このページでは「海陸風が吹く原理」「いつ海風や陸風が吹くか」「季節風の吹く原理」について解説をしています。
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1.海陸風
海岸沿いの地域で昼に吹く風。
海から陸に向かって吹く。
■陸風
海岸沿いの地域で夜に吹く風。
陸から海に向かって吹く。
2.海陸風が吹く原理
海陸風を考えるには
・風は気圧の高い方から低い方へ吹く
・陸はあたたまりやすく、冷めやすい
・海はあたたまりにくく、冷めにくい
という点を押さえておく必要があります。
これを踏まえたうえで昼の場合、夜の場合にわけて海陸風を考えてみましょう。
昼の場合
まず晴れた昼間を考えます。昼間は太陽が出ているため、陸や海をあたためます。
しかしそのあたたまりやすさにはちがいがあり、
・陸はあたたまりやすい
・海はあたたまりにくい
よって陸の方が、海よりも熱をもっています。
ここで陸の熱がその付近にある空気に少しずつ伝わります。(↓の図)
あたためられた空気は膨張します。(体積が大きくなる)
つまり軽くなり(密度が小さくなり)、上昇していきます。(↓の図)
空気が上昇するということは・・・
陸から空気がはなれていくので、陸の気圧が下がることになります。
それに比べると海側は気圧が高いということになります。(↓の図)
風は気圧の差が生じたときに吹きます。
気圧の高い方から低い方へ吹くんでしたね。(↓の図)
このように海から風が吹きます。
よって海風といいます。
夜の場合
次に晴れた夜間を考えます。
夜間は太陽が沈んでいるため、昼間にたくわえられた熱が空へ放出されます。
しかしその放出のされ方にはちがいがあり、
・陸は冷めやすい
・海は冷めにくい
というちがいがあります。(↓の図)
よって海の方が、陸よりも熱をもっています。(陸は冷めやすいので、すぐ冷めた)
ここで海の熱がその付近にある空気に少しずつ伝わります。(↓の図)
あたためられた空気は膨張します。(体積が大きくなる)
つまり軽くなり(密度が小さくなり)、上昇していきます。(↓の図)
空気が上昇するということは・・・
海から空気がはなれていくので、海面上の気圧が下がることになります。
それに比べると陸側は気圧が高いということになります。(↓の図)
風は気圧の差が生じたときに吹きます。
気圧の高い方から低い方へ吹くんでしたね。(↓の図)
このように陸から海に向かって風が吹きます。
よって陸風といいます。
明け方や夕方
明け方や夕方は、夜から昼、昼から夜へと切り替わるタイミング。
風の向きが変わるタイミングなので、一瞬風が止まります。
これを凪(なぎ)といいます。
明け方の凪を朝凪、夕方の凪を夕凪といいます。
海岸沿いの地域で、明け方や夕方の風がやむタイミングのこと。
明け方の凪を朝凪、夕方の凪を夕凪という。
3.海陸風と夏・冬の天気
この海陸風と同じ理屈で日本の夏・冬には季節風が生じます。
※季節の詳しい特徴は→【日本の四季の天気】←を確認してください。
海陸風の考え方の
陸 → ユーラシア大陸
海 → 太平洋
昼 → 夏
夜 → 冬
と置き換えて考えてください。
夏の場合
陸→ユーラシア大陸・・・あたたまりやすい
海→太平洋・・・・・・・あたたまりにくい
というちがいがあります。(↓の図)
そのため
陸→ユーラシア大陸・・・気圧が低い
海→太平洋・・・・・・・気圧が高い
というちがいがあります。
このとき太平洋で生じる高気圧を太平洋高気圧といいます。(↓の図)
よって太平洋からユーラシア大陸に向けて風が吹くことになります。
あたたかく湿った風です。
これが夏に吹く南寄りの季節風です。(↓の図)
冬の場合
陸→ユーラシア大陸・・・冷めやすい
海→太平洋・・・・・・・冷めにくい
というちがいがあります。(↓の図)
そのため
陸→ユーラシア大陸・・・気圧が高い
海→太平洋・・・・・・・気圧が低い
というちがいがあります。
このとき大陸側で生じる高気圧をシベリア高気圧といいます。(↓の図)
よってユーラシア大陸から太平洋に向けて風が吹くことになります。
冷たく乾燥した風です。
これが冬に吹く北寄りの季節風です。(↓の図)
このように海陸風の原理が原因となって
夏・・・小笠原気団が勢力をもち、南寄りの季節風が吹く
冬・・・シベリア気団が勢力をもち、北寄りの季節風が吹く
ことになります。
※季節の詳しい特徴は→【日本の四季の天気】←を確認してください。
POINT!!
・陸(ユーラシア大陸)はあたたまりやすく、冷めやすい。
・海(太平洋)はあたたまりにくく、冷めにくい。
・空気があたためられる→上昇する→気圧が下がる(低気圧)。
・風は気圧の高い方から低い方へ吹く。
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