中3物理【道具を使った仕事①】

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1.仕事の原理

仕事
※できれば→【仕事の基本】←も参考に。
物体に力を加えて、力の向きに物体を動かすこと。
そして物体の持つエネルギーを変化させること。

求め方は・・・

仕事(J)=力(N)×力の向きに動いた距離(m)
仕事(J)=エネルギーの変化量

仕事の原理
道具を使っても使わなくても仕事の量は変わらないこと。

2.斜面を使った仕事

例題1

下の図のように斜面上に2kgの物体を置き、糸で斜面方向に8m引き上げた。
このとき物体の高さは4m高くなった。
この物体を何Nの力で引き上げたか。
ただし摩擦や空気抵抗は考えない。


()
仕事の求め方は2通りです。
仕事(J)=力(N)×力の向きに動いた距離(m)・・・①
仕事(J)=エネルギーの変化量・・・②

引く力をx(N)とします。
①より
x(N)×8m=8x(J)

位置エネルギーが増加しているので
②より
20N×4m=80J

①と②はどちらも仕事を求めているため等しいです。
8x(J)=80(J)
x=10N

よって10Nが正解です。

例題2

下の図のように斜面上に質量のわからない物体を置き、
糸を使って10Nの力で斜面方向に6m引き上げた。
このとき物体の高さは2m高くなった。
この物体の質量は何kgか。
ただし摩擦や空気抵抗は考えない。


(答)
仕事の求め方は前述の通り2通りです。
仕事(J)=力(N)×力の向きに動いた距離(m)・・・①
仕事(J)=エネルギーの変化量・・・②

①より
10N×6m=60J

物体の重さをx(N)とすると
②より
x(N)×2m=2x(J)

①と②は等しいので
60J=2x(J)
x=30N

よって3kgが正解です。


斜面の問題のポイントは
仕事(J)=力(N)×力の向きに動いた距離(m)・・・①
仕事(J)=エネルギーの変化量・・・②
この2式で2通りに仕事を表すということです。
※力の分解から考えることもできます。

3.滑車を使った仕事

■定滑車
天井や壁・床などに固定されて動かない滑車。

■動滑車
天井や壁・床などに固定されておらず動くことのできる滑車。

下の図の道具(茶色の)が定滑車です。
これは天井に固定されていますね。
これに糸を引っかけて手などでその糸を引きます。

下の図は動滑車です。
糸をだらんと垂らしておいてそこに滑車をのせます。
これで糸を手で引くと動滑車が荷物ごと持ちあがりますね。
このように動きながら荷物を運ぶので「動滑車」といいます。

