中2地学【フェーン現象】

このページでは「フェーン現象」について説明しています。

やや計算問題寄りの内容です。少し難しいかもしれません。

このページを理解するには、

→【飽和水蒸気量・露点】←のところ

→【湿度・乾湿計】←のところ

→【雲のでき方】←のところ

をマスターしておく必要があります。

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1.フェーン現象

■フェーン現象

山の斜面にあたった空気が山を越え、ふもとに向かって風として吹いたとき、その付近の気温が上がる現象のこと。

フェーン現象は水蒸気を含んだ空気が山の斜面にあたることによって起こります。(↓の図)

この空気が山の斜面をのぼるので、上昇気流が発生すると言えます。(↓の図)

上昇気流が生じると、やがて雲が発生します。(↓の図)

※雲のでき方については→【雲のでき方】←を参考に。

この空気はもともと水蒸気をもっていたわけですが、その水蒸気が雲(=水滴)に変わったので空気は乾燥しています。

この空気が山の斜面をすべりおり、ふもとに向かって移動します。

ふもとにはあたたかい乾燥した風が吹くのです。(↓の図)

これがフェーン現象です。

2.フェーン現象の計算問題

例題

次の表は気温と飽和水蒸気量の関係を表したものである。

いま気温25℃、17.3gの水蒸気を含む空気1m3が標高1500mの山の斜面をのぼることを考える。

このとき、山の向こう側での気温と湿度を求めよ。

(ただし雲がない場合、気温は100m上昇するごとに1℃下がり、雲がある場合、気温は100m上昇するごとに0.5℃下がるものとする。)


(答)
順を追ってみていきましょう。

まず気温と飽和水蒸気量の関係をグラフ化すると↓のようになりますね。

①スタート地点の状況

まずスタート地点をA地点とします。(↓の図)

A地点の気温:25℃

A地点の水蒸気量:17.3g

であるのでグラフに表すと↓のようになっています。

つまり湿度は

$$湿度(%)=\frac{17.3}{23.1}×100=74.89…$$

となり、74.9%です。

②雲ができ始める地点

次に雲ができ始める地点をB地点とします。(↓の図)

B地点の気温と湿度を求めましょう。

B地点は雲(=水滴の集まり)ができ始める地点です。

A地点からB地点にかけて

空気が上昇⇒気温が下がる⇒空気の温度が露点に達する⇒水滴ができた

のです。(雲のでき方)

※露点…これ以上温度が下がると水蒸気が水滴になってしまうという温度。

※露点の詳しい説明については→【飽和水蒸気量・露点】←を参考に。

つまりB地点の気温=露点ということになります。

はじめに含んでいた水蒸気は17.3g。

そこから表や↓のグラフからも露点は20℃とわかります。

つまり

B地点の気温:20℃

です。

よって

B地点の湿度:100%

となります。

ここで

A地点の気温:25℃ ⇒ B地点の気温:20℃

つまり気温が5℃下がった

ということです。

「雲がない場合、気温は100m上昇につき1℃下がる」という条件から

B地点の高さ:500m

とわかります。(↓の図)

③山頂での状況

山の頂上をC地点とします。(↓の図)

B地点の高さ:500m ⇒ C地点の高さ:1500m

なので空気は

BからCまで1000m上昇 

します。

このとき雲があるので、「雲がある場合、気温は100m上昇につき0.5℃下がる」という条件から

B地点からC地点で気温が5℃下がる

ことがわかります。(↓の図)

つまり

C地点の気温:15℃

です。

一方で

B地点の気温:20℃

B地点の水蒸気量:17.3g

であるので、水蒸気は12.8gまでしか含むことができません。(↓の図)

よって

C地点の水蒸気量:12.8g

です。

※17.3-12.8=4.5gの水滴は雲や雨に変化したということです。(↓の図)

④山のふもとにたどりついたとき

空気が山を乗り越えた先のふもとをD地点とします。(↓の図)

C地点の高さ:1500m ⇒ D地点の高さ:0m

空気は

CからDまで1500m下降

します。

このとき雲はないので「雲がない場合、気温は100m上昇につき1℃下がる」という条件から

気温は15℃上昇

ということがわかります。(↓の図)

よって

D地点の気温:30℃

です。

C地点からD地点にかけては空気が下降するので雲(水滴)はできません。

つまりCからDで水蒸気量は変化なしです。

よって

D地点の水蒸気量:12.8g

です。(↓の図)

つまり湿度は
$$湿度(%)=\frac{12.8}{30.4}×100=42.10…$$

42.1%であることがわかります。

よって空気が山を越えた先では

気温:30℃ 湿度:42.1%

となります。

AとDを比べるとDの方が気温が高く、湿度が低いことがわかりますね。

3.フェーン現象による事例

冬の日本はフェーン現象によって日本海側と太平洋側で気候が異なります。

冬はシベリア気団が発達し、シベリア高気圧が生じます。

そこからもたらされる北西の季節風。

これは日本海を通る最中に水蒸気を含みます。

この風が日本の山間部にあたって、乗り越えます。(↓の図)

これにより

日本海側・・・雲が発達し、降水量が多い

太平洋側・・・乾燥した風が吹く(空っ風)

という特徴があります。

ちなみにフェーン現象が起こると、冬であっても25℃を超えることがあります。

POINT!!・フェーン現象の計算は↓の図のA~Dの4地点の気温を求めることに注力しよう。


・とくにB~Cの間(雲ができているところ)は、湿度100%です。

・そうすれば水蒸気量、湿度などはたやすく計算できます。

※もちろん基本の湿度計算ができることが前提です。

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