このページでは「cal」をつかった計算や「電熱線から発生した熱によって水の温度が上がる」という問題の解説をしています。
少し発展的な内容を含んでいます。
熱量の基本的な考え方は→【熱量・電力量】←を読んでみてください。
動画による解説はこちら↓↓↓(calについては触れていません)
https://youtu.be/bGfrWhu2ffQ
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1.水の温度の上がり方
熱量の単位には2つある。
それが「 J (ジュール)」と「 cal (カロリー)」。
水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量は1cal。
1cal=約4.2Jである。
cal(カロリー)とは熱量の単位です。熱量の単位にはJ(ジュール)の単位もあります。
「cal」と「J」の関係は1cal=約4.2Jです。
(1J=0.24calとなっている場合もあります。)
つまり水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量は約4.2Jとも言えます。
水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量が1calなので、次の式が成り立つ。
$$水に入った熱量(cal)=水の量(g)×上昇温度(℃)$$
1cal=4.2Jとすると次のように表すこともできる。
$$水に入った熱量(J)=4.2×水の量(g)×上昇温度(℃)$$
例えば、水300gの温度を4℃上昇するのに必要な熱量は
$$300g×4℃=1200cal$$
となります。
ここで問題に「1cal=4.2J」を利用すれば
$$1200cal=1200×4.2=5040J$$
と単位を「cal」から「J」へと変換することもできます。
例えば水70gの温度を10℃上昇させるのに必要な熱量は
$$70g×10℃=700cal$$
であり、「1cal=4.2J」を用いると
$$700cal=700×4.2=2940J$$
とも求めることができます。
2.熱の出入りに関する問題
次のような回路で容器内の水を温めることを考えます。
このとき水の温度は何℃上がるか考えてみましょう。
例題
(答)
まず電熱線から出る熱量を求めます。
電熱線から出る熱量は
$$熱量(J)=電力(W)×時間(s)$$
で求められます。
電力の公式から
$$電力(W)=電流(A)×電圧(V)=10V×2A=20W$$
そして熱量の公式から
$$電熱線から出た熱量(J)=電力(W)×時間(秒)=20W×840秒=16800J…①$$
となります。
次に
水の温度がx℃上昇する
として水に入った熱量を求めましょう。
$$水に入った熱量(cal)=水の量(g)×上昇温度(℃)=100g×x(℃)=100x(cal)$$
と表すことができます。
1cal=4.2Jとしているので
$$100x(cal)×4.2=420x(J)…②$$
となります。
ここで「電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われる」という注意書きがあるため、①と②は等しいことになります。
①=②という方程式をつくります。
$$16800(J)=420x(J)$$
これを解いて
$$x=40$$
つまり
水温が40℃上昇することになります。
これが答えです。
注意しておきたいこと
ここで非常に大切な注意点です。
先ほどの例題では「電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われる」としました。
しかし現実世界ではこんなにうまくいきません。
「電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われる」ことはないからです。
電熱線から発生した熱量の一部は空気中へ逃げたり、容器の温度上昇に使われたりしますから。
そのため問題によっては
「電熱線から発生した熱量のうち30%が水の温度上昇に使われる」
なんて注意書きがあることもあります。
「電熱線から発生した熱のすべてが水の温度上昇に使われる」のか
「電熱線から発生した熱の一部が水の温度上昇に使われる」のか
これは大きな違いです。
実際に問題を解くときはこの注意書きに気を付けましょう。
例題2
(答)
電熱線から出た熱量を求めます。
$$電熱線から出た熱量=電力(W)×時間(秒)$$
$$=15V×4A×100秒=6000J$$
次に水500gの温度が2℃上がったことから、水に入った熱量を求めます。
$$水に入った熱量(cal)=水の量(g)×上昇温度(℃)$$
$$500g×2℃=1000cal$$
1cal=4.2Jであるので1000calをJの単位に変換します。
$$1000cal×4.2=4200J$$
電熱線から出た熱量6000Jのうち、水に入ったのは4200Jです。
ということは
$$6000J-4200J=1800J$$
の1800Jの熱量は水に入らなかったことになります。
つまり逃げた熱量は1800Jといえます。
この問いは発生した熱のうち、一部が水に入ったという問題の例でした。
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