例題3

下の図のように2kgの物体を定滑車につるした。
糸の一端を手で引き、物体を3m持ち上げたい。
ただし摩擦や空気抵抗は考えない。

(1)糸を何Nの力で引けばよいか。
(2)糸を何m引けばよいか。
(3)手がした仕事は何Jか。


()
2kgの物体にはたらく重力は20Nです。
つまり20Nの力で引き上げることになります。

また糸を何m引くかは
物体を引き上げる長さに等しいですよね。
よって3m引くわけです。

そして手がした仕事は
手が加えた力=20N
手が引いた長さ=3m
なので
20N×3m=60J

よって(1)20N (2)3m (3)60Jが正解です。

例題4

下の図のように2kgの物体を動滑車につるした。
糸の一端を手で引き、物体を3m持ち上げたい。
ただし滑車の質量、摩擦や空気抵抗は考えない。

(1)糸を何Nの力で引けばよいか。
(2)糸を何m引けばよいか。
(3)手がした仕事は何Jか。


()
(1)
物体には20Nの重力がはたらいていますね。
これを天井と手の2か所で支えています。

つまり天井に10N、手に10Nの力がはたらいています。
よって10Nが正解です。

(2)
物体を3m持ち上げるわけですが
同時に動滑車も3m持ちあがりますね。

このとき糸を何m引けばよいか、です。
動滑車が3m持ちあがるということは
下図の赤色の部分だけ糸を引かなければなりません。

つまり3m×2=6mだけ糸を引かなければなりません。
よって6mが正解です。

(3)
手が糸に加えた力は(1)より10N
手が糸を引いた長さは(2)より6m

ここから仕事=10N×6m=60J

よって仕事は60Jが正解です。


定滑車よりも動滑車の方に注目しましょう。
動滑車は
手が引く力は1/2倍
手が引く長さは2倍

となることを押さえておきましょう。

また動滑車に重さがある場合も要注意です。
もし例題4で動滑車に10Nの重さがあったとしましょう。
糸と天井で10N+20N=30Nを支えます。
よって
・手が糸に加える力は15N
・手が引く長さは変わらず6m
・手がした仕事は15N×6m=90J
となり、動滑車の重さの分だけ手がする仕事は増えることになります。

4.仕事率

■仕事率
仕事の能率・効率を表す値。
「1秒あたりにどれだけ仕事をしたか」という値。

次のように求める。

仕事率(W)=仕事(J)÷時間(秒)

仕事(J)=仕事率(W)×時間(秒)

※(W)=(J/s)とも表すことができます。
※あれ?ワットって電力の単位じゃないの?って思った人。
電力と仕事率の単位はどちらも(W)を用います。
電力は「電気器具の能力」ですが、別の言い方をすると、電流が1秒あたりにどれだけ仕事をすることができるかとも言えます。
つまり電流のする仕事の仕事率ということです。

このページのポイント

・仕事(J)=力(N)×力の向きに動いた距離(m)
※「力の向き」と「物体の動いた向き」が一致していなければこのかけ算はできない。
・斜面を使った仕事では
「仕事(J)=力(N)×力の向きに動いた距離(m)」
「仕事(J)=エネルギーの変化量」
の2通りで仕事を求める。
・動滑車は「手が引く力は1/2倍・手が引く長さは2倍」となる。

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コメント

  1. 中3物理【道具を使った仕事①】

    この2Kgは20Nとなっていますがこの

    引く力をx(N)とします。
    ①より
    x(N)×8m=8x(J)・・・・・はN=1ではないですか?

    位置エネルギーが増加しているので
    ②より
    20N×4m=80J・・・・・・ここがいきなり80J
    この部分解説お願いします。

    ①と②はどちらも仕事を求めているため等しいです。
    8x(J)=80(J)
    x=10N

    • science teacher より:

      ヤマキマサヒロ様

      コメントありがとうございます。

       

      仕事の量は次の2つの求め方ができます。

       

      仕事(J)=力(N)×力の向きに動いた距離(m)
      または
      仕事(J)=その物体のもつエネルギーがどれだけ変化したか

       

      この問題では、斜面を使って2kgの物体を4mの高さまで持ち上げています。
      はじめより高い位置に動いたため、「位置エネルギー」が増加したと考えられます。

       

      位置エネルギーの求め方は「位置エネルギー(J)=重さ(N)×高さ(m)」です。

       

      この問題で、
      重さは20N(1kgの物体にはたらく重力は10Nなので、2kgならば20N)
      高さは4m
      です。
      そのため増加した位置エネルギーは
      20N×4m=80J
      となります。

       

      そのため
      仕事(J)=その物体のもつエネルギーがどれだけ変化したか
      なので、物体にした仕事は80Jとなるのです。・・・(ア)

       

      一方で、この物体を糸をつけて引っ張っていますが、この引っ張る力が何Nなのかはわかっていません。
      ここでその力をx(N)とします。
      糸をx(N)で、その方向に8m引っ張っています。

       

      仕事(J)=力(N)×力の向きに動いた距離(m)
      の式を使って仕事を求めると
      仕事=x(N)×8(m)=8x(J)・・・(イ)
      となります。

       

      (ア)(イ)はどちらも同じ仕事を考えています。
      そのため
      8x(J)=80(J)
      x=10N
      となるということです。

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