1.日周運動と年周運動の違い
→【星の日周運動】← / →【星の年周運動】← も参考に。
■日周運動
星が1時間で15度ずつ動くように見える見かけの動き。
地球の自転が原因。
■年周運動
星が1ヶ月で30度ずつ(1日に1度)動くように見える見かけの動き。
地球の公転が原因。
■日周運動・年周運動の向き
日周・年周運動のどちらも↓のような動き。
北の空・・・北極星を中心に反時計回り。
南の空・・・東から出て南の空出たくなり西の空に入る時計回り。
地球は自転と公転を同時に行っています。
よって日周運動と年周運動も同時に起こります。
1日経つと星は日周運動によって360度動き、年周運動によって1度動きます。
つまり1日あたりの星の見かけの動きは「361度」ということになるのです。
2.日周運動と年周運動を考える例題
例題1
7月20日の19:00に北の空を観測した。
このとき北極星のちょうど真上に恒星Xが観測できた。
次の日時における恒星Xの位置をア~サから選びなさい。
(1)7月20日の23:00
(2)4月20日の19:00
(3)9月20日の13:00
(4)12月20日の21:00
(答)
問題で与えられているのが「7月20日19:00」の位置です。
これを基準の「時刻・日付」として
「時刻の変化がどれだけか」=日周運動を考える
「日付の変化がどれだけか」=年周運動を考える
ようにします。
(1)
「7月20日19:00」と比べると「時刻が23:00」となっただけです。
「時刻の変化」のみなので日周運動のみを考えます。
よってイが正解となります。
(2)
「7月20日19:00」と比べると「日付が4月20日」となっただけです。
「日付の変化」のみなので年周運動を考えます。
よってケが正解となります。
(3)
「7月20日19:00」と比べると
「時刻が13:00」・「日付が9月20日」と
「時刻の変化」「日付の変化」の両方です。
日周運動と年周運動の両方を考えなければなりません。
ここでは日周運動→年周運動の順に考えてみましょう。
(年周運動→日周運動の順に考えても構いません)
時刻だけを問題に合わせて「7月20日13:00」を考えます。
基準である「7月20日19:00」の6時間前ですね。
ケの位置にあることがわかります。
次に日付の変化も問題の条件に合わせて「9月20日13:00」を考えます。
先ほど求めた「7月20日13:00」を基準とすると2ヶ月後です。
よってサとなります。
(4)
「7月20日19:00」と比べると
「時刻が21:00」・「日付が12月20日」と
「時刻の変化」「日付の変化」の両方があります。
(3)と同じで日周運動と年周運動の両方を考えなければなりません。
ここでは年周運動→日周運動の順に考えてみましょう。
(日周運動→年周運動の順に考えても構いません)
「日付の変化」だけを問題の条件に合わせた「12月20日19:00」を考えます。
基準である「7月20日19:00」の3ヶ月後です。
オの位置にあることがわかります。
次に「日付の変化」も問題の条件に合わせて「12月20日21:00」を考えます。
先ほど求めた「12月20日19:00」を基準とすると2時間後です。
よってカとなります。
(3)では日周運動→年周運動の順に
(4)では年周運動→日周運動の順に解きました。
この問題ではどちらを先にするのか決まりはありません。
基準となる「時刻・日付」と照らし合わせて、解きやすいほうから考えてみましょう。
例題2
5月10日の20:00に南中している恒星Yが観測できた。
6月10日に恒星Yが南中する時刻を求めなさい。
(答)
基準となるのは「5月10日20:00」の位置です。
そして問われているのは「6月10日の何時?」ですから
まず「日付の変化」だけを考えます。
つまり「6月10日20:00」の位置を考えるのです。
「日付の変化」ですから年周運動ですね。
エの位置にあることがわかります。
ではこの日の恒星Yの南中時刻を求めましょう。
「6月10日20:00」がエの位置なので南中の位置とは30度のずれがあります。
よって6月10日18:00に南中していることがわかります。
つまり正解は18:00です。
※この例題からわかるように、南中時刻は「1ヶ月で2時間早くなる」のです。
「同じ位置に星が見える時刻は1ヶ月で2時間早くなる」
と覚えておくと便利です。
POINT!!
・「時刻の変化」→ 日周運動を考える
・「日付の変化」→ 年周運動を考える
・問題で問われていることから「時刻の変化から考える」のか「日付の変化から考える」のか見分ける必要あり。
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