った熱量(cal)=水の量(g)×上昇温度(℃)=200g× x℃=200x(cal)$$

1cal=4.2Jとしているので
$$200x(cal)×4.2=840x(J)…②$$
となります。

ここで「電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われる」ので①と②は等しいことになります。

①=②という式をつくります。

$$4200(J)=840x(J)$$

これを解いて
x=5

つまり
水温が5℃上昇することになります。
これが答えです。

熱は電熱線から出て水へと入ります。

ですから

電熱線から出る熱量=水に入る熱量

で立式します。

公式をあてはめると

電力(W)×時間(秒)=4.2×水の量(g)×上昇温度(℃)

となります。

このような立式をすることで問題を解きます。


ここで非常に大切な注意点です。

先ほどの例題では「電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われる」としました。

しかし現実世界ではこんなにうまくいきません。
「電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われる」ことはないからです。

電熱線から発生した熱量の一部は空気中へ逃げたり、容器の温度上昇に使われたりしますから。

ですので問題によっては
「電熱線から発生した熱量のうち30%が水の温度上昇に使われる」
なんて文言があることもあります。

もし先ほどの例題で、この文言があれば
$$4200J×\frac{30}{100}=1260J$$
が水に入る熱量ということになります。

答が全然違ってしまいます。

「電熱線から発生した熱のすべてが水の温度上昇に使われる」のか
「電熱線から発生した熱の一部が水の温度上昇に使われる」のか

これは大きな違いです。
実際に問題を解くときはこの文言に要注意です。

5.電力量

■電力量
電力に時間をかけたものです。
時間を[秒]の単位でかけ算するか、[時間]の単位でかけ算するかでその単位が違います。

$$電力量[Wh(ワット時)]=電力[W]×時間[時間]$$

$$電力量[J]=電力[W]×時間[秒]$$

ここは公式を覚えるだけでOK。

電力量と熱量にほとんど違いはありません。
問題で「何Jですか」という問いか、「何Whですか」という問いか、どの単位を問われているのかチェックしましょう。

■このページのポイント

・「J=W×秒」「cal=(比熱)×g×℃」を覚えておく。
・「電熱線から発生した熱はすべて水の温度上昇に使われる」かどうかを問題文でチェックする。
・公立入試レベルでは「水温上昇」は「電力」で考えてしまおう。

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