中2物理【熱の出入りについての問題】

このページでは「cal」をつかった計算や「電熱線から発生した熱によって水の温度が上がる」という問題の解説をしています。

少し発展的なないようを含んでいます。

熱量の基本的な考え方は→【熱量・電力量】←を読んでみてください。

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1.水の温度の上がり方

■水の性質

水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量を1cal(カロリー)という。

cal】とは熱量の単位です。

熱量の単位には【J】の単位もありました。

【J】【cal】の関係は

1cal=約4.2J

です。

(1J=0.24calとなっている場合もあります。)

つまり水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量は約4.2Jとも言えます。


※注意!
むかしは1J=0.24calとして計算させる問題ばかりでした。

現在は1cal=4.2Jで計算させる問題が多いです。

しかし実はどちらも正確な値ではなく、誤差を含みます

1J=0.24cal、1cal=4.2Jのどちらを使うのかは学校の先生の指示や問題文の条件をよく見ましょう。


■水の性質から考えた熱量

水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量が1calなので、次の式が成り立つ。

$$水に入った熱量(cal)=水の量(g)×上昇温度(℃)$$

例えば、水300gの温度を4℃上昇するのに必要な熱量は

$$300g×4℃=1200cal$$

となります。

ここで問題に「1cal=4.2J」と書いてあれば

$$1200cal=1200×4.2=5040J$$

と単位を[cal]から[J]へと変換することもできます。

例えば水70gの温度を10℃上昇させるのに必要な熱量は

$$70g×10℃=700cal$$

であり、「1cal=4.2J」を用いると

$$700cal=700×4.2=2940J$$

とも求めることができます。

4.熱の出入りに関する問題

次のような回路で容器内の水を温めることを考えます。

このとき水の温度は何℃上がるか考えてみましょう。

例題

次のような回路で容器内の水を温める。

70秒間電流を流したときの水の上昇温度は何℃か。

ただし電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われるものとし、1cal=4.2Jとする。


(答)

まず電熱線から出る熱量を求めます。

電熱線から出る熱量は

$$熱量(J)=電力(W)×時間(s)$$

で求められます。

図の条件をオームの法則にあてはめて

$$電流(A)=\frac{電圧(V)}{抵抗(Ω)}=\frac{30V}{15Ω}=2A$$

電力の公式から

$$電力(W)=電流(A)×電圧(V)=30V×2A=60W$$

熱量の公式から

$$電熱線から出た熱量(J)=電力(W)×時間(秒)=60W×70秒=4200J…①$$

となります。

次に

水の温度がx℃上昇する

として水に入った熱量を求めましょう。

$$水に入った熱量(cal)=水の量(g)×上昇温度(℃)=200g×x℃=200x(cal)$$

と表すことができます。

1cal=4.2Jとしているので

$$200x(cal)×4.2=840x(J)…②$$

となります。

ここで「電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われる」という注意書きがあるため

①と②は等しいことになります。

①=②という式をつくります。

$$4200(J)=840x(J)$$

これを解いて
$$x=5$$

つまり

水温が5℃上昇することになります。

これが答えです。


熱は電熱線から出て水へと入ります。

ですから

電熱線から出る熱量=水に入る熱量

で式をつくります。


ここで非常に大切な注意点です。

先ほどの例題では「電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われる」としました。

しかし現実世界ではこんなにうまくいきません。

「電熱線から発生した熱量は水の温度上昇のみに使われる」ことはないからです。

電熱線から発生した熱量の一部は空気中へ逃げたり、容器の温度上昇に使われたりしますから。

そのため問題によっては

「電熱線から発生した熱量のうち30%が水の温度上昇に使われる」

なんて注意書きがあることもあります。

もし先ほどの例題で、この注意書きがあれば

$$4200J×\frac{30}{100}=1260J$$

が水に入る熱量ということになります。

$$1260=840x$$

$$x=1.5$$

となり、答が全然違ってしまいます。

「電熱線から発生した熱のすべてが水の温度上昇に使われる」のか

「電熱線から発生した熱の一部が水の温度上昇に使われる」のか

これは大きな違いです。
実際に問題を解くときはこの注意書きに気を付けましょう。

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