中3化学【*水の電気分解】

*このページは一部に発展的な内容を含みます。

※できれば→【イオンとは】←→【電離・電解質】←も参考に。
※塩酸の電気分解については→【塩酸の電気分解】←を。
※塩化銅水溶液の電気分解については→【塩化銅水溶液の電気分解】←を。

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1.水の電気分解

■分解
1つの物質が2つ以上の物質に変化する化学変化。

■電気分解
電気を通すことで行う分解。
電気エネルギーを化学エネルギーに変換している。

■水
純粋な水はほとんど電気を通さない。
しかしごくごくわずかに電離する。
(電離の様子) H2O →H+ + OH


■水の電気分解

(反応の様子) 水 → 水素 + 酸素
(化学反応式) 2H2O → 2H+ O2

2.水の電気分解の仕組み

■陽極・陰極
電源の+極からつながっている電極が陽極
電源の-極からつながっている電極が陰極

※電極には他の物質と反応しにくい炭素や白金を用いることが多い。

①容器に水を入れる

水をを容器に入れます。

中学理科では「純水や蒸留水は電気を通さない」と学習しますが…

実際にはごくわずかに電気を通します。

それは以下のように水がごくわずかに電離するからです。
電離式: H2O → H+ + OH

なので↓の図のように水が少しですが電離しています。

②水に水酸化ナトリウムを溶かす

水は少ししか電離しないため、イオンを増やすために水酸化ナトリウムを溶かします。

水酸化ナトリウムは次のように電離します。
電離式:  NaOH → Na+ + OH

よって↓の図のように各イオンが存在します。

③電流が流れだす

電流は↓のように流れますね。

④電子の流れ

電流の正体は電子の流れです。
しかし電流の流れは電子の流れと反対向きでした。(↓の図)

電源装置は電子を動かす役目をします。
そのためには陽極で誰かから電子を渡してもらう必要があります。

⑤陽極での変化

容器内で電子を多く持っているのは陰イオンである水酸化物イオンOHです。
水酸化物イオンは陽極に近づき電子を失います(陽極に渡す)。(↓の図)

水酸化物イオンは電子を失たものが4つ集まることで酸素と水 になります。(↓の図)

これが以下のように…

このように陽極側では酸素の気体が発生するのです。(↓の図)

⑥電子の移動

陽極には水酸化物イオンが置いていった電子がありますね。(↓の図)

この電子は電源装置によって陰極に運ばれます。(↓の図)

放っておくと電子はたまりっぱなしです。
誰かに持って行ってもらう必要があります。

⑥陰極での変化

陰極にたまった電子をもらうのが水素イオンHです。

なぜナトリウムイオンNaではないのか?

それはイオン化傾向のちがいです。


※イオン化傾向とは・・・
各金属原子・水素原子がどれだけイオンになりやすいか?というちがい。

↓のような順番になっている。

→【電池のしくみ】←でも紹介しています。


ナトリウムNaと水素Hでは・・・

・ナトリウムNaの方がイオン化傾向大イオンになりやすい(イオンのままでいたい)

・水素Hの方がイオン化傾向小イオンになりにくい(イオンのままでいたくない)

このイオン化傾向のちがいのため、

・ナトリウムイオンNaはそのまま。

・水素イオンは電子を得て水素原子になる。

という変化が起こります。

よって水素イオンは陰極に近づき電子を得ます(陰極からもらう)。

そうすることで水素イオンは電子を得て水素原子となります。(↓の図)

この水素原子が2つ結びつくと水素の気体H2となります。

このように陰極側では水素の気体が発生するのです。(↓の図)

⑦まとめ

【陽極で起こったこと】

水酸化物イオンが近づき電子を失った

・式で書くと 4OH- → O2 + 2H2O + 4e

※eは電子のことです。
※↓を式にしたと考えてください。


【陰極で起こったこと】

水素イオンが近づき電子を得た

・式で書くと 2H+ + 2e- → H2

【全体として】

・水が水素と酸素へと変化した。

・化学反応式で書くと 2H2O → 2H2 + O2

・液中の水のみが減少するので水酸化ナトリウム水溶液としての濃度は上がっていく

■このページのポイント

・陽極で起こること、陰極で起こることを説明できるように。
・特に陰極ではイオン化傾向のちがいによりNaが原子になることはない。
・式で表せるとなおよい。

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